「時代が呼び寄せた」大魔神の復活!令和の『妖怪大戦争』の奥深い“ルーツ”|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
「時代が呼び寄せた」大魔神の復活!令和の『妖怪大戦争』の奥深い“ルーツ”

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「時代が呼び寄せた」大魔神の復活!令和の『妖怪大戦争』の奥深い“ルーツ”

現在開催中の「妖怪・特撮映画祭」で4K修復版が上映されている「妖怪三部作」、角川グループ60周年を記念して製作され興行収入20億円の大ヒットを記録した『妖怪大戦争』(05)。時代を超えて子どもたちを虜にしてきた妖怪の物語が“令和版”としてさらにパワーアップを遂げた『妖怪大戦争 ガーディアンズ』が公開中だ。

妖怪獣の危機に立ち向かうため、妖怪ハンターの末裔・渡辺ケイに白羽の矢が立つ
妖怪獣の危機に立ち向かうため、妖怪ハンターの末裔・渡辺ケイに白羽の矢が立つ[c] 2021『妖怪大戦争』ガーディアンズ

本作のはじまりは、株式会社KADOKAWA取締役会長である角川歴彦の、「とてつもなくスケールの大きい映画を作りたい」という野望だった。日本でもアメリカでの「アベンジャーズ」シリーズに負けないヒーローアドベンチャー映画を作れることを証明したい。その想いから、前作でもメガホンをとった三池崇史監督を筆頭に、妖怪研究の第一人者で前作にも「プロデュースチーム『怪』」の一員として参加していた荒俣宏らが揃った。荒俣いわく、日本は“妖怪の国”。異界からやってきた異種である妖怪と、長きにわたり共存しながら暮らしてきた日本人と日本文化の歴史には、地球の未来を占う手掛かりが眠っている。それが本作のテーマとなった。

物語はフォッサマグナに眠る古代の化石たちがひとつに結集し、巨大な「妖怪獣」となることから始まる。人間にとっては天災にしか見えない妖怪獣の襲来に、いち早く気が付いた日本の妖怪たちは、この危機に立ち向かうべくある奇策を思い付く。それは封印された“大魔神”を復活させること。そしてその力を持つとされる伝説の妖怪ハンターの末裔で、気弱な小学生の渡辺ケイ(寺田心)に白羽の矢が立てられる。

【写真を見る】大魔神が55年ぶりにスクリーンへ!荒俣宏「大魔神に、一つの答えを出せた」
【写真を見る】大魔神が55年ぶりにスクリーンへ!荒俣宏「大魔神に、一つの答えを出せた」[c] 2021『妖怪大戦争』ガーディアンズ

この「フォッサマグナから生まれた妖怪獣」について荒俣は、小松左京の「日本沈没」からの影響を語っている。フォッサマグナとは本州を真っ二つに分けていた巨大な溝のことで、かつては巨大な海峡だったためにたくさんの海の生物の化石が発掘されてきた。江戸の考古学ブームの頃には、大きなイルカの頭蓋骨や龍の骨や天狗の頭、怪物や妖怪の類まで掘り起こされて騒ぎになったことがあるのだとか。

こうした経緯から、実際に各地に足を運び調査も行なうなかで、フォッサマグナこそがエネルギー源であることへの実感を深めていき、妖怪獣を発端とするストーリーが生まれたのだとか。これには角川会長も、妖怪獣の登場を本作における荒俣の功績として称え、「妖怪研究家もびっくりするような、クリエイティブな発想」と絶賛している。

クリエイティブな発想によって生まれた“妖怪獣”が世界を揺るがす!
クリエイティブな発想によって生まれた“妖怪獣”が世界を揺るがす![c] 2021『妖怪大戦争』ガーディアンズ


また、妖怪獣と死闘を繰り広げる“大魔神”は、1966年に公開された「大魔神三部作」以来実に55年ぶりにスクリーンに復活することとなった。本作では最新のVFX技術で生まれ変わり、妖怪獣と大迫力のバトルを展開していく。荒俣も「復活を待っていた大魔神に一つの答えを出せた」と自信をのぞかせ、メガホンをとった三池監督も「この時代が、大魔神の存在そのものを呼び寄せた。いま人間にとって、もう一度大魔神の力をお借りするときが来ている。そういう運命なんだと思います」と語っている。

16年前の前作や、半世紀以上前の「妖怪三部作」と「大魔神三部作」といった特撮映画の歴史はもちろんのこと、日本の歴史・文化や日本列島の誕生などありとあらゆる要素が詰め込まれ、そのルーツを探れば探るほど奥が深い『妖怪大戦争 ガーディアンズ』。子どもはもちろん大人まで誰もが楽しめる夏休みにぴったりの映画体験を、是非とも劇場で堪能してほしい!

文/久保田 和馬


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