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『コーダ あいのうた』『ベルファスト』『ドライブ・マイ・カー』…第94回アカデミー賞授賞式に向け、前哨戦の受賞作品をおさらい

コラム

『コーダ あいのうた』『ベルファスト』『ドライブ・マイ・カー』…第94回アカデミー賞授賞式に向け、前哨戦の受賞作品をおさらい

アカデミー会員による投票は3月22日に締め切られ、日本時間の3月28日に開催される第94回アカデミー賞授賞式まであと数日となった。今年のアカデミー賞の見どころを、組合賞や前哨戦の結果からおさらいしてみよう。

第28回全米映画俳優組合賞(SAG)
アカデミー会員の多くを占める俳優たちが選ぶ賞で、オスカーの行方を占う前哨戦として注目されている。映画部門とテレビシリーズ部門があり、映画部門アンサンブルキャスト賞を受賞したのは、『コーダ あいのうた』。授賞式では、主人公の母親役を演じたマーリー・マトリンが「この賞によって、わたしたち聾唖の役者もみなさんと同じように演技ができると証明することができました」とスピーチ。主演女優賞を『タミー・フェイの瞳』のジェシカ・チャステインが受賞し、女優賞の混戦から頭ひとつ抜けた格好に。主演男優賞のウィル・スミス(『ドリームプラン』)、助演女優賞のアリアナ・デボース(『ウエスト・サイド・ストーリー』)、助演男優賞のトロイ・コッツァー(『コーダ あいのうた』)は順当に受賞が続いている。

『ウエスト・サイド・ストーリー』 アリアナ・デボーズ
『ウエスト・サイド・ストーリー』 アリアナ・デボーズBAFTA/Scott Garfitt

第37回フィルム・インディペンデント・スピリット賞
例年はアカデミー賞前夜に行われるため投票には直接影響を及ぼさないとされていたが、今年は3月5日に開催されたため、前哨戦に仲間入りした。製作予算2250万ドル(約26億8000万円)以下の作品が対象となる。こちらは『ロスト・ドーター』が作品賞、監督賞と脚本賞(マギー・ギレンホール)の3部門を受賞、アカデミー賞の俳優賞にノミネートされているなかでは、トロイ・コッツァーが助演男優賞を受賞。海外作品賞は『ドライブ・マイ・カー』、ドキュメンタリー賞は『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』。

 『コーダ あいのうた』トロイ・コッツアー
『コーダ あいのうた』トロイ・コッツアーBAFTA/Scott Garfitt

第74回全米俳優協会賞(DGA)
全米監督協会に属する監督たちが選ぶ賞で、監督賞を予想する目安になると言われている。劇場用映画監督賞は『パワー・オブ・ザ・ドッグ』のジェーン・カンピオン、初監督賞は『ロスト・ドーター』のマギー・ギレンホール。

第49回アニー賞
アニメーション作品のアカデミー賞と呼ばれる賞。映画部門とテレビシリーズ部門があり、映画部門は通常作品とインディペンデント作品部門に分かれる。作品賞、最優秀キャラクターデザイン賞、監督賞、美術賞、声優賞、脚本賞、編集賞の最多7部門受賞は『ミッチェル家とマシンの反乱』、インディペンデント作品賞は『FLEE フリー』、キャラクターアニメーション賞、音楽賞、ストーリーボード賞は『ミラベルと魔法だらけの家』が受賞している。

『ミラベルと魔法だらけの家』
『ミラベルと魔法だらけの家』Everett/アフロ


第75回英国アカデミー賞(BAFTA)
英国映画テレビ芸術アカデミー(BAFTA)が主催する映画賞で、アカデミー会員と重なる海外会員が多いとされている。作品賞と監督賞(ジェーン・カンピオン)は『パワー・オブ・ザ・ドッグ』、最優秀英国映画賞に『ベルファスト』が選ばれている。非英語映画賞に『ドライブ・マイ・カー』、ドキュメンタリー賞に『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』、アニメーション賞に『ミラベルと魔法だらけの家』、脚本賞に『リコリス・ピザ』(ポール・トーマス・アンダーソン)、脚色賞に『コーダ あいのうた』(シアン・ヘダー)。主演男優賞のウィル・スミス(『ドリームプラン』)、助演女優賞のアリアナ・デボース(『ウエスト・サイド・ストーリー』)、助演男優賞のトロイ・コッツァー(『コーダ あいのうた』)はSAG賞と同じだが、主演女優賞はアカデミー賞ではノミネートされていないイギリス映画『アフター・ラヴ』(アリーム・カーン監督)のジョアンナ・スカンランが選ばれた。

 『アフター・ラヴ』主演女優賞のジョアンナ・スカンラン
『アフター・ラヴ』主演女優賞のジョアンナ・スカンランDavid Fisher/BAFTA/Shutterstock

第27回放送映画批評家協会賞
NBCが今年度のテレビ放送を取りやめたゴールデン・グローブ賞に代わり、前哨戦の座をねらう放送映画批評家協会賞。当初は1月に授賞式を計画していたが、オミクロン株蔓延を受けて3月に延期した結果、BAFTAと同日開催となってしまった。作品賞、監督賞、脚色賞、撮影賞(アリ・ウェグナー)は『パワー・オブ・ザ・ドッグ』、主演女優賞のジェシカ・チャスティン、主演男優賞のウィル・スミス、助演女優賞のアリアナ・デボース、助演男優賞のトロイ・コッツァーはSAG賞と同様の結果。アンサンブルキャスト賞は『ベルファスト』、脚本賞はケネス・ブラナー、アニメーション賞は『ミッチェル家とマシンの反乱』、外国語映画賞は『ドライブ・マイ・カー』がそれぞれ選出されている。

 『ベルファスト』ケネス・ブラナー
『ベルファスト』ケネス・ブラナーBAFTA/Scott Garfitt

第33回全米製作者組合賞(PGA)
候補作10作品に順位をつける投票システムがアカデミー賞と近いため、作品賞を占ううえで重要とされる賞。劇場映画賞は『コーダ あいのうた』、ドキュメンタリー映画賞は『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』、劇場版アニメーション賞には『ミッチェル家とマシンの反乱』のプロデューサーが選ばれている。

2022年全米脚本家組合賞(WGA)
テレビやラジオ、映画の脚本家が所属する組合による賞。主な組合賞、前哨戦のなかで最も遅い3月20日に開催された。脚本賞は『ドント・ルック・アップ』(アダム・マッケイ)、脚色賞は『コーダ あいのうた』(シアン・ヘダー)が受賞している。

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