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『2001年宇宙の旅』から富士山まで、ゴア元米副大統領が語る映画の魅力と日本の風景

インタビュー 2017/11/16 7:00

『2001年宇宙の旅』から富士山まで、ゴア元米副大統領が語る映画の魅力と日本の風景

地球温暖化の警鐘を鳴らし、大きな反響を巻き起こした前作から10年。その続編『不都合な真実2:放置された地球』(11月17日公開)で、引き続き「気候変動による危険に関する情報を世界に提供した」と元アメリカ合衆国副大統領アル・ゴア。10年間で世界は何が変わったのか。何が変わっていないのか。終わりのない闘いを続けるゴアが、“映画”に対する思いや、自身のバイタリティの源を語る。

【写真を見る】皇居が見えるホテルの一室で取材に応じたゴア元米副大統領
【写真を見る】皇居が見えるホテルの一室で取材に応じたゴア元米副大統領

鑑賞体験をリアルに共有できるのが映画の強み

世界中でゴアが行っているセミナーが核となっていた前作に対し、今作は、精力的に活動を続けるゴア本人に密着。水害に見舞われた土地を視察後、急いで水浸しの靴下を脱いで講演へ向かうといった、プライベートな部分にまでカメラは入る。

「自分に決定権があったら、靴下を脱ぐなんてシーンはカットするよね。でも、よかったんじゃないかな。そもそも自分では、もっと若くてスマートで、髪も黒いと思ってるんだけど」と気さくに笑うゴア。

そして「いまはドキュメンタリー映画の黄金期時代だと思う」と語り、続編製作にあたり、TV番組やネット配信ではなく再び“映画”という媒体を選んだことへの思いを明かす。

「みんなが同じ空間に座って、90分なり120分なりで完成したストーリーを一緒に体験できる。読書も好きだけれど、私にとっては映画が一番訴えかけるメディア。映画の力を信じているんだ」。

取材後、ゴアは東京国際映画祭クロージング・セレモニーに、トミー・リー・ジョーンズらと出席
取材後、ゴアは東京国際映画祭クロージング・セレモニーに、トミー・リー・ジョーンズらと出席

「映画といえば、ハーバード大学時代のルームメートだったトミー・リー・ジョーンズの『逃亡者』(93)や『ノーカントリー』(07)も好きだけれど、特別好きなのはドイツ映画の『善き人のためのソナタ』(06)と『2001年宇宙の旅』(68)だね。でも、『2001年宇宙の旅』は孫に見せたら、あくびをしていたよ。『ゆっくり過ぎるよ、おじいちゃん』ってね(笑)」。

政界から退き、69歳となったゴアは、私生活では4人の子どもと、4人(もうすぐ5人に)の孫を持つおじいちゃんだ。

仕事をすればするほどエネルギーが湧く

しかし本編を観るにつけ、休みなく活動を続けるそのバイタリティには舌を巻く。だがゴア自身は映画を引きあいに、次のように語った。「私はいま行っていることを本当に光栄だと思っている。名誉なことだと。これは自分がやるべきことだという強い意識を持っているので、仕事をすればするほど、エネルギーが戻ってくるんだ。たとえば『炎のランナー』(81)には、“走ると神の喜びを与えられる”といったセリフが出てきたけれど、まさに私も、そうした喜びを毎日感じているんだ」。

そして続けた。「大学時代、気候問題について初めてロジャー・レヴェル教授から学んだときには、まさか生涯を通じた使命になるとは思っていなかった。その後、議員になってからも、科学者たちの警鐘は全く届いていなかった。でも、母なる大自然が声を上げ、誰もが認識するようになったいま、再生可能エネルギーといった解決策も見つかってきた。だから私は希望を持っているし、興奮している。そしてもっとエネルギッシュになれる」。

映画では遊説先でゴアが地球温暖化の問題を有権者へ熱く問う姿も映し出される
映画では遊説先でゴアが地球温暖化の問題を有権者へ熱く問う姿も映し出される[c]2017 Paramount Pictures. All Rights Reserved.

『不都合な真実』から現在へ。状況は悪くなっている一方だとの見方もあるが、本作のゴアの姿は見る者を奮起させる。最後に、未来へ残したい日本の風景を聞くと、ゴアは笑顔で答えた。

「副大統領時代に天皇皇后両陛下にお会いするために訪れた皇居は、とても美しい場所だった。京都も東京も好きだ。そして何より日本の景色として素晴らしいのは富士山。私が行っているセミナーのスライドショーでも、富士山の写真を使っているよ。富士山の前にソーラーパネルがずらっと並んでいるんだ。まあ、その写真の場合は、私だから好きなのかもしれないけどね(笑)」。

取材・文/望月ふみ

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