カリスマティックな女優、キム・ダミ。その名を不動にした“魔女ユニバース”ダーク・ヒロインから28歳の現在地まで|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
カリスマティックな女優、キム・ダミ。その名を不動にした“魔女ユニバース”ダーク・ヒロインから28歳の現在地まで

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カリスマティックな女優、キム・ダミ。その名を不動にした“魔女ユニバース”ダーク・ヒロインから28歳の現在地まで

パク・フンジョン監督『THE WITCH/魔女 ―増殖―』(5月26日公開)は、昨年韓国で公開されるや否や製作費の3倍を超える大ヒット作となり、しばしばささやかれる「大ヒットの次作は失敗する」という“2年目のジンクス”を吹き飛ばした。彼が創造した“魔女ユニバース”の哲学を体現してきたのが、第一作『The Witch/魔女』(18)で主役を務めたキム・ダミだ。

天使と悪魔の表情を行き来するキム・ダミの演技が話題を呼んだ『The Witch/魔女』
天使と悪魔の表情を行き来するキム・ダミの演技が話題を呼んだ『The Witch/魔女』[c]Everett Collection/AFLO

4月9日に28歳の誕生日を迎えた彼女は、一重まぶたの奥に輝く神秘的な瞳に、170㎝のスタイルが醸す堂々としたオーラというルックスはもちろん、バイオレンス・アクションからラブロマンスまで難なくこなす、抜群の演技スペクトルを持つ。今回は、韓国の若手俳優陣をリードするライジングスターとして必ず挙げられる彼女の魅力を、主要フィルモグラフィーと共にご紹介したい。

異才、パク・フンジョン監督の世界観を完成させたキム・ダミ

任務と絆の狭間で揺れる男たちをドライなルックとエモーショナルなドラマに仕上げた『新しき世界』(13)で、その才能を知らしめたパク・フンジョン監督。エネルギッシュだがどこか荒涼としている世界観は、キム・ダミと出逢ったことで『The Witch/魔女』(18)としてさらに拡張された。

ク・ジャヨンは平凡な高校生だが、実は秘められた力を持っていた(『The Witch/魔女』)
ク・ジャヨンは平凡な高校生だが、実は秘められた力を持っていた(『The Witch/魔女』)[c]Everett Collection/AFLO

謎の事故で壊滅的な打撃を受けた施設から、一人の少女(キム・ダミ)が命からがら逃げ出した。力尽きて倒れていた彼女は、優しい老夫婦に救われ、ジャユンと名付けられて大切に育てられる。ごく普通の高校生に成長したジャユンは、親友ミョンヒ(コ・ミンシ)と芸能オーディションを受けにソウルへ向かう途中、謎の男ゴンジャ(チェ・ウシク)に遭遇する。実はジャユンには、隠された秘密があった。

覚醒する瞬間のク・ジャヨンに注目(『The Witch/魔女』)
覚醒する瞬間のク・ジャヨンに注目(『The Witch/魔女』)[c]Everett Collection/AFLO

一見平凡なキャラがモンスターだったという、バイオレンス・アクションにおける王道のストーリーである『The Witch/魔女』を桁違いの快作に仕立てたのは、紛れもなくキム・ダミの怪演だった。ジャユンと同じ施設で育ったゴンジャは、彼女に強い怨みを抱いている。ゴンジャと初めて対峙するシーンでは、ジャユンは目に涙を溜めて恐怖におののくが、純粋な顔からデーモニッシュな横顔へ覚醒した瞬間、殺人マシーンとして躍動する。本作の俳優陣は相当アクションへの鍛錬を積んだそうだが、彼女はそうした目に見えるインパクト以上に、微細な表情変化で観客を圧倒する。キム・ダミは、“魔女”として目を覚ましたジャユンと女子高生のジャユン、どちらが本物なのかという質問に対して、「両方とも本来の姿だと考えて演じていた」と明かしている。この二面性を、瞬時にスイッチできる才能が恐ろしい。

前代未聞なソシオパスのヒロイン!「梨泰院クラス」でキム・ダミが魅せた貫禄

キム・ダミが見せる一瞬の変身は、ハードな作品以外でも精彩を放つ。彼女が一躍韓国ドラマファンの注目を集めたのは、「梨泰院クラス」だった。青年パク・セロイ(パク・ソジュン)が、父の命を奪った外食産業の大手、長家グループの会長チャン・デヒ(ユ・ジェミョン)とその息子へ復讐を果たすため、ソウル有数の繁華街、梨泰院を舞台に仲間と協力して業界のトップを目指していく成長物語だ。

コロナ禍の鬱屈を吹き飛ばし、新たな韓国ドラマファンを獲得した「梨泰院クラス」
コロナ禍の鬱屈を吹き飛ばし、新たな韓国ドラマファンを獲得した「梨泰院クラス」[c]Everett Collection/AFLO


キム・ダミの演じたチョ・イソはあまりにも斬新なキャラクターだった。有名インフルエンサーでIQ160の天才である一方、良心の欠けた言動や行動をしてしまうソシオパスで、そのあまりにも共感できない姿で強烈な印象を抱かせる。ひょんなことから知り合ったパク・セロイの実直さに戸惑いと苛立ちを感じながらも、次第に変化していく自身の感情を眼差しの揺らぎだけで表現した。「私があなたを幸せにする」とセロイへ伝える真っ直ぐさもいい。なによりも、長家に乗り込むシーンのラスボスのようなカリスマ性に痺れる。どれほどエキセントリックで危険なチョ・イソでも、その魅力にどうしようもなく目を奪われてしまう。

パク・セロイもまた、チョ・イソが秘めていた純粋さに惹かれていく(「梨泰院クラス」)
パク・セロイもまた、チョ・イソが秘めていた純粋さに惹かれていく(「梨泰院クラス」)[c]Everett Collection/AFLO

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