最新作が楽しみすぎた風間俊介が、“ビートルジュース愛”を語り尽くす!「積み重ねてきた年月が、映画のなかに閉じ込められている」
「人間は変化したことを描きたいけれど、どこかで変化していないことを望んでいたりもします」
ビートルジュース役のキートンについては、「前作の後に撮り溜めておいたのかって思うほどでした。マイケル・キートンに36年は関係ありません!」と、まさに”この世のものではない“キートンの表現力を大絶賛。「キャストが続投と聞いて、喜びと同時に『大丈夫?』と思った人もいるはずですが、ちゃんとビートルジュースなので安心してください。前作でアカデミー賞メイクアップ賞を受賞した系譜もあるし、現代技術をたくさん導入しているはずではありますが、それを全部差っ引いても、すばらしかったです。だって、マイケル・キートンっていま、73歳。『いやいやいや』って思うじゃないですか。やっぱりビートルジュースが年を取っていたらダメですもんね。一瞬だけ月日を感じるシーンが実はあったのですが、それは、僕たちがあれから36年経っていて、マイケル・キートンは73歳だと思って観ているからですね」。
俳優や声優などで長年活躍し続けている風間に、長い期間にわたって同じ役を演じるおもしろさや難しさを聞くと、「僕が思い描いている年齢の取り方と、役としての年齢の取り方、観てくださる人たちが望んでいる年齢の取り方の“間”を、どう探ればよいのかが僕のなかでのポイントになっています」と役へのアプローチを明かす。
「人間は変化していくものだから、変化したことを描きたいけれど、どこかで変化していないことを望んでいたりもします。現実世界は時の流れがあるけれど、例えば『ビートルジュース』での死後の世界では、あの時(前作)からなにも変わっていないはずです。だから今回も、映画には出てきていないけれど、この世界のどこかに存在しているんだろうなというキャラクターの空気も感じられました。変わった世界と変わらない世界が混在している。35年経って変化している世界を見たいと思いながら、変化していない世界を見たいというファンにとってはベストな役割分担になっています」と、芝居をする上での自身のアプローチと重ねて、本作の世界観について分析していた。
アニメ「遊☆戯☆王デュエルモンスターズ」の武藤遊戯役を20年以上演じ続けている風間。久々に出演する際は、ある種のお祭りのような感覚があるそうで、『ビートルジュース ビートルジュース』ではファンとしてのお祭り感も実感できたとのこと。「遊戯役は、1回出演すると10年くらい空くこともあるので、やらせてもらえるのはシンプルにうれしいし、ある種お祭りのような気分になるんですよ。だから、『ビートルジュース』の続編あるよと聞いた時もファンとしてそんな気持ちになりました。作品が愛されているからこその新作、続編。と同時に、間が空けば空くほどファンのみんなは最初に打ち立てられたものを擦りに擦りまくるから、だんだんシビア感が増してくる。今回で言うなら、“俺たちの『ビートルジュース』感”が年々増したはずで、作るのにも勇気がいると思います。そして、だからこそ喜んでもらいたいという作り手側の気持ちもとてもわかります…」と長年愛される作品に出演する側、そして、長年愛する作品のファンとしての想いを明かしてくれた。
「ティム・バートンが見出す人たちは本当に最高」
キートン、ライダー、オハラの続投組に加え、本作ではバートン監督作品らしい個性が強すぎる新キャラたちも存在感を放っている。ジェナ・オルテガが演じるアストリッドについては、「超常現象を望んでいるけれど、実際に起きたそれは思っていたのと全然違っていたというある種のナンセンスさが魅力だった前作。この超常現象に対して懐疑的なキャラクターとしてリディアの娘が登場する。この塩梅がすごくすてきだと思いました」
インタビュー中に手にした資料で、同じくバートンが手掛けたNetflixオリジナルドラマ「ウェンズデー」でオルテガがウェンズデー・アダムスを演じたことを知った風間は、「どうりで!死後の世界に囚われたアストリッドの目の下のクマ、表情や動きの一つ一つに、堂に入っている感があったから(笑)」と膝を打つ。「ウィノナ・ライダーはもちろん、ヘレナ・ボナム・カーターもそうですし、今回のジェナ・オルテガといい、ティム・バートンが見出す人たちは本当に最高ですよね」と、時代時代で作品を彩るミューズを見出すバートンの手腕を称賛していた。
そして、アストリッドが出会う近所に住むミステリアスな青年、ジェレミーもお気に入りであるとのこと。「めちゃくちゃすてきでした。出てきた時はぼくとつとしていて、田舎の男の子って感じなのに、あるシーンから違和感が出始めて、最後のほうの演技や表現はすごいと思いました」と、本作で映画俳優としてデビューを果たしたアーサー・コンティの芝居を絶賛していた。