“がむしゃらにやりきる”才能は一級品。「わた婚」で映画単独初主演を飾る、俳優・目黒蓮の歩みを振り返る|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
“がむしゃらにやりきる”才能は一級品。「わた婚」で映画単独初主演を飾る、俳優・目黒蓮の歩みを振り返る

コラム

“がむしゃらにやりきる”才能は一級品。「わた婚」で映画単独初主演を飾る、俳優・目黒蓮の歩みを振り返る

3月17日(金)公開の映画『わたしの幸せな結婚』にて、目黒蓮が映画単独初主演をはたす。同作は、シリ和650万部を突破した同名大ヒット小説の実写化で、大正ロマンを思わせる時代を背景に描く壮大なラブストーリー。静かで美しい日常を丁寧に描きつつ、身体を張ったアクションシーンや迫力の映像効果も見どころだ。

【写真を見る】「教場Ⅱ」「silent」を経て「わた婚」へ…目黒蓮の映像作品をプレイバック!
【写真を見る】「教場Ⅱ」「silent」を経て「わた婚」へ…目黒蓮の映像作品をプレイバック![c]2023映画『わたしの幸せな結婚』製作委員会

目黒が演じるのは、名家の当主であり、災いをもたらす存在“異形”から国を守る陸軍対異特殊部隊長の久堂清霞。周囲がうらやむ美貌の持ち主でありながら、数多の婚約者候補が逃げだすほど冷酷無慈悲と噂される人物だ。そんな清霞のもとに、厄介払いの形で嫁入りを命じられたヒロインの斎森美世を、ピュアな存在感でティーンを中心に絶大な支持を集める今田美桜が演じる。メガホンをとるのは「MIU404」や「最愛」など次々とヒット作を飛ばし、その巧妙な演出でキャラクターの心情を丁寧に描きだす塚原あゆ子。『コーヒーが冷めないうちに』(18)以来の塚原が手がける映画作品とあって、公開前から大きな話題を呼んでいる本作。本稿では、目黒の映画単独初主演に際し、彼の役者としての経歴を辿りながら、その魅力について考えてみたい。

いま最もトレンディな存在、目黒蓮

これまでの婚約者と明らかに様子が異なる美世に、最初から調子を狂わされる清霞
これまでの婚約者と明らかに様子が異なる美世に、最初から調子を狂わされる清霞[c]2023映画『わたしの幸せな結婚』製作委員会

ジャニーズの通例通り、舞台を中心に芝居の経験を積んできた目黒は、Snow Manとしてのデビュー以後、特に2021年を皮切りに映像作品への進出を本格化させた。2023年1月には『月の満ち欠け』(22)にて第46回日本アカデミー賞の優秀助演男優賞と新人俳優賞を、2月には第96回キネマ旬報ベスト・テンで新人男優賞を受賞。そのほか各テレビ誌が創設したドラマ各賞にも立て続けに選出された。わずか数年で人気俳優の仲間入りをはたした目黒は、いま最もトレンディな存在といっても過言ではない。

目黒が“役者”として世間に広く認知されたきっかけは、おそらく「教場Ⅱ」(2021年1月放送)への出演ではないだろうか。本作で目黒が演じた杣利希斗は、警察官になることを自ら望んだわけではなく、優秀ながらも冷めた態度の訓練生。しかし、恋人である同期の陶子(岡崎紗絵)の妊娠により、新しい家族を守るべく、警察官になることを改めて決意する。杣が心を決めたその瞬間から、目黒の表現はがらりと変わった。侮蔑ともとれるほど冷たく固まっていた表情は、ほどけてなおより一層引き締まり、恋人らしいシーンはなくとも、杣にとって陶子と生まれ来る我が子がいかに大切な存在であるかが、その眼差しから伝わってきた。派手な芝居ではないが、丁寧に心を表現する役者だということは、その当時から印象に残っている。


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