ピュアな関係が尊すぎ…“萌え”が進化した『チェリまほ』、ドラマ版の名シーンプレイバック【前編】

「チェリまほ」の愛称で親しまれる、赤楚衛二と町田啓太の共演によるテレビドラマ「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」。ファンタジックなラブコメディながら、ハイスペックなイケメンが冴えない主人公を溺愛し、彼らが誠実に愛を育んでいく様子が丁寧に描かれ、萌える人が続出。社会現象を巻き起こすほどの大ヒットとなった。

同作の劇場版『チェリまほ THE MOVIE ～30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい～』が、いよいよ4月8日(金)より公開となる。本記事では劇場版の見どころと共に、主人公カップルを中心としたドラマ版の名シーンを前後編に分けて紹介したい。

それぞれが心を開き成長していった劇場版『チェリまほ』

豊田悠原作の人気コミックのドラマ化である同作は、童貞のまま30歳の誕生日を迎えたことにより“触れた人の心が読める魔法”を手に入れた安達(赤楚)と、そんな彼に好意を抱く会社の同期の黒沢(町田)の姿を描いている。2020年10月期に放送されると、SNS上でたちまち話題となり、“チェリまほ”が日本、タイ、韓国、ベトナムなどでトレンド入り。さらに、5週連続でORICONドラマ満足度調査ランキング1位を達成、さらには、ギャラクシー賞の月間賞とマイベストTV賞第15回グランプリを受賞、ザテレビジョンドラマアカデミー賞にて最優秀作品賞を受賞するなど、ドラマ界の賞レースを総ナメにし、いまや200以上の国や地域で見られるまでとなった。

そんなワールドワイドな人気を博す同作の劇場版では、葛藤したり悩んだりしながらも恋仲となった安達と黒沢の後日談が描かれる。黒沢と結ばれ晴れて魔法が解けたかのように思われたが、なぜかまだ魔法が使えている安達。そんなある日、安達に突然転勤の話が舞い込んでくる。やりたい仕事ができるチャンスに喜ぶ安達だが、転勤先は1200kmも離れた長崎。転勤話を巡り、互いを想い合うがゆえにすれ違ってしまう2人は、遠距離恋愛をきっかけに未来について考え始めていく…。

2人でキャンプに行ったり、社内ではお互い笑顔で目配せしたり、初詣に出かけたりと、すっかり恋人同士の生活が板についてきた安達と黒沢。安達のためのこだわりの手料理など、相変わらず黒沢のスキルの高さも健在だ。ただ、この劇場版ではそんな黒沢の新しい一面に触れることができる。

いままではなにもかも完璧に見え、押しも押されもせぬスーパーダーリンすなわち“スパダリ”っぷりを発揮する黒沢だったが、映画では、背負い込みがちな黒沢の成長も見ることができる。強くて頼れると思っていた黒沢の弱々しい姿には、思わずキュンキュンせざるを得ない。母性本能をくすぐるかわいらしさがあり、等身大の自分を見せる無防備さにも萌えてしまう。これは、劇場版では黒沢がさらに心を開き、2人の心の距離がさらに縮まっていることの証拠でもあると言えるだろう。

反対に、安達は黒沢を支えるような強さが描かれる。頼りないと思っていた男が頼もしく見える瞬間もまたグッとくるというもの。そしてこの安達と黒沢の関係こそ、お互いにとって唯一無二の最高の形だと思えてくる。一方が挫けそうな時は片方が支え、2人で一つの完全体となる。そう思わせてくれる劇場版では、萌えのさらに向こう側を見ることができ、ラブコメディながら感動必至だ。

出演は赤楚と町田をはじめ、メインキャストが続投。本シリーズのもう一つのカップルである浅香航大演じる安達の親友の柘植と、ゆうたろう演じる宅配業者の湊によるサイドストーリーも描かれ、彼らの関係の進展にも注目だ。ほかにも安達の先輩、浦部役の鈴之助、安達や黒沢の後輩、六角役の草川拓弥、女性社員の藤崎役の佐藤玲といった文具会社豊川の面々も再集結。さらに安達の転勤先である長崎支社の同僚役に松尾諭、そして、遠⼭俊也と榊原郁恵、鶴見辰吾と松下由樹のベテランキャスト陣が安達と黒沢の両親役として共演する。