中島健人がmiletに驚嘆「ああいう走り方をするのはmiletかトム・クルーズくらい!」『知らないカノジョ』完成披露試写会
中島健人主演、映画初出演のmiletがヒロインを演じる映画『知らないカノジョ』が2月28日(金)に公開される。本作の完成披露試写会が1月22日にイイノホールで開催され、中島、milet、桐谷健太、風吹ジュンらメインキャストと三木孝浩監督が登壇した。中島たちは互いの撮影秘話を披露しあい、大いに盛り上がりを見せた。
本作は、ある2人の男女が恋に落ちてから8年、喧嘩してしまった翌朝に、“2人が出会わなかった世界”が始まるというファンタジックなラブストーリー。“本当の愛”を知っていく主人公の神林リクを演じる中島は「僕の劇場映画に出てきた人生のなかで、こんなに愛で笑い、愛で泣いたことは初めてだと思います。“誰かを思う大切さ”をみなさんにお届けしたいと思っています」と挨拶。ヒロイン、前園ミナミを演じるmiletは「私自身、初めての映画挑戦になりました。その映画がこんなに愛であふれて、三木監督、そして中島健人さん、みなさんに囲まれてとても温かいスタートを切ることができて、とてもうれしく思います」と笑顔で語った。
また、本作への参加で1つの大きな夢が叶ったという中島は「ついに念願の三木組に入ることができました」と目を輝かせる。三木監督も10年前から中島と仕事をしたかったと明かし「パブリックイメージ的にはパーフェクトアイドルなんですけど、弱さだったり、“素”の中島健人ってこんなにキュートなんだっていうところがたっぷり撮れていると思うので、ぜひそこを見ていただきたいなと思います」とアピール。
中島も「ナチュラルな部分が赤裸々に切り取られているので、正直、見られるのが恥ずかしいです。(本作を見た際に)俺ってこんな表情していたんだって。すっぴんを見られるくらいの恥ずかしさがありました」と照れ笑いを浮かべつつ、「自分のありのままをしっかりと表現したので、自分の中では見たことがない自分に辿り着けた気がするし、それが自分の素だったのかもしれないので、それを三木監督に引きだしてもらえて嬉しかったですね」と声を弾ませた。
そして、シンガーソングライターのmiletは、役者としての出演オファーについて「最初は主題歌のお話かなと思ったら出演側だったので不安な気持ちもあったんですけど、前に一歩踏み出す勇気を三木監督がくださったので、怖いものはないと思ってその船に乗りました」と回顧する。撮影の約1年半前から演技のレッスンを受けたそうで「歌手としての人生の“もしもの世界”は、私にとってはこっちかなと思いました。私もミナミを通して新しい人生を見つけることができて、いままでにない経験をさせていただけたなと思います」と感慨深げに語った。
miletは主題歌「I still」や劇中歌「Nobody Knows」の制作に加え、劇中では歌唱シーンにも挑戦したが「1人で作るよりももっと大切な曲になったし、それをスクリーンの中で歌うことができて、リクだったり大切な人に届けることができて、この歌はmiletのものではなくて、もっといろんな方にとっての大切な曲になっていくんじゃないかと思いました」と期待を寄せた。中島は「何度聞いても涙腺を緩まされるというか、今回の『I still』に関してはミナミというフィルターを通して制作されているので、よりイノセントで違った形で耳に入ってくるというか、撮影中、何度も心を揺らされ、涙した記憶があります」と大絶賛した。
リクの親友で先輩の梶原恵介を演じる桐谷は、『ソラニン』(10)、『くちびるに歌を』(15)に続いて3度目の三木監督作品出演となり、中島とは『ラーゲリより愛を込めて』(21)で共演し、親交が深いそう。三木監督は「健太兄貴は本当に頼れる」と舌を巻き、中島は「僕のパーソナルな部分をプライベートでもお話ししている兄貴なので、逆に作品の中でもウソのない感情で接していて、台詞もナチュラルに会話できたし、キリケンさんに会えるというのがうれしかったです」と笑顔を見せた。桐谷は「『どうやら最初のほう、大学生(役)らしいで』って!大学生は“もしも”というより“まさか”と思いましたね」とコメントして会場の笑いを誘い、「フタを開けたら4浪をしている設定になっていましたが、やりがいがあるなと思いましたよ」と胸を張った。
ミナミの祖母、前園和江を演じた風吹は、本作を観て「感動で涙が止まらなかった」と絶賛する。中島とmiletとは初共演だったそうで「素敵な2人と出会えて、ミナミとリクがかわいくて幸せな時間でした」と目を細め、miletについては「演技の勉強をされたって初めて聞いて、必要なかったんじゃないかっていうほどすぼらしい女優さんでした!」と語り、中島については「誠実な演技をされていて、キャラクターとご本人のイメージが違う部分がいっぱい表現されていました。違う中島さんを見た感じです」と称えた。
また、三木監督は「ラブストーリーって、主人公とヒロインの相性を大事にしているんですけど、2人ともアーティスト活動をしているので、共鳴し合う部分がすごく多かったです」と振り返ったが、中島が行き詰まってしまう場面があったとか。中島は「三木監督がほしい表情がなかなかできなくて僕も困っていて、本番の直前まで悩んでいたらmiletちゃんから直前に『リク、私たちは愛し合っていたんだよ』って言われ、『本番、ヨーイ!』で号泣しちゃって。とてつもないお芝居の力を目の当たりにし、(miletと)いい演奏ができた気がしますね」と言うと、miletも「すごくきれいな涙でした」とうなずいた。
本作のタイトルにちなみ、共演者同士の知らないタレコミを暴露し合うことに。三木監督はリハーサルで、中島を会場から退場させたと明かし「ミナミが登場しただけで(中島が)もうウルウルしてるんですよ。これは本番前なのにやばいぞってなって『出ていって』って言いました」と説明。中島は「僕が感情移入をしすぎたせいで、ミナミを見るだけで泣いてしまうような状態でした(笑)。家に帰ってから気持ちを作りなおして、本番に挑んだんですが、涙の調節が大変なくらい、歌の力で涙を引きだされてしまいました」と語った。
続いて、“アドリブでチュー?”というタレコミを暴露した桐谷は「僕が演じる梶原がいい案を出して、リクが喜ぶというト書きでしたが、(中島に)テストからいきなりチューされて、大胆な子だなって思いました。初めましてだったら遠慮してできないと思うので、健人との普段の間柄も映像にいい風に反映されたんじゃないかなと思います」と言うと、中島は実は事前に三木監督には伝えていたことを明かしつつ「突然のキスになってしまってすみません」と桐谷に謝罪した。
中島はmiletについて「アクション超大作みたいな劇中劇があって、全力疾走をするシーンがあるんですけど、想像の1000倍、足が早い!ちょっと僕も本気を出したんですけど競ってくるから“強っ!”って。運動神経がよくてすごいなと思いましたし、ああいう走り方をするのはmiletかトム・クルーズくらいです(笑)」と舌を巻いた。
最後に、miletは「初挑戦の映画が三木監督のこの作品で本当によかったなと思っています。ミナミという役を通して、大切な人がそばにいるって当然じゃなくて、かけがえのないことなんだって思わされました」とコメントし、中島は「映画人生の中で10本目の作品で、三木監督とご一緒できて、夢を叶えることができてうれしいです。普段気づけない大切ななにかがわかる愛情あふれた作品になっております!」と映画をアピールし、舞台挨拶を締めくくった。
文/山崎伸子