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ケネス・ブラナー、草刈正雄の吹替えに「自分があんなに日本語うまいとは思わなかった」

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ケネス・ブラナー、草刈正雄の吹替えに「自分があんなに日本語うまいとは思わなかった」

ミステリーの女王、アガサ・クリスティーの不朽の名作を、オールスターキャストで映画化した『オリエント急行殺人事件』のスペシャル・イベントが12月5日、東京・六本木のTOHOシネマズ六本木ヒルズで開催。主人公エルキュール・ポアロを演じ、自らメガホンをとったケネス・ブラナーと、本作の日本語吹替版でポアロ役を務める草刈正雄、同じくドラゴミロフ夫人の声を担当した山村紅葉がレッド・カーペットに登場した。

豪華列車オリエント急行に乗り合わせた男女。豪雪地で立ち往生してしまった密室状態の列車の中で、ひとりのアメリカ人富豪が殺される。乗客それぞれから話を聞いていく名探偵・ポアロは、次第に2年前に起きた誘拐殺人事件と今回の事件との接点に気が付きはじめる。そして、事件の真相に迫ったポアロは、衝撃の真実と直面することになるのだ。

熱狂的なファンから黄色い歓声とともに迎えられたブラナーは「東京大好きです!」と笑顔でコメント。また、吹替えを担当した2人に対しては「すごく楽しく拝見さえてもらった。イギリスの友人たちも喜んでいると思います」と笑顔で接した。

そんな紳士的なブラナーに、今回初めて映画の吹替えを務めた山村は「あたたかくて優しくて、すっかりファンになりました」と赤面。「私の母(推理作家の山村美紗)は“日本のアガサ・クリスティー”と呼ばれた人。これも何かのご縁だと思います」と述べた。

レッド・カーペットの場では、日本の年の瀬の恒例行事である“今年の漢字”にちなんで、草刈と山村の2人が本作を漢字一字で表現した掛け軸を披露。「動」と書かれた掛け軸を掲げた草刈にブラナーは「すごくいい文字だと思う。映画に“動”きがあって、心が“動”かされる。ダブルミーニングだね」と喜びのコメント。

そして山村が「役者さんたちが表情で微妙な感情を表している素晴らしい作品。それをポアロが持ち前の感性で暴いていく」と「感」の字を掲げる。二文字合わせて「感動」という言葉になることを知らされたブラナーは、さらに笑顔を見せた。

続いて行われたスペシャル・スクリーニング前の舞台挨拶でブラナーは、作品に込めたこだわりを明かした。「オリエント急行をそのまま再現した列車のセットに、駅や線路までリアリティを重視し、緻密に計算して作られた画面が魅力」だと語り「非常にこの映画に誇りを持っています」と自信をあらわにした。

そんな中「膨大なセリフと、ケネスさんのスピードに身を乗せるのが大変だった」と、吹替えの収録について振り返った草刈。するとブラナーは「本当によく合ってたし、パーフェクトな演技だった」と絶賛。そして「自分があんなに日本語うまいとは思わなかった」と茶目っ気たっぷりなコメントで場内に笑いを誘った。

そして、先日報じられた本作の続編について訊かれたブラナーは「この映画の最後に、それをほのめかす部分が出てくるんだ」と、多くを語ろうとはしなかったものの「しいて言うなら、ピラミッドに関係がある。そして次は列車じゃなくて船です」とニヤリと微笑んだ。

取材・文/久保田和馬

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