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日本映画初!MoMAにて松竹映画特集上映が開催中、上映終了後には拍手も

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日本映画初!MoMAにて松竹映画特集上映が開催中、上映終了後には拍手も

ニューヨーク近代美術館(MoMA)にて、松竹映画の特集上映が決定。『夜叉ヶ池 4Kデジタルリマスター版』(79)、『家族』(70)をはじめ、松竹映画全26作品が6月10日から7月9日(土)にかけて上映される。

【写真を見る】山田洋次が手掛けた、1970年公開の『家族』
【写真を見る】山田洋次が手掛けた、1970年公開の『家族』

過去にMoMAで特集上映が組まれたのは、現存する最古の映画スタジオと言われる、『レオン』(94)、『最強のふたり』(11)などのフランスのゴーモン社をはじめ、『ローマの休日』(53)、「トップガン」シリーズのパラマウント・ピクチャーズ、『風と共に去りぬ』(39)、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(21)のメトロ・ゴールドウィン・メイヤーといった老舗のスタジオや、数多くの話題作を世に送りだしてきたワーナー・ブラザース、ピクサーなど。日本の映画会社にスポットを当てての特集上映は、今回の松竹映画特集上映が初となった。

2020年に松竹映画100周年という記念すべき年を迎え、世界的に特集上映を展開していた松竹と、「MoMAや世界の観客に松竹の歴史や映画を紹介したい」というMoMAとの想いが一致し、開催の運びとなったこの特集上映。「Beyond Ozu: Hidden Gems of Shochiku Studios(小津の先、知られざる珠玉の松竹作品)」と題し、いままであまり海外で上映されていなかった知られざる珠玉の松竹作品を中心に、26作品が選出されている。

オープニング作品は、今回が全米プレミアとなった『夜叉ヶ池 4Kデジタルリ マスター版』で、多くの観客が詰めかけ、上映中には笑いが起こる場面もあったという。上映終了後には拍手も巻き起こり、観客から「素晴らしい映画だった。坂東玉三郎さんがとても美しい。可能な限りこの松竹特集上映に来たいと思う」、「とてもいい映画だった。シンセサイザーの音楽がとてもすばらしい!」などのコメントも寄せられた。


そのほか、山田洋次監督の『家族』や『息子』(68)、加藤泰監督の『みな殺しの霊歌』(68)、相米慎二監督『魚影の群れ』(83)、中村登監督『夜の片鱗』(64)など、松竹映画の歴史を彩ってきた作品がお披露目されるとのこと。それぞれの作品への反響も楽しみだ。

文/山崎伸子