ジェーン役と出会って11年。ナタリー・ポートマンが「マイティ・ソー」シリーズを述懐「本当に最高な経験」

インタビュー

ジェーン役と出会って11年。ナタリー・ポートマンが「マイティ・ソー」シリーズを述懐「本当に最高な経験」

「タイカの舵取りでシリーズが予想外の方向性に」

ポートマンにとって「マイティ・ソー」の世界に参加するのは実に9年ぶり。自身が出演しなかった前作『マイティ・ソー バトルロイヤル』(17)について、「同じような世界をまったく違うレンズを通して描いている。これはらタイカの舵取りによってシリーズが予想外の方向性に進んでいったからだと思います」と、メガホンをとったタイカ・ワイティティ監督の類まれなる手腕を讃える。

思わぬ形で再会したソーとジェーンの今後は…
思わぬ形で再会したソーとジェーンの今後は…[c] Marvel Studios 2022

本作でも引き続きメガホンをとったワイティティ監督は、出演を依頼するために直接ポートマンの家に出向いたようだ。「タイカがわざわざ私の家まで話に来てくれました。そこでジェーンがマイティ・ソーになる経緯を聞かされた時、とてもおもしろそうだと感じました」と、ポートマンは自身がヒーローを演じたことへのファーストインプレッションを明かす。

大ヒットを記録した『フリー・ガイ』(21)や、自ら監督を務めた『ジョジョ・ラビット』(19)にも物語の重要な役どころとして出演するなど、俳優としての顔も備えるワイティティ監督。本作では、前作に続いてコーグ役として出演も兼ねている。「私の子どもたちはMCUのなかでもコーグが一番好きなので、一緒のシーンに出られることはとても楽しみでした。おかげで家での私の評判はぐっと上がりました(笑)」と、ワイティティ監督との“共演”を楽しく振り返る。

ワールドプレミアではノリノリで記念撮影に応じたタイカ・ワイティティ監督
ワールドプレミアではノリノリで記念撮影に応じたタイカ・ワイティティ監督[c] Marvel Studios 2022

「一つのシーンで監督の仕事と演技の間を機敏に行ったり来たりするタイカには、とても感服しました。キャラクターとしても監督としても、彼からは本当にいろいろなアイデアが出てくるのです。あれほどのエネルギーをどうやったら持てるのか。これほどのスケールの映画を監督するというのは膨大な仕事量だと思いますが、彼は常にとてもクリエイティブであり続け、そして楽しくエネルギーを放出していました」。


ポートマンと言えば、リュック・ベッソン監督やマイケル・マン監督、ティム・バートン監督、ジョージ・ルーカス監督など、キャリア初期から世界各国の名だたる映画監督たちと仕事をしてきた。また自身も『愛と闇の物語』(15)で初めて長編監督デビューを果たしたり、プロデューサーとして自身の出演作を中心に製作にも携わるなどその活動は多岐にわたる。様々な作品の現場を経験してきたポートマンから見て、ワイティティ監督が作り出した撮影現場はどのようなものであったのか。

北米では2022年公開作No.3のオープニング成績で大ヒットスタート
北米では2022年公開作No.3のオープニング成績で大ヒットスタート[c] Marvel Studios 2022

「間違いなく、とても楽しいハッピーな現場でした」とポートマンは断言する。「カメラのあるなしにかかわらず、タイカはいつもそこにいる全員を笑わせようとしていました。ジョークを飛ばしてその場全体をリラックスさせていいエネルギーを生む。とても温かく、とてもオープンで、すてきな環境を作り上げようと心から気にかけているように感じました」。映画ファンから愛されるワイティティ監督のユニークな作風は、監督本人のスタンスが表れているようだ。

先週末に公開を迎えた北米では、「マイティ・ソー」シリーズ最大のオープニング成績を記録。また同日より公開された日本でも週末動員ランキングでNo. 1を獲得するヒットを記録中だ。これまでのどの作品よりも勇ましいポートマンの姿、そしてワイティティ監督のもとで伸び伸びと演技をするキャスト陣の姿に注目しながら、雷神ソーの新たな戦いを見届けてほしい。

構成・文/久保田 和馬

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