『長ぐつをはいたネコと9つの命』トリビア7選!『荒野の用心棒』や『ウィッカーマン』へのオマージュも?|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
『長ぐつをはいたネコと9つの命』トリビア7選!『荒野の用心棒』や『ウィッカーマン』へのオマージュも?

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『長ぐつをはいたネコと9つの命』トリビア7選!『荒野の用心棒』や『ウィッカーマン』へのオマージュも?

前作『長ぐつをはいたネコ』(11)から10年以上の時を経て、スクリーンへと舞い戻った『長ぐつをはいたネコと9つの命』(公開中)。本作では、たくさんの名作映画にオマージュを捧げていたり、あのキャラクターの意外な登場シーンがあったりと、知っておくとさらに作品を楽しめるトリビアネタが満載だとご存知だろうか。本稿では、気になるトリビアを一挙紹介していく!

長ぐつをはいたお尋ね者の賞金首ネコ、プスにはかつて9つの命があった。だが数々の冒険や恋を経験するなかで、気付けばその数は最後の一つに。かくして家ネコになる決意をしたが、敵の急襲で平和な生活もままならない。そんな時、どんな願い事も叶う「願い星」の存在を聞き、仲間たちと共に新たな大冒険をスタートさせる。

作品に大きく影響しているのは、マカロニ・ウェスタンの雰囲気

マカロニ・ウェスタンの影響を大きく受けている『長ぐつをはいたネコと9つの命』
マカロニ・ウェスタンの影響を大きく受けている『長ぐつをはいたネコと9つの命』[c]2022 DREAMWORKS ANIMATION LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

本作は、マカロニ・ウェスタンと呼ばれるイタリア西部劇の影響を大きく受けて制作されている。なかでもセルジオ・レオーネ監督作からの影響が強く、冒頭で登場する“名前のなかったワンコ”は『荒野の用心棒』(64)、「夕陽のガンマン」シリーズでクリント・イーストウッドが演じた主人公の“名前のない男”が由来となっているとか。願い星を目指して進むプスたち一行が夕陽をバックに映し出されるキャラクターカットも、マカロニ・ウェスタンの雰囲気を漂わせている。

ゴルディと3匹のくまは、あのギャング映画の監督作から着想を得た!

童話「3びきのくま」の物語をベースにしたゴルディと3匹のくま一家
童話「3びきのくま」の物語をベースにしたゴルディと3匹のくま一家[c]2022 DREAMWORKS ANIMATION LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

「願い星」を狙う大泥棒一家、ゴルディと3匹のくまは、童話「3びきのくま」(もしくは「ゴルディと3びきのくま」)の物語をベースにしているが、本作でのキャラクターは、『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』(98)や『スナッチ』(20)といったギャングやマフィアを描くクライム映画の鬼才、ガイ・リッチー監督の作品から着想を得て作られている。

ベイビー・ベアの台詞には『ウィッカーマン』のオマージュが!

ベイビー・ベアの台詞はニコラス・ケイジ主演『ウィッカーマン』のオマージュ?
ベイビー・ベアの台詞はニコラス・ケイジ主演『ウィッカーマン』のオマージュ?[c]2022 DREAMWORKS ANIMATION LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

そんなゴルディの弟くま、ベイビー・ベアが劇中で口にする「ああ!ハチはやめてくれ!」という台詞は、サスペンス映画『ウィッカーマン』(06)で、主演ニコラス・ケイジがハチで拷問されるシーンで発する有名な台詞にオマージュを捧げているそう。ちなみにケイジは、本作を手掛けたジョエル・クロフォード監督の劇場長編デビュー作『クルードさんちのあたらしい冒険』(20)の主人公、グラグ・クルードの声を演じていたというつながりも。

隠れウルフを探せ!プスを狙う賞金稼ぎはこんなところにも

無敵のプスを恐怖に陥れた、最恐の賞金稼ぎウルフ。実は冒頭にも登場していた!
無敵のプスを恐怖に陥れた、最恐の賞金稼ぎウルフ。実は冒頭にも登場していた![c]2022 DREAMWORKS ANIMATION LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

映画の冒頭でプスが巨人と戦っている場面には、町の群衆がウェーブを行うショットがある。よく見てみると、そのなかで本作最大の敵であり、最恐の賞金稼ぎのウルフが路地に立ってプスをじっと見ているのだ!この時からすでにプスの死期を予期し、狙っていたのかもしれない。無敵のプスを恐怖に陥れたウルフの脅威に思わずゾクっとする隠れ登場シーンとなった。

プスの死に方には65通りものアイデアが。なかには日本らしいあの競技も?

本作の冒頭で命のストックがラス1となってしまったプスが、8つの命をどのようにして失ってきたのかを振り返るシーンがある。様々な死に方をしているプスだが、劇中で描かれたもの以外にも、なんと65通りもの死に方が考えられていたとか。なかには、日本を代表する競技である“相撲”の力士と戦い、命を落としたというアイデアも。本国で流された当初の予告映像では、力士に立ち向かって死んでしまうプスのシーンが使用されている。

モフモフ&フワフワのプスには約120万本の毛が!

【写真を見る】長ぐつをはいたネコことプスには、120万本もの毛が生えてるって知ってた?
【写真を見る】長ぐつをはいたネコことプスには、120万本もの毛が生えてるって知ってた?[c]2022 DREAMWORKS ANIMATION LLC. ALL RIGHTS RESERVED.


茶色のトラ模様がキュートな我らが主人公のプス。モフモフ&フワフワのネコの魅力が詰まったそのビジュアルを支えているのは、なんと約120万本もの毛!制作チームが丹精込めて1本1本プスに生やしたそう。

保護猫ハウスにいるネコは37種類で総数150匹!

保護猫ハウスにいるネコはなんと37種類!
保護猫ハウスにいるネコはなんと37種類![c]2022 DREAMWORKS ANIMATION LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

レジェンドの看板を下ろし、家ネコになることを選んだプスが転がり込んだのは、ママ・ルナの運営する保護猫ハウスだ。ネコになりすましたワンコもいた、あのにぎやかなハウスのなかを走り回るネコの総数はなんと150匹で37種類もの猫がいるとか。大のネコ好きとして知られ、本作で日本語吹替キャストとしても参加した中川翔子(ゴルディ役)も、「120万本もの毛」のトリビアを含め、猫へのこだわりには感心しきりで「ドリームワークスが本気になったらここまでできるんだ!」と驚愕したとか。

賞金首を引退し、家猫として暮らす決意をしたプスに様々な敵が忍び寄る!
賞金首を引退し、家猫として暮らす決意をしたプスに様々な敵が忍び寄る![c]2022 DREAMWORKS ANIMATION LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

映画を観る前の予習になることはもちろん、すでに映画を観た人ももう一度映画を観て復習したくなるようなオマージュやトリビアが満載の映画『長ぐつをはいたネコと9つの命』。第95回アカデミー賞長編映画賞にもノミネートを果たした確かなクオリティで、映画ファンをうならせること間違いなしの本作をぜひ大スクリーンでご覧いただきたい。

文/山崎伸子

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