メンズルックを総まとめ!メットガラのレッドカーペットで最もハンサムなスタイルを見せたのは?
階段で“引きずる”ことも計算し尽くされたバッド・バニーのスタイリングもお見事!
●デレク・ブラスバーグ
主催のヴォーグが生中継した動画のプレゼンターを務めたブラスバーグ。普段はファッション関連コンテンツを放映するテレビ番組などで活躍している。ブラスバーグのルックも、超定番なブラックのタキシード。だけど、胸元にはCHANELのアイコニックなモチーフであるカメリアのジュエリーが。
プレゼンターである限り、ゲストを迎える立場なので、自分が(ファッションで)目立つ必要はない。ドレスコードやTPOには自分の立場の考慮も含まれるから、これぐらいの演出がパーフェクトといえる。
●バッド・バニー
プエルトリコから世界へ躍り出たラッパーのバッド・バニーは、日本を舞台にしたブラッド・ピット主演『ブレット・トレイン』(22)で俳優デビューも果たし、4月にコーチェラでのパフォーマンスを終えたばかり。超人気モデル、ケンダル・ジェナーと付き合っているのではないかと噂されて、一挙一動が注目されるのも人気セレブの証といえる。
そんな快進撃が止まらないバッド・バニーは、ラガーフェルドによるデザインの真骨頂テーマである、ドラマティックを余すことなく表するジャックムスのデザインでレッドカーペットへ。シャツ、タイ、シューズもオールホワイトで、ジャケットはシングルブレストですっきりまとめた。そのおかげで、両袖から伸びるフラワーの付いたケープが引き立ち、全体をより一層ゴージャスなものへアップグレードしている。メットガラの“レッドカーペット”は、階段であることが通例。バックレスゆえ大きく開いた背中の、「J」のロゴのついたジュエリーにしても、階段にて“引きずる”ためのケープにしても、計算され尽くしていて、とても魅惑的!
●ブライアン・タイリー・ヘンリー
同じく『ブレット・トレイン』で愛すべきキャラ、レモンを演じたヘンリー。2017年春のクチュールコレクションからインスパイアされたという、まるで『ブレット・トレイン』さながらのエネルギッシュなコーディネートを披露。仰々しいまでのラッフル(しわくちゃが語源の、服の縁につけたひだ飾りのこと)がついたブラックのケープがコーデの主役。
「いろんな要素をミックスして、新しいものを生み出せたらいいな、と思った」とルックについて語り、「それで、ファッションを通じて自分を表現する。自分ってものをスタイリングに落とし込む。それがファッションの楽しさ、装うってそういうことじゃないの?」とコメントしたヘンリーは、このメットガラのテーマとドレスコード、つまりラガーフェルドが残した“モード界の帝王”学を、最も理解していた一人ではないだろうか。
文/八木橋 恵