キャラクターの感情が伝わる名曲ばかり！福山雅治と柴咲コウによるユニット、KOH+の「ガリレオ」主題歌を振り返る

東野圭吾による推理小説を原作に、福山雅治演じる天才物理学者の湯川学が不可解な事件を解決していく様子を描く「ガリレオ」シリーズ。実に9年ぶりの新作となった劇場版第3弾『沈黙のパレード』が現在公開されている。

【写真を見る】福山雅治と柴咲コウによる音楽ユニット、KOH+が務めた「ガリレオ」シリーズの主題歌を振り返る！[c]2022 フジテレビジョン、アミューズ、文藝春秋、FNS27社

このシリーズから誕生した福山と柴咲コウの音楽ユニット、KOH+が主題歌を担当し、福山の作詞・作曲による楽曲が作品を盛り上げてきた。『沈黙のパレード』の新曲「ヒトツボシ」も注目を集めており、9月に発売された楽曲をまとめたミニアルバム「ヒトツボシ～ガリレオ Collection 2007-2022～」はオリコンで初登場1位を獲得。話題のいま、改めて歴代の主題歌を振り返っていきたい。

KOH+を生んだ記念すべき主題歌1曲目「KISSして」

『沈黙のパレード』で本格的にシリーズ復帰を果たした柴咲演じる内海薫をイメージして書き下ろされた主題歌も[c]2022 フジテレビジョン、アミューズ、文藝春秋、FNS27社

2007年に放送されたドラマ第1シーズンの主題歌として福山が書き下ろした「KISSして」は、毎回、人が死ぬドラマであるため、明るく締めたいというプロデューサーの意向を汲んで作られた1曲。ミステリードラマに似合わないような「チュッチュッチュルルル〜」と始まるポップでキャッチーなサウンドが特徴的だ。

柴咲演じる刑事の内海薫が恋愛をしたら…というイメージで書かれており、持ち前の正義感で愚直に事件に挑んでいく内海らしい、赤裸々で泥臭い一面を想起させるような歌詞となっている。また、“幸せの答え導き出す方程式”、“恋愛力学”など科学で難事件を解決していく「ガリレオ」らしいキーワードも散りばめられた、1作目にふさわしいナンバーだった。

男のせつない愛を歌ったレクイエム「最愛」

ドラマの翌年に公開された劇場版『容疑者Xの献身』(08)の主題歌が「最愛」。この作品は湯川の大学時代の友人である数学者の石神哲哉(堤真一)が、暴力的な元夫を殺してしまった隣人の花岡靖子(松雪泰子)への恋心から救いの手を差し伸べ、事件の隠蔽を図るのだが…と愛ゆえの献身ともいえる犯罪が描かれた。

「最愛」は、その悲しき結末を優しく包み込むようなしっとりとしたバラード。“夢のような人だから夢のように消えるのです”とあるように、最愛の人と結ばれることのなかった石神。そんな彼の報われなかった思いを救済するレクイエムとして書かれた1曲だ。

天才的な頭脳を持ちながらも高校の数学教師としてくすぶった日々を送る石神の人生に、光が差した花岡との出会いから、花岡の幸せを祈って取った最後の選択まで、石神の心情がストレートな言葉で綴られており、作品によりいっそうの感動をもたらした。

新キャラクターの個性も盛り込まれたアッパーチューン「恋の魔力」

2013年オンエアのドラマ第2シーズンでは、湯川の新たな相棒刑事役として吉高由里子演じる岸谷美砂が登場したため内海はほとんど作品に出てこなかったが、主題歌は再結成を望む声が多かったKOH+が再び歌っている。

「KISSして」の時と同様の理由で明るいポップチューンとなった「恋の魔力」は、福山曰く「内海に加え岸谷のイメージも投影している」1曲。“素直になりたいのに素顔見せるのが出来ないのはナゼ空回りしてるのはわかってるけどこれが「恋の魔力」と自己弁護してる”といったプライドの高い岸谷のキャラクターを思わせる歌詞が随所に散りばめられている。

また、ドラマが世界進出したこともあり、韓国では当時KARAのメンバーだったHARAによる韓国語版、A-Linにより中国版が作られたことも話題となった。

最新作で9年ぶりにKOH+が復活！