友近が語る、五社英雄作品への愛…かたせ梨乃、名取裕子ら“五社組”女優とのエピソードも披露|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
友近が語る、五社英雄作品への愛…かたせ梨乃、名取裕子ら“五社組”女優とのエピソードも披露

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友近が語る、五社英雄作品への愛…かたせ梨乃、名取裕子ら“五社組”女優とのエピソードも披露

東京・池袋の新文芸坐で開催中の特集上映「没後30年 五社英雄 情念の軌跡 in 新文芸坐」で先月27日、五社監督の代表作『鬼龍院花子の生涯』(82)と『吉原炎上』(87)の上映終了後にスペシャルトークが開催。熱烈な五社監督ファンとして知られる友近が登壇し、五社監督作品の魅力を熱く語った。

五社英雄監督の代表作として知られる『鬼龍院花子の生涯』
五社英雄監督の代表作として知られる『鬼龍院花子の生涯』[c]東映

テレビドラマの演出なでキャリアを積み、自信が演出を務め高視聴率を記録したテレビ時代劇の劇場版となる『三匹の侍』(64)で映画監督デビューを飾った五社監督。様々なテレビドラマや映画を手掛け、『御用金』(69)と『人斬り』(69)が立て続けに大ヒットを記録。1980年に銃刀法違反容疑で逮捕されたのち『鬼龍院花子の生涯』で活動を再開すると、続く『陽暉楼』(83)では日本アカデミー賞最優秀監督賞を受賞。その後も『極道の妻たち』(86)や『吉原炎上』などを手掛け、1992年8月30日に63歳の若さでこの世を去った。

『吉原炎上』のメインテーマに乗せ、赤い襦袢を身に纏って優雅な足遣いで登壇した友近は「最初のきっかけはテレビで観たこと。祖母が愛媛県道後で働いていて、そのあたりに遊郭や客引きがあったのを知って興味を持つようになりました」と、五社作品との出会いを振り返る。「映像がきれいな『吉原炎上』。ストーリーならば『鬼龍院花子の生涯』。ほかに『薄化粧』や『』などが大好き」と好きな五社作品を次々と挙げていく。


【写真を見る】赤い襦袢と優雅な足遣いで、名作『吉原炎上』の世界観を再現!?
【写真を見る】赤い襦袢と優雅な足遣いで、名作『吉原炎上』の世界観を再現!?

自身の単独ライブで『吉原炎上』のサントラを使用するなど、あらゆることで“五社イズム”を取り入れるほどの五社マニアな友近。五社監督作品から選んだ「このシーンがすごい!」という映像がスクリーンに映しだされていくと、その魅力についてマシンガントークをスタート。『鬼龍院花子の生涯』で佳那晃子演じるつると仙道敦子演じる少女時代の松恵が叩き合うシーンでは「二人の叩き合いを見つめている仲代達矢さんの表情が好き。子どもなのに仙道敦子さんが殴られるのを観て、『ひどい!』と気持ちがぐっと入ってしまいました」とさらに熱が入る。

そして「いまでは大好きな五社作品に出演した人たちとお会いできたり、仕事ができたりするのがとてもうれしいです」とにこやかに語る。かたせ梨乃とテレビで共演を果たしたこと、仁支川峰子にラジオのゲストに来てもらったこと、佐々木すみ江とはメル友になったこと、名取裕子は山村紅葉と3人でトーク番組で共演し、水谷八重子のステージにも出演してもらったことなど、五社作品の女優たちとのつながりを告白。

単独ライブでサントラを使用するという『吉原炎上』
単独ライブでサントラを使用するという『吉原炎上』[c]東映

イベント終盤の「名台詞クイズ」でも、『吉原炎上』の出だしに登場するナレーションについて五社マニアならではのトリビアを披露した友近。最後には五社監督の没後30年を偲び、五社監督の自署コメント「映画は賭けだよ、らくにいこうぜ」が入ったおちょこで杯を捧げた。五社監督の10作品が日替わりで二本立て上映される特集上映「没後30年 五社英雄 情念の軌跡 in 新文芸坐」は、あす9月6日(火)まで開催されている。

文/久保田 和馬