“人喰い”の真相が明らかに…?邪悪の根源に揺れ動く「ガンニバル」第6話レビュー|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
“人喰い”の真相が明らかに…?邪悪の根源に揺れ動く「ガンニバル」第6話レビュー

コラム

“人喰い”の真相が明らかに…?邪悪の根源に揺れ動く「ガンニバル」第6話レビュー

ディズニープラスの「スター」にて独占配信中の「ガンニバル」。柳楽優弥が主演を務め、『岬の兄妹』(19)、『さがす』(22)の片山慎三が監督、『ドライブ・マイ・カー』(21)の大江崇允が脚本を務めるなど、日本のトップクリエイターが集結したオリジナルシリーズだ。山間に位置し、外界から隔絶した供花村に赴任した駐在員、阿川大悟(柳楽)。「人が喰われているらしい」という恐ろしい噂が囁かれるこの村で、ある事件の捜査をきっかけとして、徐々に狂気の世界へ陥っていく。MOVIE WALKER PRESSでは、圧倒的クオリティと実力派ぞろいの俳優陣で贈る、野心的な本作の魅力をレビュー連載でお届けする。第6話は、ライターの須永貴子が担当する。

※以降、ストーリーの核心に触れる記述を含みます。未見の方はご注意ください。

「八ツ墓村」のモデルにもなった事件とのつながりに期待値も上昇

“人喰い村”と噂される供花村。その駐在所に赴任してきた阿川大悟と地元住民の会話に「ぼっけえ」という形容詞が登場し、パトカーに“岡山県警”の文字を見かけた時に、このドラマに対する期待値と信頼度が一気に高まった。「八ツ墓村」のモデルにもなった津山事件(1938年)が起きた岡山県の、架空の限界集落が舞台といわれたら、ホラー好きなら食指を動かさずにはいられない。

そこから第5話までを視聴して、その期待がまったく裏切られていない。 土着の風習や祭事、呪われた家の血脈、住民の閉鎖性や排他性、二面性などといったヴィレッジ・サイコスリラーというジャンル特有のカードを切りつつ、主人公の大悟もまた特殊なキャラクターであるがゆえに生じる軋轢や混乱によって、このジャンルにおいてポーカーでいうところの最強かつ新たな“役”を作り出したといえる。

後藤家や供花村の闇がしだいに明らかになっていく「ガンニバル」第6話
後藤家や供花村の闇がしだいに明らかになっていく「ガンニバル」第6話[c]2022 Disney and its related entities

村で唯一の助産師だった後藤銀の邪悪さが浮き彫りに…

第5話までをざっと整理しておこう。大悟は前任の駐在、狩野(矢柴俊博)の失踪が供花村を牛耳る後藤家に関連していると読み、独自に捜査を続けている。オカルト系ジャーナリストから、供花村では死産が多すぎることを教えられた直後、村の中心的存在であるさぶ(中村梅雀)の娘、加奈子(山下リオ)の子どもが死産だったことを知る。第6話は、大雨のなか、駐在所の前に立つ加奈子を捉えた第5話のラストシーンを引き継ぐ形でスタートする。


加奈子は大悟に衝撃の告白をする。数年前に加奈子が出産した際、後藤家の当主で村唯一の助産師でもある銀(倍賞美津子)が、「この子、息がねえ」と言って、生きている赤子を連れ去ってしまったと。その告白を回想する映像で、これまでは遺影から睨みつけていた銀が、初めて動体として視聴者の前でその邪悪さを露呈する。加奈子の目線が捉えたショットは、動いている赤子の手と、連れ去る時にほくそ笑む銀の横顔。「待って銀さん!」と必死に抗う加奈子を父親のさぶは全力で制し、銀に加担したのだ。

【写真を見る】生まれたばかりの赤ん坊を…不気味な笑みを浮かべる後藤銀の凶行
【写真を見る】生まれたばかりの赤ん坊を…不気味な笑みを浮かべる後藤銀の凶行[c]2022 Disney and its related entities

供花村の人たちが後藤家の言いなりなのは、林業で生計を立てている村にとって、後藤家が所有する土地が生命線だからという説明が第4話であった。だからといって、孫の命を後藤家にくれてやるというのはどう考えても常軌を逸している。そこで大悟と視聴者の脳裏をかすめるのが、供花村の人々が恐れ、後藤家の人間が畏れる“あの人”の存在だ。後藤銀と“あの人”の、ずっと粗かった解像度が一気に高くなるのが、この第6話なのである。

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