「男性として生きる人生がすごく楽しみ」トランスジェンダーで無性愛者の中山咲月、23歳の新たな旅立ち|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
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インタビュー 2021/9/17 20:00

「男性として生きる人生がすごく楽しみ」トランスジェンダーで無性愛者の中山咲月、23歳の新たな旅立ち

「中性的じゃ足りない、もう男でいさせてください」そう宣言した俳優・モデルの中山咲月。トランスジェンダーであり、他者に恋愛感情や性的欲求を持たない無性愛者(アセクシャル)であることを告白した。そんな中山の心のうちを綴ったのが、自身の23歳の誕生日である9月17日に発売のファーストフォトエッセイ「無性愛」だ。かつて自らについた“ジェンダーレス女子”という肩書きを捨て、男性として生きていくと決意した彼が、いまどんなことを考えているのか聞いた。

【写真を見る】男性として生きる覚悟を決めた中山咲月、撮り下ろしカットを一挙公開
【写真を見る】男性として生きる覚悟を決めた中山咲月、撮り下ろしカットを一挙公開撮影/興梠真穂

これからの人生、自分の生きたいように生きようと思った

――映画『彼らが本気で編むときは、』をご覧になって、自分がトランスジェンダーであることを自覚したとおっしゃっていました。それまで自身のジェンダーについてどう捉えていましたか。

「お仕事をしていくなかで“ジェンダーレス”という言葉でくくられることが結構あって。女性と呼ばれるよりは“ジェンダーレス”のほうが気は楽でしたけど、ずっと引っかかりはありました。自分がトランスジェンダーだって気づくきっかけになったのは、確かにその映画なんですけど、これまでもそういうタイミングは何回かあって。無意識のうちに自分で違和感に蓋をしていたんだと思います」

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フォトエッセイ「無性愛」(ワニブックス刊)より

――それは、いわゆる“普通”とカテゴライズされるものから自分が逸脱することが怖かったからですか。

「そうですね。まさしくそれです」

――そこからトランスジェンダーであることを公表するまでの心の動きを聞かせてもらえますか。

「最初は真っ正面から受け止めきれなくて。これも一時の迷いなんじゃないかとか、そんなはずはないって自分の気持ちを必死に押さえこもうとしたり。そういう時期が1か月くらい続きました。

それでもやっぱり公表しようと決めたのは、生きていたくないと思ったからです。そういうところまで気持ちが沈んだ時、いつも一緒にいる友達が言ってくれたんです。『死ぬくらいなら、自分の好きなことをしろ』って。ワガママになっていいから、自分はこういう人間なんです、だから自由にさせてくださいって言ってみて、そのうえで決めたらいいって。

うれしかったのが、その友達は死ぬことを止めるんじゃなくて、自分のこれからの生き方に対してちゃんと向き合ってくれたんですよ。その子の言葉に背中を押されて公表しようと決めたし、その子がいなかったらいま生きてないなと断言できるくらい、すごく支えられています」

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撮影/興梠真穂

――こういうお仕事をしていると、公表することによって仕事に影響も出ます。そこに対する恐怖はありませんでしたか。

「ありました。でも、いつ死ぬかわからないような精神状態で生きるよりも、仕事が多少狭まっても、自分の生きたいように生きたほうが絶対いいと思った。これからの人生、もう自分に嘘をつきたくないなと思って決断しました」