北米興収は『エターナルズ』がV2!アカデミー賞最右翼のケネス・ブラナー監督作が7位に初登場|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
北米興収は『エターナルズ』がV2!アカデミー賞最右翼のケネス・ブラナー監督作が7位に初登場

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北米興収は『エターナルズ』がV2!アカデミー賞最右翼のケネス・ブラナー監督作が7位に初登場

前週にコロナ禍としては4番目のオープニング成績で初登場首位を飾ったMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)作品『エターナルズ』(日本公開中)が、2週連続で1位を獲得した先週末(11月12日から14日)の北米興収ランキング。なお公開9日目となる13日の段階で北米累計興収1億ドルの大台を突破し、16日の火曜日には『フリー・ガイ』(21)を抜き去り2021年公開作の第7位に浮上した模様。

ファミリー映画が強いコロナ禍で、どこまで持続できるのか
ファミリー映画が強いコロナ禍で、どこまで持続できるのか写真:EVERETT/アフロ

2位に初登場を果たしたのは、ノーマン・ブリッドウェルの有名児童文学を映画化した『でっかくなっちゃった赤い子犬 僕はクリフォード』(2022年1月21日日本公開)。ニューヨークを舞台に、ある日突然巨大化してしまった子犬に巻き起こる騒動を描いた同作は、ベテランズデー(退役軍人の日)で学校が休みになる前日の水曜日に狙いを定めて劇場とPramount+での同時配信。

結果的に初週末3日間の興収は1662万ドル、初日から5日間で2200万ドルを突破と、コロナ禍に公開されたファミリー向け映画としては最高のオープニング成績に。Pramount+での視聴者数は公表されていないが、まだワクチンの摂取が始まったばかりの子どもを含め、大作ブロックバスターを求める観客以外も順調に映画館に戻ってきていることが窺える。週明け月曜日の興収の大幅な下落が少々目に付くとはいえ、コロナ禍では多くのファミリー向け映画が息の長い興行を展開した実績もあり、まもなく訪れる感謝祭の連休でどこまで伸ばせるのか注目だ。


【写真を見る】トロント国際映画祭で“オスカーへの一番切符”を獲得!ケネス・ブラナーの半自伝的映画とは
【写真を見る】トロント国際映画祭で“オスカーへの一番切符”を獲得!ケネス・ブラナーの半自伝的映画とは画像は『Belfast』(@belfastmovie)公式Instagramのスクリーンショット

そして『フレンチ・ディスパッチ』(2022年1月28日日本公開)や『Spencer』に続き、賞レースを見据えた作品が相次いで公開されるいまのシーズン。現時点で作品賞をはじめ第94回アカデミー賞の最右翼と噂されるケネス・ブラナー監督の『Belfast』が、580館で封切られ興収177万ドルで7位にランクインした。

北アイルランドのベルファストの1960年代末を舞台に、労働者階級の家族を描いたブラナーの半自伝的作品である同作。今年9月に行われたトロント国際映画祭では、過去10年で9本がアカデミー賞作品賞にノミネートされ、内3本が作品賞受賞を果たした“オスカーへの一番切符”として知られる観客賞を受賞。批評集積サイト「ロッテン・トマト」によれば、批評家からの好意的評価の割合は88%、観客からのそれは91%と、圧倒的とはいえないまでも高水準をキープ。

「The Wrap」のレポートによれば観客の7割以上が35歳以上と、まだあまり映画館に戻ってきていないとされる世代に集中しているわけだが、感謝祭シーズンには1000館以上への拡大公開を予定しているとのこと。興行的成功を味方に付けることができれば、「子どもが主人公の映画は作品賞を獲れない」というアカデミー賞のジンクスを破る可能性はさらに高まることだろう。

文/久保田 和馬

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