【第94回アカデミー賞】助演女優賞は『ウエスト・サイド・ストーリー』のアリアナ・デボーズ!「アイデンティティに悩んでいる人に約束します。私たちの居場所はある」|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
【第94回アカデミー賞】助演女優賞は『ウエスト・サイド・ストーリー』のアリアナ・デボーズ!「アイデンティティに悩んでいる人に約束します。私たちの居場所はある」

映画ニュース

【第94回アカデミー賞】助演女優賞は『ウエスト・サイド・ストーリー』のアリアナ・デボーズ!「アイデンティティに悩んでいる人に約束します。私たちの居場所はある」

現地時間3月27日(日本時間3月28日)に開催中の第94回アカデミー賞授賞式。助演女優賞は、『ウエスト・サイド・ストーリー』でアニータ役を熱演したアリアナ・デボーズに輝いた。スティーブン・スピルバーグ作品から初のオスカー女優が誕生した。

1961年にも映画化もされた伝説のミュージカルをスピルバーグ監督が映画化した本作。多くの移民たちが暮らす1957年のニューヨークのウエスト・サイドを舞台に、移民系グループの対立が激化するなかで芽生えた禁断の愛を数々の名曲とダイナミックなダンスと共に描く。 主人公のトニー役をアンセル・エルゴート、ヒロインのマリア役をレイチェル・ゼグラーが演じている。

助演女優賞を獲得したアニータ役のアリアナ・デボーズ。1961年版でも同役を演じたリタ・モレノが受賞
助演女優賞を獲得したアニータ役のアリアナ・デボーズ。1961年版でも同役を演じたリタ・モレノが受賞[c] 2021 20th Century Studios. All Rights Reserved

アリアナが演じたアニータは、マリアの兄のベルナルドの恋人で、マリアにとっては親友であり姉のような存在。なかでも、“アメリカにおける自由と不平等”を男女の掛け合いで歌う「America(アメリカ)」で、抜群の歌唱力とダンスで存在感を発揮して観客を魅了。1961年版ではリタ・モレノが同役を演じ、第34回アカデミー賞で助演女優賞を獲得しているが、元祖アニータのリタもアリアナの演技やダンスを絶賛している。


【写真を見る】真っ赤なドレスで笑顔!見事助演女優賞を受賞したアリアナ・デボーズ
【写真を見る】真っ赤なドレスで笑顔!見事助演女優賞を受賞したアリアナ・デボーズ[c]Al Seib / A.M.P.A.S.

初のオスカー像を手にしたアリアナは、真っ赤なドレス姿で登場。涙を浮かべながら壇上に上がり、「オーマイ、ゴッド!」と声を大にして「これはなに?」とオスカー像を見つめた。「夢は実際にかなう。勇気を与えられる」と語り、スピルバーグ監督にも感謝。「リタ・モレノ、私にインスピレーションを与えてくれました。あなたのアニータが私のようなアニータを生んだ」とリタに敬意を表し、母親をはじめとする家族への愛も口にした。最後には「想像してみて」と切りだし、「私の後ろに続く女性や、トランスジェンダーの女性。勇気ある人生を切り開いていく様子を目撃している。アイデンティティに悩んでいる人に約束します。私たちの居場所はある」と力強いメッセージを送り、大きな拍手を浴びた。

英国アカデミー賞のアリアナ・デボーズ
英国アカデミー賞のアリアナ・デボーズ写真:SPLASH/アフロ

アリアナ・デボーズは、1991年生まれ、アメリカ・ノースカロライナ州出身。2009年にオーディション番組「アメリカン・ダンスアイドル」に出演し、2011年にミュージカル「チアーズ!」でブロードウェイデビューを果たす。以降は数々の舞台に立ち、「サマー:ザ・ドナ・サマー・ミュージカル」ではトニー賞ミュージカル助演女優賞にノミネートされた。『ウエスト・サイド・ストーリー』では第79回ゴールデン・グローブ賞を初ノミネートのして初受賞したほか、第47回ロサンゼルス映画批評家協会賞など主要映画賞を総なめにしている。

文/成田おり枝


第94回アカデミー賞特集

関連作品