編集部員が“シークレット試写会”に潜入!ホラー映画は、コミュニケーションのきっかけになる?
ホラー映画は、苦手な人ほど会話のきっかけになり得る
2問目と3問目の間に、ちょっとした歓談タイムが設けられた。僕らのチームの話題は、好きな映画や最近観た映画の話題。『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』(公開中)や『東京リベンジャーズ 血のハロウィン編-運命-』(公開中)など、次々と挙がる話題作のタイトル。ここに来ているのは、やっぱり映画が好きな人たちばかりだ。「ホラー映画も好きなんですか?」と訊いてみると、みな一様に苦笑いのような顔をした。ホラー好きというのは、やはり少数派なのだろう。
興味深かったのは、休憩終わりの3問目。とある登場人物が劇中で何番目に犠牲になったのかという問題だ。誰がどう犠牲になるのか隈なくチェックする、僕のようなホラーファンにとってはサービス問題だが、先ほどホラーが苦手だと言っていたチームメイトたちも、すらすらと犠牲者を順番に挙げていく。「すごいですね。なんで全部覚えているんですか?」と訊いてみると、「怖いから逆に印象に残っているんです」と返ってきた。これまで怖いのが苦手な人たちとホラーの話をしたことなんてなかったので、これは目から鱗だった。
そして最終問題はラストシーンにまつわる数字問題。ヒントのおかげですんなりと答えが出たので、答え合わせの時間までラストシーンの解釈についてひとしきり盛り上がった。ここではあまり詳しく書けないが、『忌怪島/きかいじま』の2つの世界が入り混じったSF仕立ての展開は、きっと観る人によって解釈が分かれることだろう。僕が体験したように、知らない相手とでも会話が広がるきっかけとなるのだから、友だち同士やデートで観に行けばもっと盛り上がることは確実だろう。
結局僕らのチームは、2問目を落としたこともあって優勝できなかったが、映画を観て誰かと話すことの楽しさも体感できたので、イベントの満足度はかなり高かった。ホラーやミステリーといったジャンルの映画は特に、自分がどう思ったかを話し合うのに適しているし、こんなに会話が盛り上がるものだとは思わなかった。
イベント終了後、別のチームが全員で2次会に行こうと出ていった。僕もチームメイトを誘ってみようかと迷っていた矢先、同じチームだった女性が、別のチームで参加していた友人と一緒に2次会に行きませんか?と声を掛けてくれて、そのメンバーで2次会に行くことになった。
イベントを振り返ってみると、映画好きな人との会話ならば、初対面であっても、異性であっても分け隔てなく盛り上がれたし、なにより観終わった直後にディスカッションをするのは楽しかった。それは上映作品がホラー映画だったからかもしれないが、とりわけ『忌怪島/きかいじま』は男女の感じ方の違いを話し合えたり、結末について会話がはずんだりと仲を深めるきっかけに有効だったと思う。友達や恋人との会話のきっかけを探している方、ホラーは苦手…と食わず嫌いをせずに、誘い合わせて劇場に行ってみてはいかがだろう。
取材・文/編集部