気になる演劇、どれから観たらいい?配信プラットフォーム別におすすめ作品をまとめて紹介!|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
気になる演劇、どれから観たらいい?配信プラットフォーム別におすすめ作品をまとめて紹介!

コラム

気になる演劇、どれから観たらいい?配信プラットフォーム別におすすめ作品をまとめて紹介!

舞台芸術のアーカイブをオンラインで閲覧可能にし、舞台芸術をより身近に、そして未来へつなげる様々な活動を行っている「EPAD」。MOVIE WALKER PRESSはEPADの取り組みに賛同し、スペシャルサイトをオープン。「普段映画を観るように、気軽に舞台を楽しんでほしい!」という想いのもと「初心者におすすめの舞台作品は?」「どんなアーカイブがあるの?」など、舞台芸術の楽しみ方を提案します。

舞台芸術を手軽に楽しめる映像配信。EPADでは2022年度の事業として400作品以上の映像を収集し、2023年1月20日までにそのうち56作品の配信がスタートしている(配信作品一覧はこちら)。バラエティに富んだラインナップは魅力だが、これだけ数が多いとどこでなにを見たらいいのかわからないという人も多いはず。今回は4つの配信プラットフォームからそれぞれ3作品を紹介する。骨太な社会派から野外劇、そして気鋭の若手劇団まで。予告編やクーポン、トライアルなどでお試し視聴ができるものもあるので是非チェックを。

見放題本数No.1!様々なジャンルをカバーしているU-NEXT

まずは見放題本数国内No.1のU-NEXT。「舞台/演劇」カテゴリでも2.5次元演劇から宝塚、そしてお笑いまで約1300本の動画を配信している。31日間の無料体験があるのもうれしいポイントだ。ここではEPADのサポートで高画質・高音質での収録が実現した3作品を紹介する。

マームとジプシーによる「cocoon」(4K+Dolby Atmos)
マームとジプシーによる「cocoon」(4K+Dolby Atmos)[c]OkamotoNaobumi

1本目は、マームとジプシーによる「cocoon」(作・演出:藤田貴大/配信日調整中)。今日マチ子の漫画「cocoon」を原作に、沖縄戦に動員される少女たちの姿を描いた作品。マームとジプシーは作家の川上未映子や歌人の穂村弘、ファッションブランドのミナ ペルホネンなど演劇以外のクリエイターとも積極的にコラボレーションを展開し、演劇ファンのみならず幅広い層の観客から注目を集めている。本作ではクラムボンの原田郁子が音楽を担当。

劇団あはひによる「光環(コロナ)」(4K)
劇団あはひによる「光環(コロナ)」(4K)[c]igaki photo studio 提供:豊岡演劇祭実行委員会

2本目は、劇団あはひによる「光環(コロナ)」(作・演出:大塚健太郎/配信日調整中)。2020年に演劇の街、下北沢最大の劇場である本多劇場に、最年少で進出した気鋭の劇団の最新作。劇団あはひの特徴は、能やシェイクスピアなどの古典をもとに現代を描く点にある。今作では世界最古の推理小説と言われるエドガー・アラン・ポーの「盗まれた手紙」を下敷きに、能やセカイ系の構造を融合。作・演出の大塚によれば、この作品は「コロナ禍を経験したすべての人に送るわたしからの手紙」なのだという。

こまつ座による「紙屋町さくらホテル」(4K+Dolby Atmos) 
こまつ座による「紙屋町さくらホテル」(4K+Dolby Atmos) 撮影/田中亜紀

3本目は、こまつ座による「紙屋町さくらホテル」(作:井上ひさし、演出:鵜山仁/配信日調整中)。新国立劇場中劇場の開場記念公演として1997年に初演され、その後も繰り返し再演されてきた井上ひさし/こまつ座の代表作の一本。広島への原爆投下によって被曝した移動演劇隊「さくら隊」の丸山定夫らをモデルに、フィクションを交えて紡がれたこの物語が描きだすのは、立場の異なる人々が戦時下でも演劇を通じて心を通わせていく様子だ。歌あり笑いあり涙あり。ままならない時代をそれでも懸命に生きる人々の姿が胸を打つ演劇讃歌だ。


お目当ての劇団に直接リーチできるMIRAIL

MIRAILは製作者・販売者から直接作品をレンタル・購入できる配信プラットフォーム。団体ごとにページがあるので、目当ての劇団がある場合などはリーチしやすいシステムになっている。ここではクーポン利用で視聴可能な作品を含む3作を紹介する。

二兎社による「ザ・空気」
二兎社による「ザ・空気」撮影/本間伸彦

1本目は、二兎社による「ザ・空気」(作・演出:永井愛/配信中)。現代日本の様々な問題や史実をモチーフに「考えるエンターテインメント」としての作品を提供し続ける二兎社。「ザ・空気」はテレビ局を舞台に、ある報道番組の特集内容を変更するよう迫る上層部と抵抗する現場、両者の対立を通して変わっていく「空気」を描き、2017年の上演当時は観客から「社会派ホラー」との声も。田中哲司、若村麻由美、江口のりこらの演技にも注目。
※クーポンコード【EPAD5nit】は、2月19日(日)23:59まで使用可能

【写真を見る】登場人物をすべて女性に置き換えて再構成した「ロミオとジュリエット」など。配信で見られるおすすめの舞台作品を、配信プラットフォーム別に一挙紹介!
【写真を見る】登場人物をすべて女性に置き換えて再構成した「ロミオとジュリエット」など。配信で見られるおすすめの舞台作品を、配信プラットフォーム別に一挙紹介!撮影/田中亜紀

2本目は、マームとジプシーによる「ロミオとジュリエット」(上演台本・演出:藤田貴大/配信中)。マームとジプシーはMIRAILでも4作品を配信。主要な登場人物をすべて女性に置き換えてシェイクスピアによる悲劇を再構成し、ロミオとジュリエットが死にいたるまでの5日間を「逆再生」で描きだす。大森伃佑子による舞台衣装、石橋英子、須藤俊明、山本達久による音楽にも注目したい。クーポンを使うと、同劇団による「ΛΛΛ かえりの合図、まってた食卓、そこ、きっと―」も合わせて視聴可能。こちらは劇団のオリジナル作品なので、見比べるのも楽しいかもしれない。
※クーポンコード【EPAD2mum】は、2月19日(日)23:59まで使用可能

2022年の岸田國士戯曲賞を受賞した、範宙遊泳による「バナナの花は食べられる」など、配信で見られるおすすめの舞台作品を一挙に紹介!
2022年の岸田國士戯曲賞を受賞した、範宙遊泳による「バナナの花は食べられる」など、配信で見られるおすすめの舞台作品を一挙に紹介!撮影/たけうちんぐ

3本目は範宙遊泳による「バナナの花は食べられる」(作・演出:山本卓卓/配信中)。演劇界の芥川賞とも呼ばれる、岸田國士戯曲賞の最新受賞作(2022年)が「バナナの花は食べられる」だ。いまの演劇がどういう感じかを知りたいという方は、まずはこの作品を見るのがいいかもしれない。マッチングアプリの客とサクラとして出会った二人の男は、意気投合して探偵を開業し、「人を救いたい」と諸悪の根源を探しはじめる。

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