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『万引き家族』の是枝監督、上海とフランスへ。「いろいろ新しいチャレンジをしようと思っています」

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『万引き家族』の是枝監督、上海とフランスへ。「いろいろ新しいチャレンジをしようと思っています」

第71回カンヌ国際映画祭パルムドールの栄誉に輝いた是枝裕和監督作『万引き家族』(6月8日公開)の英語字幕上映が6月21日にTOHOシネマズ 六本木で開催されたあと、是枝監督登壇によるティーチインイベントが行われた。是枝監督は明日から第21回上海国際映画祭に参加し、そのあとパリに長期滞在する予定だと言う。「ちょっと日本をしばらく離れ、いろいろ新しいチャレンジをしようと思っています。もうしばらく経つと、発表できると思いますから、期待してお待ち下さい」と、今後についてもアピール。

『万引き家族』の興収は6月12日に早くも10億円を突破し、14日には来場者数が100万人に達した。公開後7日間での10億円突破は、2018年公開の実写邦画の中で最速の記録となった。また、昨日20日の時点で遂に興収20億円を超えるメガヒットとなり、海外でも149の国と地域で販売が決定し、大きな注目を浴びている。

ティーチインでは、「映画を作る上で国内と海外の観客を意識しているか?」という質問が。是枝監督は「海外と日本で受け取っていただく感覚について、僕は違わないと思っています。20年間やってきて、それほど軸がぶれずに伝わるという実感をもっています」とキッパリ言い切った。

また、キャストを演出している際に、脚本が流動的に変わっていくことについて「作っているなかで立ち上がってくるストーリーが一番おもしろいです」と笑顔でコメント。『万引き家族』もしかりで「僕が最初に書いてた話とできあがった映画はだいぶ違っている部分があります」と説明する。

是枝監督は、安藤サクラとのやりとりを一例として挙げた。「サクラさんとのやりとりで、商店街でラムネを飲みながら歩くシーンが生まれましたし、取り調べのシーンでも、あの場でホワイトボードに僕が質問を書き、池脇(千鶴)さんに渡しているので、サクラさんはなにを聞かれるかは知らなかった。そういうキャッチボールで映画が動いていくのはすごくおもしろいです。それでいいシーンが撮れた時はすごく幸せですね」。

『万引き家族』は、犯罪でしか繋がれなかった家族の許されない絆を描く人間ドラマだ。是枝監督は最後に「今日、佐々木みゆちゃんの誕生日で、グループラインで『おめでとう』と言い合ってます。撮影が終わり、舞台挨拶が終わって、ばらけていくのが寂しいみたい。離れて暮らす家族のような感じで。ずっと続けばいいなと思っています」と、まさに映画さながらの家族のエピソードについても明かした。

山崎 伸子

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