高杉真宙、声優初挑戦の『君の膵臓をたべたい』でリアルに号泣!?|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
高杉真宙、声優初挑戦の『君の膵臓をたべたい』でリアルに号泣!?

インタビュー

高杉真宙、声優初挑戦の『君の膵臓をたべたい』でリアルに号泣!?

高杉真宙が『君の膵臓をたべたい』で声優に初挑戦
高杉真宙が『君の膵臓をたべたい』で声優に初挑戦

住野よるの小説デビュー作「君の膵臓をたべたい」が、大ヒットした実写映画に続き、今度は劇場用アニメとなり、9月1日(土)より全国公開される。本作で声優に初挑戦した高杉真宙にインタビュー。漫画やアニメ、ゲームが大好きだという高杉は、今回声優の仕事ができたことで「夢が叶いました」と喜びを口にする。

明るくてクラスの人気者だが、実は膵臓に病気を抱えている高校生・山内桜良(声:Lynn)と、彼女の闘病日記を見つけたことで、桜良と交流を深めていく同級生「僕」(声:高杉真宙)。若い2人のみずみずしい恋が、アニメーションならではのイマージネーションに溢れた映像美で描かれる。

病気をまったく感じさせないほどほがらかにふるまう桜良。高杉が演じた「僕」は、常に本を読んでいる、人づき合いが苦手な少年だったが、その頑なに閉ざした心を、桜良のポジティブな性格がこじ開けていく。「僕」に共感する点を尋ねると「人との距離感のとり方や、自分自身と闘っている点が似ているかもしれない」と感じたそうだ。

あまり感情を露わにしない「僕」だが、あるシーンで人目をはばかることなく号泣する。その嗚咽ぶりには、観ているほうまで苦しくなる。

【写真を見る】アニメ版の桜良と「ボク」はこちら
【写真を見る】アニメ版の桜良と「ボク」はこちら[c]住野よる/双葉社 [c]君の膵臓をたべたい アニメフィルムパートナーズ

「純粋にLynnさんの台詞を聞いたら、本当に心から泣けました。今回、順録りでやらせてもらい、僕は『僕』としてLynnさん演じる桜良と一緒にやってきたので、これまでの想いや台詞などが頭を巡り、その流れで涙がこみ上げてきたんです。というか、僕はそのやり方しか知らないので。初めて声優をやらせていただくにあたり、すばらしいプロの声優さんと同等の域にどうやってたどり着けばいいのかわからなかったので、とにかくあがきました。それで、やり方がわからないから、いままで俳優としてやってきたアプローチ方法をとっただけです。声だけではなく、表情も込めて、必死にやりました」。

高杉は桜良の「自分は他の人によって作られている。他の人によって生きている」という台詞が、とても心に刺さったそうだ。

「僕は小さいころから、なんでも自分1人でやりたがるタイプで、人に相談することがあまりないんです。でも、ほかの人と関わっているからこそ、いまの自分が作られたんだと改めて考えさせられた台詞でした。どの作品もみんなで作るものだし、僕たち俳優は、監督やスタッフさんが作ってくれた世界観の1ピースとなっていくような仕事だと頭では理解しているつもりですが、やはりいまでも家で役に向き合う時は、1人で闘っている気はしています」。

高杉は、現場が始まると、常に作品のことだけを考えていたいタイプらしい。「いまはプライベートや、自分をリセットする時間をあまり必要としてないのかもしれないです。もちろんキツくなり、1~2時間でも友達を呼び出して一緒にごはんを食べたりすることもありますが、その間も頭の隅にずっと作品のことを置いておきたい。自分のなかではそのやり方がいちばんやりやすいんです」。

いまは仕事ひと筋という生真面目な高杉だが、7月に主演映画『虹色デイズ』と破天荒な青春映画『君が君で君だ』が封切られ、『君の膵臓をたべたい』のあとも、『ギャングース』(11月23日公開)や、ONWARD presents 新感線☆RS『メタルマクベス』という舞台が控えている。そのパワフルさの原動力について聞いてみると「単純に楽しいってことだけです」と答えてくれた。

笑顔が爽やかな好青年の高杉真宙
笑顔が爽やかな好青年の高杉真宙

「もちろんキツいことや逃げだしたいことはたくさんあるのですが、それもひっくるめて、楽しめたらいいなと。楽しくなかったら、やっていない職業だとも思っています」。

俳優として転機となった作品は、小林啓一監督作『ぼんとリンちゃん』(14)の現場だったそう。「当時高校2年生でした。その映画では小林監督からがっつり2か月間演技のレッスンを受けてリハーサルを積み、1か月間撮影をしました。まさに演技というものを教えていただいた現場でした。その時、役を作っていく作業が本当におもしろくなったんです。いま、楽しいなあと思いながら仕事をさせてもらえることは、本当に幸せなことだと思います」。

最後に『君の膵臓をたべたい』についての手応えを聞いてみると「僕自身としては必死でやったのですが、自分ではまだ客観視できていないです。ただ、本当にすてきな作品ができたと思っているので、たくさんの人に観てほしいと思います」と力強く締めくくってくれた。

取材・文/山崎 伸子

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