ジョーダン・ピール監督の最新作が北米初登場V!気になる評価を過去2作と徹底比較|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
ジョーダン・ピール監督の最新作が北米初登場V!気になる評価を過去2作と徹底比較

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ジョーダン・ピール監督の最新作が北米初登場V!気になる評価を過去2作と徹底比較

2018年にサプライズヒットを記録した『ゲット・アウト』(18)で一躍時の人となったジョーダン・ピール監督の最新作『NOPE/ノープ』(8月26日日本公開)が初登場1位を飾った先週末の北米興収ランキング。その興行成績と批評家からの評価を過去作と比較しながらチェックしていこう。

3785館で公開され、興収4436万6910ドルを記録した『NOPE/ノープ』は、田舎の広大な牧場を経営する一家に突如起こる不可解な事態を描くサスペンス・スリラーだ。ピールの過去2作の興行成績をおさらいしておくと、『ゲット・アウト』がオープニング興収3337万ドルで、8週連続ベストテン入りを果たすスマッシュヒットを経て、最終興収は1億7600万ドルほど。続く『アス』(19)はオープニング興収こそ7111万ドルと幸先が良かったが、最終興収はわずかに『ゲット・アウト』を下回る1億7500万ドルで着地した。

続いて批評集積サイト「ロッテン・トマト」を振り返ると、2月公開作品としては異例のアカデミー賞作品賞ノミネートを果たした『ゲット・アウト』は、批評家の98%から好意的評価を獲得。観客の好意的評価も86%と満遍なく愛された作品であるとわかる。対して『アス』は批評家の評価は93%と高いが、観客からは60%。これが興行の爆発力の差を生むことになったと考えられる。

『ゲット・アウト』以来のタッグを組むダニエル・カルーヤとジョーダン・ピール監督
『ゲット・アウト』以来のタッグを組むダニエル・カルーヤとジョーダン・ピール監督[c]Everett Collection/AFLO

これらを踏まえると『NOPE/ノープ』はどうか。現時点で批評家からの好意的評価は83%、観客からは71%と、なかなか判断が難しいライン。批評家からの評価を見るに、ジャンル映画の垣根を超えた賞レース参戦は厳しい状況にあると推察できる一方で、観客からの評価から考えられる興行的持続力はまずまず。製作費が『ゲット・アウト』の450万ドル、『アス』の2000万ドルから一気に増加した6800万ドルということを加味すれば、現状は失敗とも成功とも言いがたい佳作止まりという評価になりそうだ。一部の批評家がピールは“第二のM.ナイト・シャマラン”だと言及しているのも頷ける。


『ソー:ラブ&サンダー』は累計興収2億7600万ドルに到達
『ソー:ラブ&サンダー』は累計興収2億7600万ドルに到達[c]Everett Collection/AFLO

2位から10位までのランキングは、前週の1位から9位がそのまま一つ順位を落とすかたちに。『ソー:ラブ&サンダー』(日本公開中)は累計興収2億7600万ドルを突破し、前作超えはほぼ確実に。3位の『ミニオンズ フィーバー』(日本公開中)は25日の月曜日に興収3億ドルに到達。そして公開9週目を迎えた『トップガン マーヴェリック』(日本公開中)は、まだ週末3日間興収1000万ドル台をキープして5位に粘っている。

【写真を見る】『トップガン マーヴェリック』がついに『アベンジャーズ』超え!さらなる大記録へ加速
【写真を見る】『トップガン マーヴェリック』がついに『アベンジャーズ』超え!さらなる大記録へ加速[c]Everett Collection/AFLO

公開から9週連続で興収1000万ドルを超えたのは『タイタニック』(97)と『アバター』(09)に続いて3本目。累計興収は6億3000万ドルを突破し、北米歴代興収ランキングでは『アベンジャーズ』(12)を上回り第9位にランクアップ。ビッグタイトルの公開もひと段落しただけに、現在第8位の『ジュラシック・ワールド』(15)と第7位の『タイタニック』超えはほぼ安泰。第6位の『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(18)超えと、史上6本目の興収7億ドル突破が今後の大目標となりそうだ。

文/久保田 和馬

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