イーストウッドの原点！色男カウボーイを演じた伝説的ドラマが初DVD化

いまや現代映画界の最高峰と言うべきクリント・イーストウッド。監督作『インビクタス　負けざる者たち』(09)も公開中の彼の出世作とも言われる伝説のテレビドラマ「ローハイド」が初DVD化。5月28日(金)、シーズン1が発売される。

「ローハイド」が全米のお茶の間をにぎわせたのは1959年〜65年までの約7年間。日本でもほぼ同時期に放映され、本国アメリカをもしのぐほどの人気を集めた。62年にはイーストウッドを含む主要キャストがプロモーションのため来日。成田空港には7000人のファンが集まったというのだから、その熱狂ぶりがうかがえる。

南北戦争後のアメリカ西部を舞台に、約3000頭もの牛の群れを運びながら旅をするカウボーイたちの姿を描く本作で、イーストウッドは、クールだが女にはめっぽう弱いロディを演じた。当時、まだ20代後半から30代半ばにかけてのイーストウッドは、若々しいルックスと持て余したような色気、そして時折見せるおちゃめな演技も魅力的で、イケメンぶりは今見てもホレボレ。さらに巨匠のイメージが強い今、あらためて見ると新鮮！

だが、イーストウッドは、その当時から人気者だけに終わらなかった。撮影中、自らのアイデアを提案したほか、のちの作品で「ローハイド」時代に目をつけたスタッフを起用するなど、クリエイターとしての目をこの作品で養った。さらに有名なのは、本作で功績を認められた彼が、イタリアのセルジオ・レオーネ監督の目に留まり、名作『荒野の用心棒』(64)誕生につながるなど、「ローハイド」がイーストウッドのキャリアをまさに形作ったのだ。

それから約半世紀。『グラン・トリノ』(08)で残念ながら俳優は引退したと言われるイーストウッドだが、監督として現在はマット・デイモン主演の『ヒアアフター』を製作中。同作では初のスーパー・ナチュラル・スリラーに挑戦するなど、意欲はまだまだ衰えない。そんな偉大なるイーストウッドの“原点”を、｢ローハイド」で見つめ直すのも一興だろう。【トライワークス】