ダイアナ元妃からエリザベス1世まで、英国王室の誇りと苦悩を描くロイヤルファミリー・ムービーまとめ
言動はもちろんファッションに至るまで、なにかと注目される英国ロイヤルファミリー。その人気を裏付けるように本国イギリスではこれまで王室を題材にした映画が多数製作され、2022年もクリステン・スチュワート主演作『Spencer』やドキュメンタリー映画『Diana』が公開予定となっている。そこで今回は、人間ドラマとしても秀逸な英国発のロイヤルファミリー・ムービーを、年代を遡りつつ紹介しよう。
最新作はダイアナ元妃をつづる人間ドラマ&ドキュメンタリー/『Spencer』『Diana』
イギリスの名門貴族であるスペンサー伯爵家の三女として生まれ、亡くなったいまでも憧れのアイコンとして絶大な人気を誇るダイアナ。スチュワートが髪をブロンドにしてダイアナ妃を体現した『Spencer』では、『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』(16)を手掛けたパブロ・ラライン監督のメガホンでチャールズ皇太子との別居を決断するクリスマスシーズンの数日間が描かれ、ドキュメンタリー『Diana』では36歳という早すぎる死を迎えたダイアナの生涯をアーカイブ映像によって振り返る。
現代~20世紀:エリザベス2世が抱える栄光と苦悩/「ザ・クラウン」『ダイアナ』『クイーン』
ウィンザー朝第四代女王にして、現在、英国史上最高齢の君主として統べるエリザベス2世。すでに第4シーズンまで配信されているNetflixオリジナルドラマ「ザ・クラウン」は、1940年代後半~1990年の英国王室50年に迫るヒューマンドラマだ。フィリップ王子と結婚したエリザベス王女(クレア・フォイ)は、父である国王ジョージ6世(ジャレッド・ハリス)の崩御によって25歳でエリザベス2世として即位する。政界有力者とのタフな交渉や様々な王室スキャンダルを乗り越え、女王の子供の世代であるチャールズ皇太子(ジョシュ・オコナー)とダイアナ (エマ・コリン)との結婚&破綻までの知られざるエピソードが、細部までこだわり抜かれた宮殿内部や衣装と共に忠実に再現されている。
そしてナオミ・ワッツがタイトルロールを演じた『ダイアナ』(13)は、世界中で愛されながらも孤独だったダイアナ妃が、心臓外科医のハスナット・カーンと出会い、皇太子との離婚を期に1人の女性として自立していく再生の物語。一方、ダイアナ妃が交通事故で亡くなってからの王室を舞台とする『クイーン』(06)では、ヘレン・ミレンがエリザベス2世に扮してその苦悩を浮き彫りに。この2作品は地続きとなる内容であり、加えてワッツ&ミレンともに再現度が高いと評判になった作品なので、ぜひこの機会にあわせて観てみてほしい。