のん「感動で打ち震えています」と感無量!脚本・監督・主演を務めた『Ribbon』は「これからの自分の支え」|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
のん「感動で打ち震えています」と感無量!脚本・監督・主演を務めた『Ribbon』は「これからの自分の支え」

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のん「感動で打ち震えています」と感無量!脚本・監督・主演を務めた『Ribbon』は「これからの自分の支え」

のんが2月25日、テアトル新宿で開催された監督・脚本・主演を兼任した映画『Ribbon』の初日舞台挨拶に出席。コロナ禍において「自分はエンタメや芸術に影響されて形作られているということを、すごく思い知らされた」と発見があったというのんが、「そのなかで『Ribbon』という映画を残せたこと、作れたことは、これから自分が活動してくなかですごく支えになる」と初の劇場長編作品として監督に挑んだ本作への想いを明かした。

『Ribbon』の初日舞台挨拶が開催された
『Ribbon』の初日舞台挨拶が開催された

本作はコロナ禍によって発表の場を失った美大生が、葛藤しながら自らのアイデンティティを取り戻していく姿を描く青春ストーリー。特撮チームには、『シン・ゴジラ』(16)の監督・特技監督を務めた樋口真嗣、准監督・特技統括の尾上克郎が参加している。「うれしくて、うれしくて興奮しています。やっとこの日が来たかと、感動で打ち震えています」と挨拶したのん。映画本編終了後には会場から大きな拍手が上がっていたが、「ちょっと緊張していたんですが、こうして観ていただけているんだと思うと、すごくうれしいです」と観客の反応を喜んでいた。

本作に着手したきっかけは、「(コロナの)第1波が来た時に、自分の主催している音楽フェスを中止にしたり、決まっていた仕事も中止や延期になったりして。家で過ごしているうちに『こうしちゃいられない』という気持ちになって、脚本を書き始めました」とコロナ禍でいてもたってもいられず、脚本に取り掛かったという。


映画に込めた想いを明かしたのん
映画に込めた想いを明かしたのん

リボンをモチーフとして、主人公の感情を表現したが、のんは「“リボンが負の感情として女の子にまとわりついている”という映像を、実写で撮れたらおもしろいのではないかというアイデアがもとになっています」とのこと。さらに「リボンが好きで、リボンのファンなんです」と笑顔を見せ、「宇野亜喜良さんの絵が大好きで、宇野さんの描く女の子は目線が鋭かったり、ちょっとエロティックな絵なんだけど、リボンを飾っていたりしてすごくかわいい。そういう魅力がぶつかっているのが、すごく好きなんです」と明かしていた。

会場には出演者の山下リオ、渡辺大知からメッセージが届けられ、「めちゃくちゃうれしい。リオちゃんはもともと好きな友人だったんですけど、今回の作品でハードな時期を共に過ごして、同志のようになった」「渡辺さんは、現場でものすごくおもしろがって参加してくださった。『この作品がすごく好きだ』と言ってくださって、すごくありがたかったです」と感激しきりだったのん。劇中では母親との関係もポイントになるが、「本作のお母さんは、ちょっと自分のお母さんに近いかもしれません。天然でホワンとしていてかわいいんだけど、娘の視点から見ると警戒が解けない、油断ならない存在」とにっこり。まだ母親は映画を観られていないそうで「お母さんの反応が楽しみです」と照れ笑いを見せていた。

自粛期間に込みあげた想いを本作に投影した。当時を振り返ったのんは「2020年の自粛期間中は『不要不急の外出は控えるように』というアナウンスが毎日流れていた。そのなかにエンタメや芸術も入れられていき、不要不急の論争も加熱していくなかで、私も音楽フェスを中止にしたりしていて。それで生活している身としては、自分自身が否定されたような気持ちになった。そのなかで改めて、自分はエンタメや芸術が好きなんだと自覚した」と述懐。コロナ禍を生きる人々に寄り添った映画を撮りあげ、「これから自分が活動してくなかで、すごく支えとなる作品になった。この映画を撮れたから、いまステージに立って皆さんとお会いできているということがうれしい。観てくれる人とつながる映画になったなと思います」と観客に語りかけ、大きな拍手を浴びていた。

取材・文/成田おり枝

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