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松岡茉優の初主演作が2冠!大九監督、観客賞の自信は「ちょっとあった(笑)」

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松岡茉優の初主演作が2冠!大九監督、観客賞の自信は「ちょっとあった(笑)」

第30回東京国際映画祭が11月3日に閉幕し、コンペティション最高賞にあたる東京グランプリには、映画『グレイン』。松岡茉優の初主演映画『勝手にふるえてろ』が観客賞に輝いた。クロージングセレモニー後には、EXシアター六本木で受賞者と審査委員による会見が行われた。

本年の審査員を務めたのは、審査委員長のトミー・リー・ジョーンズをはじめ、マルタン・プロヴォ、レザ・ミルキャリミ、ヴィッキー・チャオ、永瀬正敏。映画について議論を交わすなど濃密な日々を過ごしたが、会見に臨んだトミーは「映画を撮り終えた後の、打ち上げに参加しているような気持ち」とニッコリ。「映画を作るのと同じような作業ができてうれしい。映画を作った後はいい経験となり、お互いをよく知ることができるもの。友人を作ることができて、一緒に作業ができた」とメンバーと築いた絆を喜んだ。

永瀬は「審査委員長から提案があって。一つ一つの作品を観るごとに、ミーティングを持つようにしていた」と告白。「それは素晴らしい提案だった。それによって共通認識を持つことができたし、意見を交わすことができた」とトミーの提案に感謝しきり。「この出会いを永遠に大事にしたい」とこちらも充実の日々を過ごしたという。

トミーは永瀬の言葉を受け、「上映後の新鮮な想いが必要だった。第一印象を鮮明に覚えていることが大事。それが意見を交わすことによって、変わったり、成長していく。有機的な話し合いになったと思う」と提案の意図を明らかにしていた。

松岡主演の『勝手にふるえてろ』は、一般観客の投票により選出される観客賞を受賞。また松岡は、“宝石の原石のような輝きを放つ若手俳優”を顕彰する東京ジェムストーン賞の記念すべき第1回の受賞者にも選ばれた。

大九明子監督は「ノミネートしていただいて、“よくぞ、私たちの小さな映画を見つけてくれた”という思い」と謙遜の言葉。しかし「観客賞は獲れると思った?」と聞かれると「ちょっとありましたね」とニンマリ。「いただけるとしたら観客賞かもと少し思っていました」と胸の内を明かしていた。

東京グランプリに輝いた『グレイン』は、トルコの名匠セミフ・カプランオールが、食糧危機に見舞われている近未来の地球を描く壮大なSF映画。カプランオール監督は「気候変動、貧困、難民問題、テロもある。状況は悪くなっている」と口火を切り、「どうしてこんな状態になってしまったのか。私たちはどこから来て、どこへ向かうのかと考えたことが出発点」と世界状況への憂いが着想となったと語っていた。【取材・文/成田おり枝】

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