コラム 2021/8/15 16:00

乃木坂46卒業後に髪を20cmカット！伊藤万理華が放つ、比類なき“躍動感”の魅力とは？

最新作では映画部に所属する時代劇オタクの女子高生に。豊かな表情と自然体の演技が絶品！

そんな伊藤の主演最新作が、第33回東京国際映画祭のお披露目から話題を呼び、世界各国の映画祭で上映された『サマーフィルムにのって』(公開中)だ。

【写真を見る】伊藤万理華の魅力が炸裂！最新作へ至る道のりを振り返る[c]2021「サマーフィルムにのって」製作委員会

「お耳に合いましたら。」でもタッグを組んでいる松本壮史監督がメガホンを取り、アニメ、文学、J-popなどポップカルチャーを盛り込みつつ予想外の“ボーイ・ミーツ・ガール”を描いてきた劇団「ロロ」を主宰する三浦直之が脚本を担当した本作。恋、友情、時代劇、SFという異色の要素が絶妙なバランスで組み合わされ、ちょっぴり切なくも勇気を感じさせてくれる爽快感あふれる青春ムービーとなっている。

本作で伊藤は高校三年生の時代劇オタクのハダシを演じている。映画部に所属し、放課後は親友のビート板(河合優実)やブルーハワイ(祷キララ)とともに河川敷の秘密基地で大好きな映画談義に興じる姿はリアルな女子高生そのもの。

新たな魅力を披露した伊藤万理華[c]2021「サマーフィルムにのって」製作委員会

文化祭で自主制作の時代劇『武士の青春』のゲリラ上映を画策したハダシが、劇中の主人公である猪太郎にぴったりの目元涼やかな青年、凛太郎(金子大地)をスカウトしようと必死になるシーンや、時代劇愛をうっとりと語るシーン、そして撮影での得意げな様子や、困り顔＆あきれ顔などなど。もともとアイドル時代から“変顔”を特技としていることでも知られる伊藤の、言葉はなくとも気持ちを雄弁に語る豊かな表情と自然体の演技は絶品だ。

このハダシの配役にあたり、モノづくりに情熱を燃やす女子高生を演じること、さらにアクションもこなせる身体能力の持ち主であることの2つの条件をクリアできる若手女優ということで、松本監督は映画の企画段階から「主人公は伊藤万理華さんしかいないと思っていた」と明かしている。

自身初となる殺陣に挑戦！『座頭市』を観て役作りも

トラブル続きながらも少しずつ進んでいく映画作りの過程もみどころの１つ[c]2021「サマーフィルムにのって」製作委員会

勝新太郎を敬愛するハダシは、登下校中も木の枝を手に殺陣の練習をしながら歩いたり、傘を剣に見立てて剣道部のブルーハワイと時代劇のアクションシーンを再現したり、凛太郎に剣さばきから人物を当てさせる時代劇クイズをしたりと、筋金入りの時代劇オタクっぷりを見せる。

本作で伊藤は自身初となる殺陣にも挑戦しているが、ハダシを演じるにあたっては『座頭市』をはじめとする参考資料を見て予備知識を蓄えた。劇中では座頭市よろしく白目もむいてみせるが、これは伊藤がちょっとしたアイデアとして取り入れたもの。座頭市を演じる“勝新”のカッコ良さが印象に残っていたための自然発生的な演技だったという。

高校時代の貴重なひと夏にかけがえのない経験をしたハダシと仲間たちの成長にも注目！[c]2021「サマーフィルムにのって」製作委員会

またハダシは、タイムトラベラーである凛太郎に淡い恋心を抱く。時空という恋の障壁にぶち当たったハダシが抱く切ない想いや映画への愛を、伊藤はスカートをひるがえし途轍もないエネルギーで瑞々しく表現！その伊藤の躍動感が物語に説得力を与え、青春映画とSFが不思議な化学反応を起こして極上の爽快感をもたらしているのは間違いない。

卓越した運動センスと自分なりのスタイルを持ち、観るたびに新鮮な魅力を感じさせてくれる女優、伊藤万理華。彼女の新たな代表作といえる『サマーフィルムにのって』で、彼女の比類なき躍動感が導きだす清々しい感動を堪能してほしい！