リアル“世界の歌姫”になったベル。『竜とそばかすの姫』millennium parade×Belle「U」の制作秘話とは? - 2ページ目|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
リアル“世界の歌姫”になったベル。『竜とそばかすの姫』millennium parade×Belle「U」の制作秘話とは?

コラム

リアル“世界の歌姫”になったベル。『竜とそばかすの姫』millennium parade×Belle「U」の制作秘話とは?

現実社会とのリンクする、楽曲「U」の世界観

楽曲制作の背景を知るうえでぜひ見てもらいたいのが、細田監督と常田、中村が対談する模様を収めたメイキング動画【#9「Making of 竜とそばかすの姫:メインテーマが出来るまで」】と、映画公開後に細田監督と常田が作品についてより深く語り合っているスペシャルな映像【世界が賞賛!『竜とそばかすの姫』細田守・常田大希が見ていたその先】だ。

音楽集団、millennium paradeを率いる常田大希
音楽集団、millennium paradeを率いる常田大希

これらの映像によると、映画の冒頭を華々しく飾るメインテーマ「U」を作り上げるために細田監督は、常田に熱烈なオファーを送ったそうで、「インターネット仮想世界<U>の巨大な世界観を音楽で表現するために、どうしても常田さんに音楽を作ってほしかった」とコメントしている。それに対し、細田監督作品を観て育ったという常田は、もちろん快諾。その期待に応えるかたちで作詞作曲を務め、「歌に説得力がある人を」と主演に抜擢された中村佳穂とコラボが実現したのだ。


主人公すず/ベルの声優と主題歌アーティストを務めた中村佳穂
主人公すず/ベルの声優と主題歌アーティストを務めた中村佳穂

作品について常田は、「僕たちはインターネットの発達とともに成長し、世界中のいろいろな年代、ジャンルの音楽とインターネットを通して触れ合い始めた世代」と現実社会とのリンクを分析し、それが楽曲の世界観の基盤になっていったそう。対する中村も、「常田さんとは同い年ということもあり、楽曲をより良くするためのアプローチが似ていて、納得がいくまで粘ったクリエイティブができた」とその出来栄えに手応えを感じているようだ。

また、映画公開後に飛び出したこぼれ話も興味深い。出だしの歌詞が「ララライ」で始まる理由を、常田は「世界中に細田監督作品のファンがいるから、翻訳のいらない歌詞を入れた方がいい。各国の言語でこの曲が翻訳されても、この言葉だけは全世界で共通しているのが、今回は合っているのかなと」と明かしている。その言葉に細田監督も、常田が見据えるワールドワイドな視野に驚嘆していた。

ちなみに、すずの親友である弘香の声優を務め、細田監督と常田が「プロ並みの演技!」と褒め称えた幾田りらも、YOASOBI(ikura名義)として紅白に出演予定。細田作品のファンならずとも楽しめること間違いなしの、今年の紅白を見逃すな!

文/水越小夜子

作品情報へ

関連作品

  • 竜とそばかすの姫

    3.9
    5923
    『バケモノの子』『未来のミライ』などの細田守監督が手掛けるアニメーション映画
    Amazon Prime Video