まるで家族のよう!チーム「Dr.コトー診療所」による笑いと愛があふれる座談会「僕を救ってくれた作品」
東京から僻地の離島に赴任した外科医“コトー先生”こと、五島健助の奮闘と島の人々との交流を描き、2003年に大ヒットしたドラマ「Dr.コトー診療所」。続く「Dr.コトー診療所2004」、 2006年のシーズンでも高視聴率を叩き出し、医療ヒューマンドラマの原点と語り継がれるように。日本中から続編が待望され続けた名作が、なんと16年ぶりに映画となって復活。ただ1人の医師として、志木那島の島民すべての命を背負ってきたコトーは、妻となった看護師の彩佳(柴咲コウ)らと穏やかな日常を送っていた。だが、そんな彼らにある変化が忍び寄る。
MOVIE WALKER PRESSは映画に続投したレギュラーキャストと監督が集合した、超豪華座談会を実施。コトー先生役の吉岡秀隆、彩佳役の柴咲コウ、島のスナック「まり」の店主、茉莉子役の大塚寧々、元漁労長のシゲさん役の泉谷しげる、診療所でコトーを手伝う市役所職員、和田役の筧利夫、元村役場民生課課長で彩佳の父、正一役の小林薫。そしてドラマシリーズから演出を務めて来た、監督の中江功。16年ぶりに新たな物語を紡いだ7人に、“いまだからこそ話せる”映画の撮影現場での様子をたっぷり語ってもらった。
「『お帰り』と声を掛けられて。いよいよ撮影が始まるんだな、と」(中江監督)
――本日はどうぞよろしくお願いいたします。まずは、16年ぶりに舞台となる志木那島こと、撮影地の与那国島に降り立った時の皆さんの心境、リアクションはどんなものでしたか?
中江「撮影開始は6月ですが、映画のロケハンや下見のために島へ行ったのは、今年の1月でした。島をそっと見て回ろうと思ったら、知っている人に『お帰り』と声を掛けられて。いよいよ撮影が始まるんだな、と」
吉岡「僕はまず飛行機から島を見下ろし、『うわ、またあそこを自転車で走るんだな』と思いました。別に嬉しい『うわ~』ではないですよ。何度も自転車で走ることが、嬉しいわけないじゃないですか(笑)!到着後は、スタッフ総出で砂浜を掃除している、撮影前の恒例の姿を見て、『いよいよ、始まるな』と感じました」
柴咲「これから撮影が始まる時の心境って、“嬉しい”とか単純なものではなく、一言では言い表せないものがあるんですよね。しかも、コトー先生を演じる吉岡さんは、いろんなことを背負いながらずっとペダルを漕いで来たんですよね」
吉岡「そう言っていただけて、ありがたいです」
大塚「私は空港に降り立った時、独特の湿度と空気に、『ああ、これこれ、この空気!』と思いました。その時フッと横を見たら漁師の原さんを演じる時任(三郎)さんがいらっしゃって、久しぶりなのに、そんな久しぶりという感じがなくて。親戚みたいというか、なにか安心感がありました」
柴咲「私も大塚さんと同じで、沖縄だけどまた少し違う独特の空気に、『ああコレコレ!』と、すぐ馴染む感じがありました。でも『懐かしいな』という爽やかな感覚だけではなくて、なにかもっと深さがあるんですよね。というのもこのシリーズは、人間の深いやり取りを丁寧に描く作品なので、『これからまた気合をいれないと』みたいな感覚に近かったですね」
泉谷「私は最初島に行く気なんか、なかったんですよ。過酷なスケジュールなのに、なんでそんな遠いところまで行かなきゃいけないのか、って監督に言いましたよ!」
一同「(爆笑)」
泉谷「つまり、それくらいの勇気と覚悟を持って与那国に行きましたが、着いてみたら全然変わってないんですよ。なんなんだ、ってくらい変わってないの。島を大きくしようとか、そういう気がないのか、あるいは、そのままでいいと思っていることがスゴイと思ったし、感動したね。でもだから、よーし、彼らのために俺は戦うぞ、みたいな気持ちにはなりましたね」
筧「空港で荷物を待ってる時に壁を見たら、2006年の『Dr.コトー診療所』のポスターが貼ってあったんですよ。かなり古くなったポスターを見て、この16年間、俺たちがここでお客さんたちを迎え入れていたんだな、ということにビックリしました。嬉しかったですね」