miletが明かすコロナ禍での自身の変化「届けたい人がいると実感して、より希望にあふれる歌を書くようになりました」|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
miletが明かすコロナ禍での自身の変化「届けたい人がいると実感して、より希望にあふれる歌を書くようになりました」

インタビュー

miletが明かすコロナ禍での自身の変化「届けたい人がいると実感して、より希望にあふれる歌を書くようになりました」

力強さと優しさを兼ね備えた歌声で人々を魅了するシンガーソングライターのmilet。上橋菜穂子のベストセラー小説を原作としたアニメーション映画『鹿の王 ユナと約束の旅』(2月4日公開)では、主題歌「One Reason」を担当。miletが映画に寄せた想いと共に、コロナ禍で確かめたアーティストとしての覚悟、歌う喜びを知った原点を明かした。

 上橋菜穂子のベストセラー小説を日本屈指のアニメーターが集結して映画化した『鹿の王 ユナと約束の旅』は2月4日(金)公開
上橋菜穂子のベストセラー小説を日本屈指のアニメーターが集結して映画化した『鹿の王 ユナと約束の旅』は2月4日(金)公開[c]2021「鹿の王」製作委員会

「『もののけ姫』が大好き。安藤監督の描く動物は迫力があって、やっぱりすごい」

映像化不可能と言われた圧倒的スケールで描かれる物語を、『もののけ姫』(97)、『千と千尋の神隠し』(01)、『君の名は。』(16)などで作画監督を務めた異才アニメーター、安藤雅司が初監督、キャラクターデザイン、作画監督を務めてアニメ映画化した本作。

謎の病ミッツアルを生き延びた男ヴァン、治療法を求める医師ホッサル、ヴァンの命をねらう女戦士サエは、それぞれの思惑で共に旅をすることに
謎の病ミッツアルを生き延びた男ヴァン、治療法を求める医師ホッサル、ヴァンの命をねらう女戦士サエは、それぞれの思惑で共に旅をすることに[c]2021「鹿の王」製作委員会

強大な帝国が支配する世界を舞台に、世界を侵食する謎の病から生き延び、旅を続ける血のつながらない“父娘”のヴァンとユナ、その病から多くの命を救おうと奔走する天才医師のホッサル、故郷のために戦う謎の女戦士サエ、過酷な運命に翻弄される人々と、謎の病との壮大な闘いを描きだす。共同監督を、『千と千尋の神隠し』で宮崎駿の監督助手を担った宮地昌幸が務め、日本アニメ界を代表するスタッフが集結した本作の主題歌というオファーが舞い込み、miletは「物語も壮大で、集まったスタッフや声優の方々もものすごく豪華。ドキドキしましたが、頑張ろうという気合いにもつながりました」と緊張と共に喜びが湧きあがってきたという。

安藤監督からmiletへのオーダーは「壮大なバラードをお願いします」というもの。小説や台本を読み込み楽曲制作に臨んだと話す彼女は、「原作を読み進めているうちに、自分が大自然に足を踏み入れていくような感覚になって。没入感を覚えながら、難しく感じることもなく自然と曲を書き終えることができました。映画もスケールの大きなものになるだろうと思っていたので、私も負けじと、自分が歌えるなかで最大限の大きな愛の歌を作らせていただきました」と胸を張る。

『もののけ姫』のヤックルを連想させる飛鹿(ピュイカ)
『もののけ姫』のヤックルを連想させる飛鹿(ピュイカ)[c]2021「鹿の王」製作委員会

小さなころから『もののけ姫』が大好きだったというmilet。「何度も『もののけ姫』のビデオを繰り返し観ていました。安藤監督の初監督作品に参加させていただけるなんて、夢のよう」と目を輝かせ、「完成した映画を観ると、本作に出てくる飛鹿(ピュイカ)は、『もののけ姫』のヤックルを彷彿とさせるようなところもあって!安藤監督の動物の描き方はやっぱり迫力があり、すごいなと思いました」と感激しきりだ。

「ヴァンとユナが教えてくれた、“信じ抜く愛”を曲に込めました」

「優しさと強い芯を持ちつつ、一筋の光が差し込むような楽曲にしたかった」というmiletが「One Reason」を作りあげるうえで最も大切にしたのが、「大きな愛を込めたい」ということ。ユナを守ろうとするヴァンの姿に胸を打たれたそうで、「ヴァンとユナは血の繋がらない父娘ですが、2人はそれ以上の強い愛情で繋がっている。彼らの姿を見ていると、誰かを愛し抜くためには覚悟が必要なんだと感じました。2人から教えてもらった“信じ抜く愛”を、曲に込めたいと思いました」と胸の内を明かす。


ヴァンとユナの父娘を超えた愛情から、miletは愛し抜くことへの覚悟を感じたと明かす
ヴァンとユナの父娘を超えた愛情から、miletは愛し抜くことへの覚悟を感じたと明かす[c]2021「鹿の王」製作委員会

世界を侵食する謎の病と闘う…という本作の物語は、新型コロナウイルス感染症が拡大する昨今において環境や意識の変化が生まれているいまの世界の状況と、奇しくもリンクしている。

miletは医師ホッサルを思い浮かべながら、「この映画はファンタジーではありますが、蔓延する謎の病が魔法や魔力で一瞬にしてなくなるわけではなく、人の力や知恵によって病に立ち向かっていきます。自分の命を懸けて、みんなで力を合わせながら病の解決策を追求していこうとするホッサルの姿は、本当に尊いものだと感じました。いまの社会においてもコロナ禍で医療に従事されている方がいて、自分ではない、誰かの未来ために戦っている。コロナ禍だからこそホッサルたち医師の姿がより現実的に感じられて、とても人間らしいドラマだなと思いました」と語る。

容姿端麗で冷静な医師ホッサルは、内に医療への熱い想いを秘めている
容姿端麗で冷静な医師ホッサルは、内に医療への熱い想いを秘めている[c]2021「鹿の王」製作委員会

父娘の愛、医師の献身的な愛など、本作で描かれる大きな愛を目の当たりにして、miletは「家族に会いたくなって、声が聞きたくなった。完成作を観終わって、すぐに両親に電話をしました。大切な人に会いたくなる映画だと思います」とにっこり。

「コロナ禍ということもあり、なかなか人と会いづらい状況。また次はいつ会えるのかと考えてしまうような状況ですよね。私は映画を観終わって、家族のことがすぐに頭に思い浮かんで。本作を観ていると、私たちは巻き戻せない時間のなかで生きているけれど、出会うすべての人、それぞれに過去があるんだと感じました。そのすべてを愛せる大きな人でありたいなと思いました」と本作から受け取ったものは限りないが、「とにかくユナがかわいくて!ユナの柔らかくて、ピュアで、笑顔にあふれた人懐っこい姿を見るたびに自然と私も笑顔になって観たりしていて。ユナの親になったような気持ちで観ていました。あとホッサルがかっこいいです(笑)」と率直な感想を語るキュートな笑顔も、なんとも魅力的だ。

miletもそのかわいらしさに魅了されたという、ヴァンと共に旅をする少女ユナ
miletもそのかわいらしさに魅了されたという、ヴァンと共に旅をする少女ユナ[c]2021「鹿の王」製作委員会

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