「コウノドリ」作者、鈴ノ木ユウが『ベイビー・ブローカー』に共鳴「生まれや育ちが不幸であっても、どんな命も奇跡」|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
「コウノドリ」作者、鈴ノ木ユウが『ベイビー・ブローカー』に共鳴「生まれや育ちが不幸であっても、どんな命も奇跡」

インタビュー

「コウノドリ」作者、鈴ノ木ユウが『ベイビー・ブローカー』に共鳴「生まれや育ちが不幸であっても、どんな命も奇跡」

是枝裕和監督が、ソン・ガンホら韓国の至宝ともいうべき俳優陣と紡いだ映画『ベイビー・ブローカー』がついに公開となった。複雑な事情を抱えた若い女性が、我が子を“赤ちゃんポスト”に預けることから始まる物語で、“赤ちゃんポスト”を通して出会った登場人物たちの不思議な旅を通して、“生まれること、生きていくこと”という命の根源を浮き彫りにしていく。産科医を主人公に新しい命の祝福を描く漫画「コウノドリ」の作者、鈴ノ木ユウに本作を鑑賞してもらうと、「好きな人に、“生まれてきてくれてありがとう”と言いたくなるし、言ってもらいたくなるような映画」としみじみ。本作の見どころに加えて「コウノドリ」誕生秘話や本作との共通点まで語った。

「“この仲間に入りたい”と思わせられるような楽しさがあった」

本作は、“赤ちゃんポスト”に赤ん坊を預けたソヨン(イ・ジウン)、ベイビー・ブローカーを裏稼業とするサンヒョン(ソン・ガンホ)とドンス(カン・ドンウォン)らが、成り行きから一緒に赤ん坊の養父母探しの旅に出かけ、彼らを検挙しようと追いかけるスジン刑事(ぺ・ドゥナ)、イ刑事(イ・ジュヨン)と絡み合いながら繰り広げるヒューマンドラマ。作品を観終わった鈴ノ木は、第一声「すごくおもしろかった」と笑顔。

漫画「コウノドリ」の作者・鈴ノ木ユウが、『ベイビー・ブローカー』に感動!共感を寄せた
漫画「コウノドリ」の作者・鈴ノ木ユウが、『ベイビー・ブローカー』に感動!共感を寄せた[c] 2022 ZIP CINEMA & CJ ENM Co., Ltd., ALL RIGHTS RESERVED

クリーニング店を営みながらも借金に追われるサンヒョン、児童養護施設出身のドンス、そして“赤ちゃんポスト”に預けざるを得なかったソヨンたちの間には、同じ車に乗り込んで日々を過ごすうちに、不思議なつながりが生まれていく。鈴ノ木は「一人一人が重たい背景や事情を持っているけれど、彼らの旅を見ていると、“この仲間に入りたい”と思わせられるような楽しさがあった」とロードムービーとしての魅力に大いに惹かれたと話す。


ソン・ガンホは、本作の演技で第75回カンヌ国際映画祭の最優秀男優賞を受賞した
ソン・ガンホは、本作の演技で第75回カンヌ国際映画祭の最優秀男優賞を受賞した[c] 2022 ZIP CINEMA & CJ ENM Co., Ltd., ALL RIGHTS RESERVED

さらに「俳優さんたちも魅力的な方々ばかり。赤ちゃんもすごくかわいかったですね」と役者陣の名演にも惚れ惚れ。「ソン・ガンホさんの演じているサンヒョンはダメなところもたくさんあるけれど、彼のちょっとした瞬間に優しさを感じる。なぜだかみんながついて行きたくなる魅力がありますよね。ロードムービーってなにが起きるのかハラハラするような危うい点もあるけれど、本作は優しい視点で彼らを見つめていて、『こういう映画、好きだな』と感じて観ていました」と温かさに包まれながら鑑賞したという。

■鈴ノ木ユウ
漫画家。2007年に「東京フォークマン/都会の月」で第52回ちばてつや賞に準入選、2010年には「えびチャーハン」で第57回ちばてつや賞に入選する。2011年、「おれ達のメロディ」をモーニング(講談社)に短期集中連載。同誌にて2013年から2020年にかけて産科医療を題材とする「コウノドリ」を連載し、TVドラマ化も果たす。現在は「コウノドリ〜新型コロナウイルス編」をモーニングで、司馬遼太郎原作「竜馬がゆく」を週刊文春で連載中。
・講談社「コウノドリ〜新型コロナウイルス篇」:https://comic-days.com/episode/3269754496893217392


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