『秒速5センチメートル』をIMAXで“新作”として体感!『君の名は。』『天気の子』…新海誠ワールドは“IMAX推し”|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
『秒速5センチメートル』をIMAXで“新作”として体感!『君の名は。』『天気の子』…新海誠ワールドは“IMAX推し”

コラム

『秒速5センチメートル』をIMAXで“新作”として体感!『君の名は。』『天気の子』…新海誠ワールドは“IMAX推し”

新海誠監督の3年ぶりとなる最新作『すずめの戸締まり』が、いよいよ11月11日(金)よりスクリーンに登場。通常上映に加えてIMAX上映も予定されている本作の公開に先駆け、本日より「新海誠IMAX映画祭」が開催中だ。

新海監督の名を世界にとどろかせた『君の名は。』(16)と『天気の子』(19)に加え、なんとIMAX初上映となる『秒速5センチメートル』(07)がラインナップ!キャラクターの感情と溶け合う風景描写と、音楽の美しさが魅力の新海作品は、IMAXでこそ徹底的に堪能できるもの。そこで本稿では、『秒速5センチメートル』のIMAXレビューと共に、「新海誠IMAX映画祭」で注目したい“IMAX推し”ポイントをご紹介する。

『君の名は。』の入れ替わり演技&「前前前世」を最高の音響で堪能!

記録的大ヒットを果たした『君の名は。』を、IMAXでもう一度!
記録的大ヒットを果たした『君の名は。』を、IMAXでもう一度![c]2016「君の名は。」製作委員会


惹かれ合い、すれ違う男女の物語を、ため息が出るほど描写と共に紡ぎだす“新海ワールド”。夢のなかで入れ替わる男子高生の瀧(声:神木隆之介)と女子高生の三葉(声:上白石萌音)の恋と奇跡を描き、空前の大ヒットを記録した『君の名は。』では、“星”が物語のポイントとなっていた。

流星がたなびく雲を突き抜け、ぐんぐんと地上へと落ちてくる様子から幕を開ける本作。床から天井へと広がるIMAXのスクリーンならば、流星落下の距離感やスピード感を身を持って体験することができるため、スクリーンの大きさに驚きながら、あっという間に映画の世界へと誘われる。

全編を通して色彩豊かな映像美を味わうことができる新海作品だが、リアルでありながら、そこから登場人物たちの高揚感や、せつなさまで見えてきそうな風景描写は大きな特徴だ。新海監督を始め、スタッフ陣が「このキャラクターには、目の前の景色がどのように見えているのか?」とイメージを膨らませ、色使いやあらゆる表現方法を模索しながら取り組んでいるからこそ、観客の記憶と心までを揺さぶる風景描写が完成しているのだろう。

本作ならば、とりわけ瀧と三葉が初めて対面する“カタワレ時”の美しさは、圧巻だ。繊細なグラデーションで描かれた夕暮れからも、ファンタジックな出会いを果たした2人の恋の喜びを感じ取ることができる。映像の細部までクリアに映しだし、色鮮やかな世界をスクリーン上に再現するIMAXで、ぜひ新海監督のこだわりを味わい尽くしたい。

また音の側面から考えると、本作では声優陣の名演も話題となった。入れ替わりをする瀧と三葉を演じるためには、外見と中身で違った演技をする必要があるのだが、神木と上白石はその難役を見事に演じきった。「私&俺たち、入れ替わってるー!?」と声を合わせるシーンでの彼らの相性のよさは抜群で、そこからRADWIMPSによる主題歌「前前前世」のイントロが流れる瞬間は、何度観てもテンションが上がること間違いなし!映像と音楽のシンクロ率の高さも、新海作品の醍醐味の一つだと実感させられる。12chサウンドシステムを採用したIMAXの最高の音響で、入れ替わり演技のすごみ、RADWIMPSの音楽にも浸ってほしい。

『天気の子』で、表情豊かな“雨”に驚く

新海監督の意欲作『天気の子』。リピート鑑賞するごとに味わいが増す
新海監督の意欲作『天気の子』。リピート鑑賞するごとに味わいが増す[c]2019「天気の子」製作委員会

『君の名は。』に続いて登場した『天気の子』は、天候の調和が狂っていく時代に、家出少年の帆高(声:醍醐虎汰朗)と、不思議な力を持った陽菜(声:森七菜)が、運命に翻弄されながらも自らの生き方を選択していく物語。『君の名は。』でストーリーの鍵となったのが“星”ならば、本作で主役級の存在感を放つのが“雨”だ。

映画の冒頭は、雨音からスタート。IMAXのサウンドシステムならば、ザーッと降り注ぎ、地面を叩きつけるパシャパシャという雨音に包まれて、映画館にいることを忘れるような特別な時間を過ごせるはず。どしゃ降りの雨、水溜りに反射する雨、緑に映える雨…など、これほどまでに雨の表現がたくさんあるのかと惚れ惚れとさせられるが、晴れ女として活躍する陽菜が「いまから晴れるよ!」と声をかけたあとに差してくる光もキラキラと輝き、雨上がりの匂いまでしてきそうな情景描写が続く。

そして本作の大きな見どころとなるのが、未知なる“空の上の世界”を映しだすシーンだ。帆高と陽菜がお互いに手を伸ばしながら空から落ちてくる数分間は、彼らのまっすぐな想いと、この世界の広さと美しさがリンクする名場面。醍醐と森のフレッシュな演技も際立ち、このシーンをIMAXの大画面で観られると想像するだけで、ワクワクしてくる人も多いはず。また『君の名は。』に引き続き、RADWIMPSが音楽を担当。メロディやリズム、歌詞も映像にピタリと寄り添い、より強固となった新海監督とRADWIMPSの信頼関係を、劇中の音楽からも感じられる。

本作の劇場公開時に行ったMOVIE WALKER PRESSのインタビューでは、新海監督が「陽菜は白いパーカーを着ていますが、カットごとにピックアップしてよくよく見てみると、緑だったり、青だったり、ピンクだったりすると思うんです。それは周りがどういう色なのかによって、白という色が変わるからなんです。白をどんな色にするかで、そのシーン全体が大きく変わる」と色の考え方について答えてくれたことがあった。そういった細やかな色の違いも、超高解像度映像を実現するIMAXでぜひ確認してみたい。


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