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「運命のような感じがします」河瀬直美監督が東京オリンピック公式記録映画の監督に就任!

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「運命のような感じがします」河瀬直美監督が東京オリンピック公式記録映画の監督に就任!

2020年に行われる「東京2020オリンピック競技大会」の公式記録映画監督就任記者会見が23日に都内で行われ、『殯の森』(07)で第60回カンヌ国際映画祭グランプリに輝くなど世界各国で高い評価を集める河瀬直美監督が任命されたことが明らかになった。

「大変驚いています」と大役に抜擢された心情を明かす河瀬監督は「自分に与えられた役割をしっかりまっとうしていきたいと思っています」と語る。過去に山形国際ドキュメンタリー映画祭国際批評家連盟賞を受賞した『につつまれて』(92)など、ドキュメンタリー作品も数多く手がけている河瀬監督。「ドキュメンタリーにおいては構成も大切ですが、その場所で起こることに対するフレキシブルさも大切にしていきたい」と抱負を語った。

これまで日本で行われたオリンピック競技大会の公式映画としては1900万人以上を動員した市川崑監督がメガホンをとった『東京オリンピック』(64)を始め、篠田正浩監督がメガホンをとった『札幌オリンピック』、そして98年の長野オリンピックの際には数多くの公式記録映画を手掛けたパド・グリーンスパン監督のメガホンのもとで『1998長野オリンピック 名誉と栄光の物語』(98)が制作された。

ドキュメンタリー映画としての記録性か、手掛ける監督の芸術性かについて議論が巻き起こったことでも知られている市川監督の『東京オリンピック』について河瀬監督は「構成力だったり映画としてのカメラワークそのもので物語を伝えてくるショット、言葉で説明をしなくても肉体美だったりアスリートたちが切磋琢磨している姿、ほとばしる汗の様子をすごく美しい芸術として捉えていることがすばらしいと感じた」と語る。

その上で自身が務めることになった2020年の公式記録映画について「単に記録ということではなく、開催国である日本がいまどういう状況にあるのか、オリンピックがもたらされたことで日本がどのように変化を遂げるのかを描きたい」と語り「ストーリーを伴って作品が存在していくことこそが、世界中の人たちを感動させる、心動かせる作品になる」と力強くコメント。

また、自身もスポーツ経験者である河瀬監督は「競技を通して精神力を高めてながらいきていく希望や、心動かされていくものを体現してきた」と振り返り「私が映画監督になったのはこのためなんじゃないかと思うぐらい。映像に向き合ってきたなかで、こうしてスポーツがまたやってきた。運命のような感じがします」と満面の笑みを見せる。

そして、記者からの作品のタイトルについて質問されると「タイトルはまだ決まっていない」とした上で「いつものようにふっと降りてくるものだと思います」と語った河瀬監督は「最低でも4K(撮影)で映像クオリティを保ちたい」と制作にあたって最先端の技術を積極的に取り入れていく意気込みも明かした。

「東京2020オリンピック競技大会」の公式記録映画は、2021年ごろの完成を予定しており、国内のみならず世界各国で公開されるとのこと。また、10月25日(木)から開催される第31回東京国際映画祭の最終日11月3日(土)には今年行われた平昌オリンピックの公式記録映画『平昌2018冬季オリンピック公式映画:クロッシング・ビヨンド』が上映され、その際に河瀬監督と同作を手がけたイ・スンジュン監督のトークショーも行われる。

取材・文/久保田 和馬

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