『TELL ME ~hideと見た景色~』を観る前に知っておきたい…伝説のアーティスト、hideと彼の遺した音楽のこと|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
『TELL ME ~hideと見た景色~』を観る前に知っておきたい…伝説のアーティスト、hideと彼の遺した音楽のこと

コラム

『TELL ME ~hideと見た景色~』を観る前に知っておきたい…伝説のアーティスト、hideと彼の遺した音楽のこと

X JAPANのギタリストのHIDEとして、ソロアーティストhide(hide with Spread Beaver/zilch)として、日本の音楽シーンを縦横無尽に賑わせていたロックスターが、1998年5月2日に急逝した。あれから24年。ド派手なヘアメイクとファッションで彼が生みだし牽引した“ヴィジュアル系”は、一つの音楽シーンとして確立され海外でも認知されたし、彼が目指した“サイボーグロック”(生音と機械の融合)は、いまや音楽シーンの主流と言える。この世界をhideが見たらなんと言うだろうか。「思ったとおりの未来だ」と、ほくそ笑むだろうか。永眠から24年経った現在でも、確かに彼の息吹をそこここに感じ取ることができるのだ。時代の一歩先を見据えてクリエイトしてきた彼の音楽は、いまだ色褪せることがない。だからこそ、知りたいことがたくさんある。彼との別れはあまりに突然すぎた。

1998年5月に33歳の若さで急逝した伝説のアーティスト、hide
1998年5月に33歳の若さで急逝した伝説のアーティスト、hide[C]HEADWAX ORGANIZATION CO.,LTD. / Photo by HIDEO CANNO(CAPS)・YOSUKE KOMATSU(ODD JOB LTD.)

華麗なギタープレイと奇抜なヴィジュアル、誠実な人柄でファンに愛される

hideのパーソナルマネージャーであり、実弟である松本裕士の著書「兄弟 追憶のhide」(講談社文庫刊)をもとにした劇映画『TELL ME ~hideと見た景色~』が、7月8日(金)に公開される。主人公の裕士役を今作で映画初主演となる今井翼、hideの共同プロデューサーであるI.N.A.役を塚本高史、そしてhide役をロックヴォーカリストでギタリストのJUON(FUZZY CONTROL)が演じる。実弟だからこそ知る子ども時代のエピソードや、パーソナルマネージャーだからこそ知る表舞台の裏側をリアルに描く今作は、劇映画でありながらドキュメンタリーでもあると言える。決してファンに見せなかったhideの素の姿を、今作を通して垣間見ることができるのだ。

hideの実弟でパーソナルマネージャーの松本裕士の著書をもとに映画化した『TELL ME ~hideと見た景色~』
hideの実弟でパーソナルマネージャーの松本裕士の著書をもとに映画化した『TELL ME ~hideと見た景色~』[c]2022「TELLME」製作委員会

劇中では実際にhideが使用していた愛車が登場し、1998年にhide with Spread Beaverが開催したライブを再現したシーンでは、当時実際に演奏されたhide本人のヴォーカルが入ったライブ音源も使用されている。そこでhideのソロ活動について振り返っておこう。

【写真を見る】X初期時代のHIDE。華麗なギタープレイと奇抜なファッションで話題に
【写真を見る】X初期時代のHIDE。華麗なギタープレイと奇抜なファッションで話題に[C]HEADWAX ORGANIZATION CO.,LTD. / Photo by HIDEO CANNO(CAPS)・YOSUKE KOMATSU(ODD JOB LTD.)


中学時代にKISSと出会い、ロックに目覚めたhideは、1989年にXのギタリストHIDEとしてメジャーデビュー。華麗なギタープレイと奇抜なヴィジュアルでたちまち観る者を魅了した。その後、Xは1992年にX JAPANへと改名。バンドが大きな変換期を迎えるなか、X JAPANの楽曲制作に参加していたI.N.A.と共にソロワークをスタートさせた。1993年8月に「EYES LOVE YOU」と「50% & 50%」の2枚のシングルを同時リリースし、ソロデビューを果たす。以降、自身のルーツを礎にしたロックンロールと、I.N.A.とのコラボレーションによって得たエレクトリックなアプローチで独自の世界観を創りあげ、「DICE」(94)や「TELL ME」(94)、「Beauty & Stupid」(96)などのヒットチューンを生みだした。なかでもとりわけポップで、包み込むような温もりを湛えた「MISERY」(96)は、難病の少女との交流によって生まれたナンバーと言われている。当時、まだ認知度の低かった日本骨髄バンクにhideが登録したことが知られているが、この時に大々的に行なわれた記者会見は本人の本意ではなかったということが「兄弟 追憶のhide」のなかでも記されている。hideの誠実な人柄を知るエピソードの一つだ。


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