松山ケンイチ&長澤まさみ『ロストケア』で”殴り合いのような”対峙を振り返る「芝居の時間を共に過ごしたからこそ、わかちあえるものがある」|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
松山ケンイチ&長澤まさみ『ロストケア』で”殴り合いのような”対峙を振り返る「芝居の時間を共に過ごしたからこそ、わかちあえるものがある」

インタビュー

松山ケンイチ&長澤まさみ『ロストケア』で”殴り合いのような”対峙を振り返る「芝居の時間を共に過ごしたからこそ、わかちあえるものがある」

松山ケンイチ長澤まさみが初共演を果たし、連続殺人犯として逮捕された介護士と真相に迫る検事の対峙を描く社会派サスペンス映画『ロストケア』(公開中)。松山演じる介護士の斯波宗典は、自分がした行為は「殺人」ではなく「救い」だと主張。長澤演じる検事の大友秀美は、事件の真相に迫るなかで心を激しく揺さぶられていく。監督の前田哲が「とにかく2人の芝居を見てほしい」と絶賛する対峙シーンはどのように作り上げていったのか。松山、長澤に初共演の感想や緊迫の対決を含めた撮影時の心境を振り返ってもらった。

初対面から対峙する松山演じる殺人犯の斯波宗典vs長澤演じる大友秀美
初対面から対峙する松山演じる殺人犯の斯波宗典vs長澤演じる大友秀美[c]2023「ロストケア」製作委員会

「初対面から対峙していく関係性。長澤さんを知るのは後からでいいかなって」(松山)

――ついに初共演。お互いにどんな印象を持っていたのでしょうか?

松山「“スター”だなと思っていて。あと、本当にいろいろな作品、役をやっているという印象が強かったです」

長澤「確かに。いろいろな作品をやっていますが、それは松山さんも同じですよね、みたいなお話をしましたよね?」

対峙シーンでは「本当に殴り合いだった気がしたし、それができたのは本当に幸せ」と話した松山
対峙シーンでは「本当に殴り合いだった気がしたし、それができたのは本当に幸せ」と話した松山撮影/河内彩

松山「そうそう。長澤さんから『いろんなのやってますよね』と言われて。『いやいや、長澤さんもでしょ!』って思いました(笑)。共演前は自分が見て感じるものしか前情報としてはなかったけれど、せっかく斯波と大友として初共演で、初対面から対峙していく関係性だから、劇中のセリフややりとりだけで全部終わらせようと思っていました。長澤さん…いや、まーちゃんのことを知るのは、後からでいいかなって」

長澤「あははは、まーちゃん(笑)」

松山「こうやってインタビューをしていくなかで、まーちゃんが自分自身の言葉で話すのを初めて聞いています。芝居のなかで、大友としてのまーちゃんしか知らなかったから、まさにいま『こういう人なんだ』と知っていく最中なんです」


長澤「松山さんは本当にいろいろな役をやっていて、作品ごとに全然違う印象があるけれど、ご本人はすごく陽気な人というイメージが勝手にあって、現場に行くのを楽しみにしていました。本当はどんな人なのかなって。でも、撮影では本当にお互いに役に集中していたし、話し合ったわけじゃないけれど、自然と『しゃべらない』というスタンスになっていて。

その状態がすごく心地よかったし、お芝居をしていくなかでのやりとりで松山さんの冷静な部分も垣間見ることができました。監督とは『ケンちゃん』『てっちゃん』と呼び合っていて、すごく穏やかでフラットで自然体。だけど、すごく冷静な人という印象があっておもしろかったですし、一緒にお芝居をするのが楽しかったです」

大友は法の正義のもと斯波の信念と向き合っていく
大友は法の正義のもと斯波の信念と向き合っていく[c]2023「ロストケア」製作委員会

――撮影中は役としてお芝居で会話をしていたのですね。

長澤「インタビューでお互いに自分の言葉で話しながら、撮影を思い返したり、作品に対しての自分の思いなどを頭のなかでまとめたりしていると、すごく有意義な時間を共に過ごせていた感覚があります。お芝居をするのって不思議だけど、その時間を共に過ごしたからこそ、わかちあえるものがあります。

意見の交換だけがわかちあえる術じゃなくて、経験的なものによってお互いを認め合えたり、信頼関係を築くことに繋がったりするものだから、そういう時間を共に過ごしたことを思い返しながら、いい作品作りができたなと改めて実感しています」

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