20年前に「なかよし」を席巻した「東京ミュウミュウ」が、いまなお愛される理由とは?|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
20年前に「なかよし」を席巻した「東京ミュウミュウ」が、いまなお愛される理由とは?

コラム

20年前に「なかよし」を席巻した「東京ミュウミュウ」が、いまなお愛される理由とは?

2000年代前半は少女漫画の伝説的作品が多数生まれた時代。「花とゆめ」「ちゃお」「マーガレット」「りぼん」…各少女漫画誌から代表作が次々と生まれ、アニメ化した作品も爆発的に増えた。なかでも当時、講談社の少女漫画誌「なかよし」では「東京ミュウミュウ」「おジャ魔女どれみ」シリーズ、「シュガシュガルーン」「ぴちぴちピッチ」「かみちゃまかりん」「ふたりはプリキュア」シリーズなど、女の子たちを虜にした変身ヒロインや魔法少女系の作品が同時期に連載されていたのが印象的だ。

そんな作品が盛り上がった20年前だが…2022年、なんと「東京ミュウミュウ」が「東京ミュウミュウ にゅ〜・」のタイトルで2度目のアニメ化を果たし、大きな話題となっている。では、それほど「東京ミュウミュウ」が人気を集め、愛されている理由はなんなのか?

環境問題を取り入れた美少女戦隊モノ「東京ミュウミュウ」

【写真を見る】ひょんなことから、地球を救うための戦士「東京ミュウミュウ」として戦うことになった桃宮いちご(「東京ミュウミュウ にゅ〜・」)
【写真を見る】ひょんなことから、地球を救うための戦士「東京ミュウミュウ」として戦うことになった桃宮いちご(「東京ミュウミュウ にゅ〜・」)[c]征海美亜・吉田玲子・講談社/「東京ミュウミュウにゅ~」製作委員会

「東京ミュウミュウ」は2000~03年に「なかよし」で連載、大ヒットした少女漫画だ。原作をベテラン脚本家の吉田玲子が、作画を漫画家の征海未亜が担当した。ストーリーは「美少女戦士セーラームーン」や「魔法騎士レイアース」などの流行を経て人気が高まった変身ヒロインモノであり、5人組の美少女を主人公に、もちろん恋愛要素も満載という間違いなしの構成。さらに作品テーマに当時大きな話題となっていた環境問題を取り入れ、地球の未来について考えさせる設定の斬新さも魅力となった。そこで注目したいのが原作者である吉田の存在だ。

間違いない“吉田玲子原作”のストーリー

白金稜は、エイリアンから地球を守るためのμ(ミュー)プロジェクトという計画を進めている(「東京ミュウミュウ にゅ〜・」)
白金稜は、エイリアンから地球を守るためのμ(ミュー)プロジェクトという計画を進めている(「東京ミュウミュウ にゅ〜・」)[c]征海美亜・吉田玲子・講談社/「東京ミュウミュウにゅ~」製作委員会

「ガールズ&パンツァー」や「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」などの大ヒット作を世に送りだし、いまやアニメ界最高峰の脚本家の一人として活躍している吉田。最近では、アニメに限らず、ボルダリングに熱中する女子高生の姿を描いた『のぼる小寺さん』(20)や、17歳の総理を中心に若者たちが閣僚として国を治めるべく奮闘する「17才の帝国」など、実写作品でもその才能を発揮している。

彼女が紡ぐ物語は、抜群の構成力から生まれる安定感があり、それが人気を集める理由の一つだろう。平和な日常や明るい会話劇といった“光”の描写と、それらが積み重なった先にある“陰”…とにかく泣かされる展開、その作り込みが非常に秀逸なのだ。もちろん「東京ミュウミュウ」も例外ではない。5人のかわいい美少女たちの平和な青春と、環境問題を扱う深いテーマ性、さらには主人公と敵の恋愛描写など、王道でありながらも斬新な物語が読者たちから愛される理由となっている。


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