声優・山下大輝を支える『ヒロアカ』デクの名言とは?三宅健太との激アツ秘話も告白|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
声優・山下大輝を支える『ヒロアカ』デクの名言とは?三宅健太との激アツ秘話も告白

インタビュー

声優・山下大輝を支える『ヒロアカ』デクの名言とは?三宅健太との激アツ秘話も告白

堀越耕平による人気漫画を原作にしたテレビアニメ「僕のヒーローアカデミア」の初の劇場版『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ~2人の英雄(ヒーロー)~』(8月3日公開)が、いよいよスクリーンに登場する。ヒーローを目指す登場人物たちの熱いドラマがファンに勇気を与えているが、3年以上にわたって主人公のデクこと緑谷出久役を演じている声優・山下大輝も「デクからたくさんのものをもらった」としみじみ語る。山下を支える“デクの名言”、そして本作のハイライトとなるデク&オールマイトの共闘シーン秘話を明かしてもらった。

「僕のヒーローアカデミア」は、総人口の約8割が超常能力“個性”を持って生まれる世界を舞台に、“無個性”で生まれてしまったデクが一人前のヒーローになるべく成長していく物語。劇場版では、原作者総監修のオリジナルストーリーが紡がれるが、山下は「原作にも描かれていないストーリー。未知の世界に飛び込むようでドキドキしましたが、僕たちも知らない物語が見られるんだと思うとワクワクしました」と興奮と共に挑んだと語る。

演じるデクについては「デクはいつも自分の100パーセントを出すし、努力を怠らない。『みんなに追いつくためには、何倍も頑張らないとダメなんだ』と思っているストイックな少年です。どんなにネガティブな感情が沸き起こっても、それをねじ伏せるように前を向く」と分析。「だからこそ、僕も常に100パーセントを出さないといけないと思っています。常に前を向いて挑もうとする姿は、彼から学んだこと」と得たものも多いそうで、「もしちょっとでも手を抜いたら、届かないところに行ってしまうようなキャラクター。必死につかんで、置いていかれないように必死で足を動かしていないといけない。いい意味で、僕をすごく追い込んでくれるんです」とデクと一緒に走り続けているような想いだという。

人々に勇気を与えてくれるキャラクターだが、デクのセリフで特に心の支えとなっているものはあるだろうか?「テレビアニメの第1期で、デクが『僕は恵まれすぎている』と涙ながらにオールマイトに言うセリフがありました。いまでも心に残っています」と告白。「僕はデクを演じられて、とても恵まれている。雄英高校のメンバーを演じる方々や、全力で作品を作ってくださるスタッフさんに出会えたことなど、いまの僕があるのはすべて周りに恵まれているからなんです。『これが当たり前だと思ってはいけない』と戒めにもなる言葉でした」。

デクは努力の人であり、さらに周囲を見渡すことで成長を遂げていく。まさに山下も同じ道のりを歩んでいるようで「共演者の方々やスタッフさんみんな、この原作が大好き。それぞれのキャラクターにヒーローになりたい理由があって、彼らのバックボーンが原作にしっかりと描かれているからこそ、それをきちんと形にしなければいけないと思っているんです。みんな“Plus Ultra(さらに向こうへ)”の姿勢なので、お互いが仲間であり、ライバルのよう。スタッフさんも含めて雄英高校の生徒のようです」と作品の合言葉を出しつつ、受ける刺激を語る。

劇場版のハイライトとなるのが、デクと彼の憧れのヒーローであるオールマイトとの共闘シーン。山下は「オールマイトとともに闘えるなんて原作にはなかったことですから、『これはヤバイ、すごい楽しみだ!』と思って。テレビアニメの第3期でオールマイトが力を出し切ってしまう前に、こんな共闘シーンがあったなんて。『やった!』『絶対にやってやる!』と思いました。」と台本を読んだ時点から、心が躍ったそう。

オールマイト役の三宅健太とも「楽しみですね」と言葉を交わしたが、「本番前に、演技について打ち合わせすることは一切ありませんでした。その場でやろうと」とマイクの前に立ったという。出来上がったのは、お互いの魂をぶつけた渾身のシーン。「すさまじかったですね。三宅さんとは『出し切りましたね』という笑顔で、握手をしました。三宅さんとの絆も感じたし、三宅さんが本作、そしてオールマイトをいかに愛しているかが伝わってくる握手でした。ものすごく清々しい想いがしました」と感動の瞬間を振り返る。

デク役しかり、「弱虫ペダル」の小野田坂道役しかり、山下には“必死になることの尊さ”を体現するキャラクターがよく似合う。そんな彼が、自身の声優としての“個性”だと感じているのは「後先考えないこと。常に全力を出し切ること」なのだとか。

「演じるキャラクターが必死なのに、例えば『次の仕事はなんだろう』とか考えるなんて、絶対にイヤなんです。キャラクターの人生を一緒に背負っていけたらいいなと思っています。僕が声優になったのも、キャラクターを通じていろいろな人生を歩むことができる仕事だと思ったから。キャラクターの人生を背負えば、たくさんの責任も伴うけれど、だからこそ『ここで全力を出しきらないでどうするんだ』と思う。キツイ瞬間も出てくると思いますが、なにかを形にできた時の喜びのほうが断然、勝ります」。

「新しいキャラクターに出会うたびに、ものすごくうれしいんです。このキャラクターとどんな世界が見られるんだろうって」とありったけの力を振り絞り、声優道を邁進している山下。パワーの源は「ハンバーグです!」とキッパリ。「ハンバーグを食べると『僕は負けない』という気持ちになる(笑)。食べて、叫んで、寝る。そんな毎日です」と充実感いっぱいの、まぶしいほどの笑顔を見せていた。

取材・文/成田 おり枝

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