清野菜名、『耳をすませば』原作者・柊あおいの手紙に感激！中学時代の修羅場も告白「違う子をバックハグしていて…」

スタジオジブリのアニメ映画でも知られる、柊あおいの青春恋愛漫画を実写映画化した『耳をすませば』の公開初日舞台挨拶が10月14日に丸の内ピカデリーで開催され、清野菜名、松坂桃李、山田裕貴、内田理央、安原琉那、中川翼、荒木飛羽、住友沙来、平川雄一朗監督が登壇。柊からメッセージが届き、清野が感無量の面持ちを見せた。

不朽の名作をもとに、漫画やアニメーション映画でも描かれた中学生の甘酸っぱい青春時代と共に、完全オリジナルの10年後の物語も描かれる本作。10年後の月島雫と天沢聖司を、清野と松坂がダブル主演で演じた。

甘酸っぱい青春時代を描く映画にちなみ、それぞれが甘酸っぱい思い出を披露したこの日。「身体を動かすことが好きだった」という清野は、「高校生のころは毎日夜に公園に行って、高いところに空き缶を置いて、後ろ回し蹴りをしていた」と当時からアクションに興味があった様子。松坂が「その時からそういう節があったんですか？誰かを倒したかったとか」と笑顔を見せるなか、清野は「『バイオハザード』に憧れて、あの蹴りをやりたいと思って毎日練習をしていました」と楽しそうに話していた。

松坂は「中学生の時に、部活で夏休みの最後に海で花火をした。一人のロケット花火が全然違う方向に飛んで行っちゃって、その方向の先がちょっと怖い感じの人だった。『なにやってんだ！コラァ！』と砂浜を追いかけられた。すごくいい思い出です」と恐怖体験を述懐。「逃げたんですが、一人が砂に足を取られて転んだ。置いていくのはまずいと、そいつが捕まったところまで戻ったら、その子が胸ぐらを掴まれていて。一斉に土下座して謝りました」と震えるような青春の思い出を明かした。

「制服の第二ボタン」について語ったのが山田だ。中学校の卒業式での出来事だそうで、山田は「好きな子のために第二ボタンだけは守っていた。『あの子にしかやらん』と言っていたら、僕の小学校のころからの女の子の友だちが『あの子にあげたいんでしょ。言ってきてあげる』と行って、その好きな子が目の前にやって来た」と強力な助っ人のおかげで好きな女の子と対面することができたという。「そうしたら、その子が『第二ボタンください』と言ってくれた。向こうもそれを言おうとしていたみたいで。渡してお付き合いすることもできた」と両想いだったことを明かすと、松坂は「これこそ甘酸っぱい思い出」とうらやましそうに話していた。

登壇者陣が思い出話に花を咲かせると、清野も「中学生の時に、お付き合いをしていた人がいた」と思い出し、「教室のドアを開けたら、その男の子が違う女の子をバックハグしていて。フラれたと思ってダッシュで逃げました。めちゃくちゃショックでしたね」と甘酸っぱいというより、ほろ苦いエピソードを告白。これには松坂も「修羅場ですよね」と苦笑いを見せていた。

またステージには原作者の柊あおいからメッセージが届くひと幕も。手紙には「様々な紆余曲折を経ながらも完成作品ができあがったのは、制作の皆さまのたゆまぬ努力の結果です。スタッフ、出演者の皆さま、本当にお疲れ様でした」と労いの言葉がつづられていた。

さらに「撮影に至るまでにたびたび変更があり、撮影に入ってからは未曾有のパンデミックに見舞われ、中止に追い込まれてしまいました」と苦難の道のりを振り返りながら、「一番よかったのは、観終わった後の清涼感と温かさです。一生懸命に頑張っている登場人物みんなに、拍手を送りたい。そう思わせてくれた作品です」と完成作を絶賛。「この映画を観て、ひと時でも前向きな気持ちになれる人たちがいたら、作っていただいた意味があるのではと思います」と温かな言葉が込められていた。

清野は「『耳をすませば』の生みの親である柊先生から、このようなステキなお手紙をいただけて本当に光栄です。私も雫ちゃんという役を通して、勇気をいただいた。雫ちゃんを演じられて、とても感謝しています」としみじみ。「この舞台にみんなで上がれて、また再会できたことも幸せに感じています」と語り、大きな拍手を浴びていた。

取材・文/成田おり枝