ライジング韓国スター、チェ・ヒョヌクが明かす理想の俳優像「同じ俳優だとわからないように演じたい」
「ラケット少年団」のバドミントン部で中学3年生のナ・ウチャン役や、「二十五、二十一」でフェンシング金メダリストのスター選手を一途に愛する“7組のイケメン”ことムン・ジウン役で、韓国ではもちろん、日本でも人気を呼んだ俳優チェ・ヒョヌク。
学生役が多い彼は、2002年生まれで現在は20歳。2019年にウェブドラマ「リアル:タイム:ラブ」の主役でデビューを飾ると“LANケーブル彼氏(ネット上の彼氏)”と呼ばれ、一気に韓国女子の心を奪った。その後「復讐代行人~模範タクシー~」「ラケット少年団」とキャリアを重ね、注目度が上がるなかで出演したのが「二十五、二十一」だった。チェ・ヒョヌクが演じたムン・ジウン役はインフルエンサーでありファッショニスタの高校2年生。クラスメイトであるフェンシング金メダリストのコ・ユリム(ボナ)を見事に射止め、一途に愛する姿が魅力的なキャラクターだ。
MOVIE WALKER PRESSでは、日本のファンクラブもでき、ファンミーティングのために来日した彼にインタビューを慣行。日本での人気や、いままで演じてきた役柄について、また今後についても大いに語ってもらった。
「期待されるとさらに応えたくなるし、プレッシャーを感じることもあります」
2021年SBS演技大賞では新人演技賞、チーム部門助演賞を獲得、2022年BRAND CUSTOMER LOYALTY AWARDSでは最も影響力のある男性新人俳優に選ばれるなど、受賞歴も華々しい。期待値や注目度が上がっていることについて尋ねると、「とてもうれしくてありがたいことだけど、決してうれしさだけではないです。賞をいただいたり期待されたりすると、さらに応えたくなるし、上手くやらなくては…というプレッシャーを感じることもあります」と、いまの状況に浮かれず、冷静に受け止めている答えが返ってきた。そして「そういうプレッシャーに打ち勝って、さらに前進していかなくちゃいけない、と感じますね」と気概を見せた。
様々な役を演じるなかで、普段の生活に役柄が引きずられるタイプ、うまく切り替えられるタイプの俳優がいると言われるが、彼の場合は、「仕事では引きずらないほう」とのこと。だが「プライベートでは撮影が終わって一定期間は、演じたキャラクターの口調や行動など、全体のフレームは(自分のなかに)残っているようです。だから、次の役に出会った時は、また新たにその役柄に入り込もうと努力するほうですね」と、自分を見失わない努力をしているんだそう。そして「これは実際に重要なことだと思います」と付け加えた。
いままでの役柄で自分に近かったのは、「二十五、二十一」のジウンだそう。「それぞれ演じてきたキャラクターごとに似ているところがあるし、違う部分は近づけるように努力しています。そのなかでもジウンは、僕と似ている部分がほかの役より少し多かったかな」と振り返った。
余談だが、インタビューを始める際、「わたしはチェ・ヒョヌクです。よろしくお願いします」と日本語で挨拶をして、181cmの身長を折り曲げて深々と一礼する姿に、スタッフ一同、好感度は爆上がり。また、撮影時にはソファを移動させるスタッフを見て、すかさず飛んできて一緒にソファを持ち上げようとする気取らない姿も。素顔の彼も「二十五、二十一」のジウンのように“ルックスも中身もイケメン”だった。
どの役にも大切な思い出があって、すべての役に同じように愛情がある、と言う彼に「ヒョヌクさん自身が、実際に友達になりたいのは?」と聞いてみたところ、校内暴力の加害者生徒という役どころだった、「『模範タクシー』のスンテ以外のみんなです(笑)」と答えが返ってきた。「『ラケット少年団』のウチャンは平和主義で友達みんなと仲良くすることができるし、『二十五、二十一』のジウンは人々にエネルギーを与えることができるから」だそうだ。