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第90回アカデミー賞主要6部門を大予想!

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第90回アカデミー賞主要6部門を大予想!

現地時間3月4日(日本時間3月5日)に迫った第90回アカデミー賞授賞式。そこで、映画ライターたちによる受賞予想を一挙ご紹介!(一部の内容はDVD&ブルーレイでーた3月号にて掲載)

過去10年で例外は1作品のみ。結果はおのずと見えてくる(サトウムツオ)

サトウムツオ氏の主要6部門予想をチェック!
サトウムツオ氏の主要6部門予想をチェック!

昨今のアカデミー賞は、昨年9月のカナダ・トロント国際映画祭に出品された作品がほぼ獲っているらしい。過去10年で非出品作以外で受賞したのは『バードマン/あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』のみ。

今年もトロント国際映画祭に出品された、FOXサーチライトの強力な2作品、最多13部門ノミネートのギレルモ・デル・トロ監督作品『シェイプ・オブ・ウォーター』と、トロント国際映画祭の最高賞である観客賞を受賞したマーティン・マクドナー監督作品『スリー・ビルボード』が中心になるだろう。

先に行われたゴールデン・グローブ賞や全米映画俳優組合賞の結果(作品賞に相当するキャスト賞は『スリー・ビルボード』だった)などから、結果はおのずと見えてくる。

作品賞&監督賞は『シェイプ・オブ・ウォーター』が優勢(相馬学)

【写真を見る】相馬学氏による主要6部門の受賞予想がこちら!
【写真を見る】相馬学氏による主要6部門の受賞予想がこちら!

作品の好みは置いておいて、あくまで客観的な予想。ゴールデン・グローブ賞受賞で『スリー・ビルボード』に流れが向いたと思いきや、まさかの監督賞ノミネート落選。こうなると全米監督協会賞受賞のギレルモ・デル・トロと『シェイプ・オブ・ウォーター』が優勢だろう。

俳優部門は迷いどころ。とりあえず本命を並べたが、波乱は十分に考えられる。この予想どおりの結果になると、一昨年のように“白いオスカー”と揶揄されかねないので、主演男優賞あたりに波乱はあるか!?

「監督と寝たから役を得た」とは、ジョエル・コーエンの愛妻マクドーマンドのお決まりのジョークだが、現在のハリウッドはそれがシャレにならないほどセクハラ問題で揺れている。それがどう影響するのかを含め、授賞式は注目したい。

監督賞の顔ぶれがいちばんのサプライズ!(高橋諭治)

高橋諭治氏の主要6部門の予想は、なんと相馬学氏とまったく同じに!
高橋諭治氏の主要6部門の予想は、なんと相馬学氏とまったく同じに!

ノミネート一覧を見渡すと、最大のサプライズは監督賞の顔ぶれだろう。『レディ・バード』『ゲット・アウト』は確かに優れてユニークな作品だが、『スリー・ビルボード』のマーティン・マクドナーを押しのけてグレタ・ガーウィグ、ジョーダン・ピールがノミネートされたのは、いくら何でも評価が高すぎると感じる。

ギレルモ・デル・トロ監督がアウトサイダーへの愛(今風に言うならば多様性の肯定)という以前から描いてきたテーマを、完成度の高い映像美に結実させた『シェイプ・オブ・ウォーター』が、作品賞、監督賞の本命。俳優部門で波乱が起きるとすれば主演女優賞と助演女優賞か。全米映画俳優組合賞を制した本命2人と、対抗馬のサリー・ホーキンス、ローリー・メトカーフの争いに注目したい。

『スリー・ビルボード』は多層的な魅力を持つ傑作(村山章)

こちらが村山章氏の予想
こちらが村山章氏の予想

データ分析的に手堅く予想することは可能だが、あえて獲ってほしい作品を優先してみた。なぜか監督賞から漏れた『スリー・ビルボード』の作品賞受賞は厳しいという見方もあると思いつつ、多層的な魅力とおもしろさの両立が素晴らしく、やはり受賞にふさわしい傑作だと思う。

主演女優賞はサリー・ホーキンスかマクドーマンド、どっちでも順当だが、『アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル』で実在の嫌われ者アスリートの不遜さと根性を全編出ずっぱりで演じ切ったマーゴット・ロビーを推したい。

また怪物的な(実際に劇中でも“怪物”扱いされる)トーニャ・ハーディングの母親を怪演したアリソン・ジャネイも、長いキャリアにおける千載一隅のチャンスだと思うので、ぜひ受賞してほしいところだ。

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