監督&キャストが語る、韓国映画No. 1大ヒット『モガディシュ 脱出までの14日間』の舞台裏!「説明できないくらい至高の体験」
韓国国内で2021年公開の韓国映画No. 1の大ヒットを記録し、韓国のアカデミー賞として知られる第42回青龍映画賞では作品賞など5部門を受賞。第94回アカデミー賞の国際長編映画賞で韓国代表にも選出された『モガディシュ 脱出までの14日間』が7月1日(金)より日本公開となる。このたびMOVIE WALKER PRESSは、メガホンをとったリュ・スンワン監督のインタビューと、キャスト陣のインタビュー映像を入手。本作の撮影の舞台裏が明らかになった。
「断る理由はありませんでした」(リュ・スンワン監督)
1980年代後半から1990年代前半にかけて起きたソマリア内戦に巻き込まれた、韓国と北朝鮮の大使館員たちの実話を描いた本作。ソウル五輪を成功させた韓国政府は、国連への加盟を目指してアフリカ諸国へのロビー活動に励んでいた。しかし韓国よりも20年も前からアフリカ諸国との外交を始めていた北朝鮮も国連加盟のために奔走し、両国間の妨害工作や情報操作はエスカレート。そんななか、ソマリアの現政権に不満を持つ反乱軍による内戦が激化。北朝鮮の大使館員たちは暴徒の襲撃を受けて大使館を追われ、絶対に相容れないはずの韓国大使館に助けを求めることに。
『チェイサー』(08)や『1987、ある闘いの真実』(17)のキム・ユンソクをはじめ、チョ・インソンやホ・ジュノ、ク・ギョファンといった卓越した演技力を兼ね備えた“渋い”俳優たちがずらりと顔を揃えている本作。そんなキャスト陣を率いるのは、『クライング・フィスト』(05)で第58回カンヌ国際映画祭国際批評家連盟賞を受賞し、『ベルリンファイル』(13)や『ベテラン』(15)など硬派なアクション映画やサスペンス映画を次々と手掛け“韓国のタランティーノ”とも称されるリュ・スンワン監督だ。実際の事件から30年近く経った近年になってようやくその全貌が明らかになった驚くべき脱出劇は、元々は「神と共に」シリーズのキム・ヨンファ監督のメガホンで映画化が進められていたが、キム・ヨンファ本人から直々にオファーを受けてリュ・スンワン監督が手掛けることとなったそうだ。
「とても興味のある話だったので、断る理由はありませんでした」と振り返るリュ・スンワン監督は、実際に事件を体験した大使が書いた小説を元に取材を進め、当時の外交資料から現地での生活ぶりまで徹底的にリサーチ。北朝鮮に関する資料も、『ベルリンファイル』で一緒に仕事をした専門家に協力を仰いだとか。「歴史の悲劇のなかで起こった事件からインスピレーションを受けて出発した映画なので、実際の歴史と人物に対する尊重と、謙虚な態度を失わぬよう努力しました」と、本作へ注ぎ込んだ強い思いを明かす。