迫力のお祓いシーンや飛び散る血しぶき、暗闇の中の熱風!『破墓/パミョ』の恐怖をより味わうなら4DX鑑賞がおすすめ

コラム

迫力のお祓いシーンや飛び散る血しぶき、暗闇の中の熱風!『破墓/パミョ』の恐怖をより味わうなら4DX鑑賞がおすすめ

※以下の記事は『破墓/パミョ』の後半のシーンに関する内容を含みます。鑑賞前の方はご注意ください。

観客動員約1200万人の大ヒットを記録した2024年韓国No.1の大ヒット作である『破墓/パミョ』が公開中だ。2人の巫堂(ムーダン=朝鮮半島のシャーマン)と風水師、葬儀師が掘り返した墓に隠された恐ろしい秘密を描くサスペンススリラーだ。

第74回ベルリン国際映画祭でワールドプレミア上映され、世界133か国での公開が決定。第60回百想芸術大賞では、監督賞、主演女優賞、芸術賞、新人男優賞に輝き、先日開催された第57回シッチェス・カタロニア国際ファンタスティック映画祭で審査員特別賞を受賞するなど、国内外を熱狂の渦に包み込んでいる。10月10日に開催されたジャパンプレミアには、来日したチェ・ミンシクキム・ゴウンチャン・ジェヒョン監督が登壇した。

 墓を掘り起こす=破墓を決行した風水師サンドクら4人に不可解な出来事が相次ぐ
墓を掘り起こす=破墓を決行した風水師サンドクら4人に不可解な出来事が相次ぐCOPYRIGHT (c)2024 SHOWBOX AND PINETOWN PRODUCTION ALL RIGHTS RESERVED.

物語は、巫堂ファリム(キム・ゴウン)と弟子のボンギル(イ・ドヒョン)は、跡継ぎが代々謎の病気にかかるという大富豪一族から、高額の報酬での依頼を受けるところから始まる。先祖の墓が原因であることが判明すると、お金の臭いを嗅ぎつけた風水師サンドク(チェ・ミンシク)と葬儀師ヨングン(ユ・ヘジン)も合流し、お祓いと改葬を同時に行うことにした4人が墓を掘り返した矢先、不可解な出来事が彼らを襲う。

墓に封印されていたなにか=“ヤバいもの”とは!?その正体を探っていくドキドキ感、さらには映画全体に流れる不穏な空気。なんともいえない怖さを最大限に味わうなら、4DXでの鑑賞がおすすめだ。

まずは、映画公開前から話題を集めていた“テサルお祓い”のシーン。 “テサルお祓い”では、5匹の豚を供え物とし、巫堂ファリムがお祓いを行う。青い服に身を包んだファリムが、白い服を着て祈祷を捧げるボンギルに合わせて、刀を振り回し踊りながら奇声を上げ、体を震わせて一種のトランス状態へと入っていく。その後、ヨングンの合図で改葬が始まるという一連の流れでは、鳴り響く太鼓のリズムの振動をお腹あたりに感じ、時折首のあたりには風が吹き込むので、まるで自分のなかになにかが入ってくるような感覚になる。太鼓の音も、その大きさとスピードで心拍数が上がり恐怖感を高めていく効果を発揮。師弟コンビを演じるキム・ゴウンとイ・ドヒョンの圧巻の演技も相まって、普通の人では体感できない世界を行き来する巫堂の特異性を体感できるシーンとなっている。

血しぶきが飛び散るシーンでは顔に水がかかる演出が!
血しぶきが飛び散るシーンでは顔に水がかかる演出が!COPYRIGHT (c)2024 SHOWBOX AND PINETOWN PRODUCTION ALL RIGHTS RESERVED.

4DXで怖さが増すのは、血しぶきが飛ぶシーン。4DX鑑賞時には雨や海のシーンなどで水の演出で没入感が味わえるのもひとつのポイントだが、本作では血しぶきのシーンで水の演出を体感できる。これがかなり怖い。水が顔にかかるたびに、触って色を確かめたくなるのだが、当然ながら場内が暗いため、その色を確認することはできないので、怖さが増していく。スクリーンでは徐々に“ヤバいもの”の正体が明らかとなり、目に見える怖さがどんどん増していくなか、シートの揺れと顔にかかる水しぶきがさらに臨場感を高めていく。

熱風の演出も後半のある展開で恐怖心を抱かせる。加えて、夜のシーンが多くなるため画面が暗く、怖さをより引き立てる。炎が舞うシーンでは画面が明るくなりホッとしたのも束の間、不規則なリズムで熱風を浴びせられる演出に驚いてしまう。墓から出てきた“ヤバいもの”が、手でとある人物の体を突き刺すシーンでは、背後からズドンと襲われる衝撃も。観る人の体格によって、衝撃をどこに感じるかには少々ズレは発生するとは思うが、まさに抉られているような気持ちの悪い感覚も味わうことができる。

【写真を見る】夜のシーンが増える後半の展開では熱風の演出が恐怖を引き立てる!
【写真を見る】夜のシーンが増える後半の展開では熱風の演出が恐怖を引き立てる!COPYRIGHT (c)2024 SHOWBOX AND PINETOWN PRODUCTION ALL RIGHTS RESERVED.

個人的な体感ではあるが、4DXでは恐怖度がかなり増すため、怖いものが苦手な方は通常版で一度鑑賞したり、ある程度4DXの演出情報を入れてから挑むのがおすすめ。ちなみに、本作を通常版で数回鑑賞し、ホラー作品は得意なので怖さはそこまで感じていなかったという鑑賞者からは「4DXで初めてこの作品の本当の怖さが分かったかも」との感想も飛び出した。4DXでホラー作品を観るのが初めてという鑑賞者からは「怖さが増して、画面を観ていない瞬間が何度もあった」との声も。スクリーン前にモクモクと出るスモークや場内の光の演出なども様々なシーンで恐怖心を煽る。鑑賞後には気になった4DX演出についてそれぞれの視点からワイワイ語るのも楽しいエンタテインメント作品となっている。

『破墓/パミョ』4DX上映は全国 45 劇場で実施(写真はUSシネマ木更津)
『破墓/パミョ』4DX上映は全国 45 劇場で実施(写真はUSシネマ木更津)COPYRIGHT (c)2024 SHOWBOX AND PINETOWN PRODUCTION ALL RIGHTS RESERVED.


ジャパンプレミアでは風水師を演じたミンシクが「風水には馴染みがあった」とコメントし、風水の情報や特別な役作りはしていないとしていたが、風水に馴染みがないという方は解禁中のキーワード映像をチェック!キャラクターとキーワードが本編映像の一部と共に分かりやすく紹介し、『破墓/パミョ』の世界観をより深く味わえる内容となっているのでおすすめだ。前半は不穏な雰囲気を漂わせ、後半はホラーテイストたっぷりに二転三転する物語。迫り来るなにか、その恐怖心を存分に堪能するなら4DXでの鑑賞にもトライしてみてはいかがだろうか。

文/タナカシノブ


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