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『ウエスト・サイド・ストーリー』ワールドプレミアが開催!スピルバーグ監督らがミュージカル界の巨匠を追悼

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『ウエスト・サイド・ストーリー』ワールドプレミアが開催!スピルバーグ監督らがミュージカル界の巨匠を追悼

レナード・バーンスタイン作詞、スティーブン・ソンドハイム作曲によって1957年に初演された伝説のミュージカル「ウエスト・サイド物語」。1961年に映画化され第34回アカデミー賞作品賞を含む10部門を制覇した同作を、巨匠スティーヴン・スピルバーグ監督が60年ぶりに映画化した『ウエスト・サイド・ストーリー』(2022年2月11日公開)のワールドプレミアが現地時間11月29日、物語の舞台でもある聖地ニューヨークのウエストサイドにて開催。キャスト&スタッフ陣が集結を果たした。

ウィリアム・シェイクスピアの名作「ロミオとジュリエット」を下敷きに、夢や自由を求めて世界中から多くの人々が集まるニューヨークのウエストサイドに生きる若者たちの禁断の愛と悲劇を描いた本作。差別や偏見による社会への不満を抱えた若者たちは、それぞれの仲間と徒党を組み敵対するチームと激しく対立し合っていた。ある時“ジェッツ”の元リーダーであるトニーは、“シャークス”のリーダーであるベルナルドの妹マリアと出会う。2人はまたたく間に恋に落ちるのだが…。

プレミアの会場には、劇中に登場するウエストサイドの街並みをイメージしたレンガ調の壁や、トニーとマリアが名曲「Tonight」を披露する非常階段が設置されるなど、本作の世界観が忠実に再現。そこに敷かれたレッドカーペットに、スピルバーグ監督をはじめトニー役のアンセル・エルゴートやマリア役のレイチェル・ゼグラー、1961年版でアニータ役を演じアカデミー賞助演女優賞を受賞し本作でもバレンティーナ役を演じるリタ・モレノらが登場。


ヒロインのマリア役には約3万人が参加したオーディションを勝ち抜いたレイチェル・ゼグラーが大抜擢
ヒロインのマリア役には約3万人が参加したオーディションを勝ち抜いたレイチェル・ゼグラーが大抜擢[c]2021 20th Century Studios. All Rights Reserved.

長年にわたって本作を自身の手で映画化することを願ってきたスピルバーグ監督は「これは僕が生涯ずっとやりたいことだった。何十年間も人々が愛し続けてきたこの楽曲を、僕たちの映画でも気に入ってもらえるといいなと願っています」と喜びを語る。また、「Tonight」を歌うシーンが見どころと語るアンセルは「レイチェルの歌声が信じられないほどすばらしい」と、約3万人が参加したオーディションを勝ち抜いたレイチェルを絶賛。そんなレイチェルは「ミュージカルは私にとってとても重要なもの。スティーブン・ソンドハイムがミュージカルの素晴らしさを教えてくれました」と、11月26日に91歳で逝去したソンドハイムに哀悼の意を表した。

20代の頃に「ウエスト・サイド物語」の楽曲を書き上げ、本作はもちろんのことミュージカル界において欠かすことのできない存在であったソンドハイムの訃報に際し、スピルバーグ監督は「ソンドハイムはアメリカで最も偉大なソングライターの1人であり、天才的な作詞家・作曲家であり、これまでも最も輝かしいミュージカルドラマをいくつも生みだした、アメリカ文化における偉大な人物です。彼がいなくなるのはとても寂しいですが、彼は私たちに、愛することがどれほど偉大で必要なことなのかを教えてくれる作品群を残してくれましたし、これからも教えてくれるでしょう」とコメントを発表。

そのソンドハイムは生前に完成した本作を鑑賞し「すばらしい作品。全体に輝きとエネルギーがあり、新鮮に感じられます。スティーヴン・スピルバーグ監督と脚本のトニー・クシュナーは本当に作品を完璧に仕上げてくれました」と絶賛。「本当に幸せな時間を過ごせますので、是非皆様劇場に足を運んでください」との言葉を捧げていた。60年以上の時を経ても色褪せない、まさに“不朽の名作”の言葉にふさわしい物語と楽曲の数々を、スピルバーグ監督をはじめとしたスタッフ&キャストがどのように現代によみがえらせたのか。公開まで期待は高まるばかりだ。

文/久保田 和馬

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