【今週の☆☆☆】ダニエル版ボンド最後の闘い『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』、悪魔は存在するのか?『死霊館』など、週末観るならこの3本!|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
【今週の☆☆☆】ダニエル版ボンド最後の闘い『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』、悪魔は存在するのか?『死霊館』など、週末観るならこの3本!

コラム

【今週の☆☆☆】ダニエル版ボンド最後の闘い『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』、悪魔は存在するのか?『死霊館』など、週末観るならこの3本!

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MOVIE WALKER PRESSスタッフが、週末に観てほしい映像作品3本を(独断と偏見で)紹介する連載企画。今週は、ついに公開を迎えた「007」シリーズ最新作、“悪魔”の存在を巡る、猟奇殺人事件の行方に迫るホラー、佐藤健&阿部寛主演によるヒューマンドラマの、見ごたえたっぷりな3本!

次から次へと見せ場が!脳裏に焼き付く最後の勇姿…『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(公開中)

ボンドと共に戦うキューバのエージェントの活躍にも注目(『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』)
ボンドと共に戦うキューバのエージェントの活躍にも注目(『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』)[c] 2021 DANJAQ, LLC AND MGM. ALL RIGHTS RESERVED.

ダニエル・クレイグのボンド役、その「スワン・ソング(最後にして最高のもの)」を目指したこの作品は、マドレーヌ・スワンとの関係を軸に、エモーショナルに盛り上がっていく作り。前作『007/スペクター』からの流れで、マドレーヌとの幸せな日々を予感させるイタリアへの旅から、衝撃的ピンチに見舞われるボンド。その後、MI6を引退したにもかかわらず、ジャマイカでボンドに過酷な任務が舞い込んでくる。
冒頭から、勢いは全開!アストン・マーティンを駆使した特級カーチェイスで酔わせ、その後もシリーズ史上でも屈指の恐ろしい惨状、世界を揺るがす敵の策略など、次から次へと続く見せ場で、アクション演出も安定感バッチリだ。ダニエルが演じた5作で、ここまでポイントのユーモアが効果的なのも初めてかも。新登場キャラでは、アナ・デ・アルマス演じるキューバのエージェントの活躍がサプライズ的楽しさだし、「007」らしい過剰な美術もあり…と見どころのオンパレードを体感した果ての最後の勇姿は、しっかりと脳裏にやきつくことだろう。(映画ライター・斉藤博昭)

“心霊探偵”ウォーレン夫妻が悪魔に立ち向かう!…『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』(公開中)

【写真を見る】“悪魔ブリッジ“をはじめ、衝撃のシーンが続々(『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』)
【写真を見る】“悪魔ブリッジ“をはじめ、衝撃のシーンが続々(『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』)[c] 2021 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved

 
『アナベル』シリーズなどを擁するホラー・ユニバースの最新作にして、「死霊館」シリーズの第3弾。悪魔に憑かれて殺人を犯したと主張する青年。彼のために立ち上がった心霊研究家のウォーレン夫妻が、強大な悪魔に立ち向かう!驚くべきは、これが1981年に起こった実話をもとにしていること。ウォーレン夫妻は言うまでもなく実在の心霊研究家で、実際に青年のために調査に当たった。しかし、法廷で悪魔を裁くことは可能なのか!? そんな議論の興味深さの一方で、これまでのシリーズでは館の中のみで事件を解決しようとしていたウォーレン夫妻が、外に出て調査に当たる点はシリーズの新味。心霊探偵というべき彼らの奔走から目が離せない!(ライター・有馬楽)


理不尽な状況に追い込まれた登場人物たちの哀しみと救い…『護られなかった者たちへ』(公開中)

佐藤健と阿部寛が、連続“餓死”殺人事件の容疑者と刑事役で共演(『護られなかった者たちへ』)
佐藤健と阿部寛が、連続“餓死”殺人事件の容疑者と刑事役で共演(『護られなかった者たちへ』)[c]2021 映画「護られなかった者たちへ」製作委員会

こんなにも切なく、心揺さぶられるストーリーがあるだろうか。ベストセラー作家である中山七里の小説を映画化した本作は、胸を鋭くうがつヒューマン・ミステリーだ。大震災から約10年、仙台で不可解な連続餓死殺人事件が発生。被害者らがかつて同じ福祉事務所に勤務していたことから、刑期を終え出所したばかりの利根という男の存在が捜査線上に浮かび上がる。社会派テーマ×人間ドラマの名手である瀬々敬久監督は、震災が招いた格差と分断の実態をしかと見つめつつ、人間の内面に肉迫していく丁寧な人物描写で理不尽な状況に追い込まれた登場人物たちの哀しみと救いをスクリーンに克明に刻みつけた。佐藤健による“容疑者となった利根”の無骨さと不器用な愛情、阿部寛による“妻子を護りきれなかった後悔を抱える刑事”の焦燥感、倍賞美津子による“利根に家族の温もりを与えてくれる震災避難者のけいさん”の包容力。実力派俳優たちの極上の演技に翻弄されるとともに、万感の思いがこみ上げる事件の真相を見届けてほしい。(ライター・足立美由紀)

週末に映画を観たいけれど、どの作品を選べばいいかわからない…という人は、ぜひこのレビューを参考にお気に入りの1本を見つけてみて!

構成/サンクレイオ翼

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