人気エピソード待望の実写化『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-』、映しだされた社会構造の歪み『ヴィレッジ』など週末観るならこの3本!|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
人気エピソード待望の実写化『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-』、映しだされた社会構造の歪み『ヴィレッジ』など週末観るならこの3本!

コラム

人気エピソード待望の実写化『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-』、映しだされた社会構造の歪み『ヴィレッジ』など週末観るならこの3本!

週末に観てほしい映像作品3本を、MOVIE WALKER PRESSに携わる映画ライター陣が(独断と偏見で)紹介します!
週末に観てほしい映像作品3本を、MOVIE WALKER PRESSに携わる映画ライター陣が(独断と偏見で)紹介します!

MOVIE WALKER PRESSスタッフが、いま観てほしい映像作品3本を(独断と偏見で)紹介する連載企画「今週の☆☆☆」。今週は、閉鎖的な世界で生きる孤独な青年を通し現代社会の闇を映しだすヒューマンサスペンス、愛する人を救うためリベンジに挑む青年を描いた漫画の実写映画第2章、1980年代のパリを舞台にとある家族の7年間を映すヒューマンドラマの、人とのつながりにスポットを当てた3本。

東卍結成メンバー6人の絆を引き裂いた過去…『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-』(公開中)

マイキー率いる東卍結成メンバーの悲しい過去に迫る『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-』
マイキー率いる東卍結成メンバーの悲しい過去に迫る『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-』[c]和久井健/講談社 [c]2023映画「東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編」製作委員会

“もっとも泣ける“原作の人気エピソードを、前作の撮影時からその映画化を熱望していたスタッフ、キャストが再結集し実現させた待望の新章2部作の第1弾。タケミチ(北村匠海)が救ったはずの恋人ヒナタ(今田美桜)が、彼の目の前で凶暴化した東京卍會によって再び殺される。なぜだ?未来は変わっていなかったのか⁉新たな悲劇の謎を解き、ヒナタをもう一度救うために、タケミチは東卍結成メンバー6人の絆を引き裂いた過去の悲しい事件の現場に向かうが…。物語の鍵を握る東卍結成時のメンバー、場地役と一虎役で永山絢斗村上虹郎が新たに参戦!さらに東卍の参番隊長キサキに間宮祥太朗が、壱番隊副隊長の千冬に高杉真宙が扮し、東卍と敵対する芭流覇羅に狂気のNo.2として君臨する半間を清水尋也が怪演する。

タケミチは今度こそヒナタを救うことができるのか?親友だったはずの東卍結成メンバー6人はなぜ分裂し、血の激闘を繰り広げることになったのか⁉そのとき東卍総長マイキー(吉沢亮)やNo.2のドラケン(山田裕貴)がとった行動は⁉すべての謎に迫る、熱い男たちのドラマをさらに濃く描くこの前編は、シリーズ史上最も激烈な後編『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -決戦-』のバトルへとつながる壮大なプロローグだ。エンドクレジット後に用意された、『決戦』に導く重要なシーンも見逃すな‼(映画ライター・イソガイマサト)

負のスパイラルに囚われてしまった一人の男…『ヴィレッジ』(公開)

閉ざされた世界でもがく青年を通して現代社会の抱える闇を描く『ヴィレッジ』
閉ざされた世界でもがく青年を通して現代社会の抱える闇を描く『ヴィレッジ』[c]2023「ヴィレッジ」製作委員会

今回が6度目のタッグとなる藤井道人監督×横浜流星主演で贈る本作は、現代社会の縮図でもある閉ざされた村で、逃れられない“縁“によって負のスパイラルに囚われてしまった一人の男の変容を克明に記す衝撃のドラマ。昨年他界したスターサンズの河村光庸がプロデューサーを務め、貧困、学歴格差、同調圧力、異質なものへの不寛容など、世にはびこる社会構造の歪みを幻想的な映像美とともに描きだす。

舞台となった霞門村には古くから「能」が伝統芸能として行われ、中国故事「邯鄲の枕」、「一炊の夢」を題材にした題目「邯鄲」がメタファーとして物語を貫くが、もう一方でこの文化が象徴するのは“継承“だ。主人公である片山優は、過去に家族が犯した罪を一身に背負い、自分の居場所を見つけられずに生きてきた。そんな容易には這い上がれないムラ社会の底辺であがいていた青年が、初めて手にした幸せをかみしめる光明シーンから一転、ダークサイドへと堕ちていく姿に胸が痛む。闇落ちした優をこれまでの役者人生のすべてを注力した横浜がすさまじい熱量で具現化。その覚醒っぷりを堪能するとともに、河村プロデューサーの遺志を受け継いだ藤井監督が、新たに本作に託したメッセージをかみしめたい。(映画ライター・足立美由紀)


ラジオが愛されていた旧き良き時代…『午前4時にパリの夜は明ける』(公開中)

1980年代のパリを舞台にとある家族の7年間を紡ぐ『午前4時にパリの夜は明ける』
1980年代のパリを舞台にとある家族の7年間を紡ぐ『午前4時にパリの夜は明ける』[c] 2021 NORD-OUEST FILMS – ARTE FRANCE CINÉMA

1981年、パリ。パートナーと別れた元専業主婦のエリザベートが見つけた職は眠れない夜に聞いていたラジオ番組のアシスタントだった。繊細な主人公、エリザベートをシャルロット・ゲンズブールが丁寧に慎重に演じているのが印象的。ラジオを介して出会う、同じように傷だらけで孤独な少女タルラと次のステップに進むために、なくてはならなかった二人の休息の時間が優しく描かれ、年齢の違う彼女たちの友情が心に染みる。

ラジオのカリスマ・パーソナリティを迫力で演じているのはゲンズブール同様、80年代から活躍しているエマニュエル・ベアール。ストーリーはエリザベートたちが活動する夜から明け方にかけての時間帯を中心に描かれ、落ち着いた色彩や街の灯り、登場人物たちの話し声もまるで囁くようで、ラジオが愛されていた旧き良き時代の静かで緩やかな時の流れに満たされてゆく。(映画ライター・高山亜紀)

映画を観たいけれど、どの作品を選べばいいかわからない…という人は、ぜひこのレビューを参考にお気に入りの1本を見つけてみて。

構成/サンクレイオ翼

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