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稲垣吾郎主演の『半世界』東京国際映画祭観客賞を受賞!阪本監督が「肩の荷が下りた」と安堵

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稲垣吾郎主演の『半世界』東京国際映画祭観客賞を受賞!阪本監督が「肩の荷が下りた」と安堵

11月2日、第31回東京国際映画祭の各賞が発表となり、コンペティション最高賞にあたる東京グランプリには、最優秀脚本賞とのダブル受賞となったフランス映画『アマンダ(原題)』。阪本順治監督×稲垣吾郎主演の『半世界』が観客賞に輝いた。アウォード・セレモニー後には、EXシアター六本木で受賞者と審査委員による会見が行われ、阪本監督が「僕のほうから稲垣くんサイドに『僕でよければ(ご一緒しないか)』と言った以上、おもしろい作品に高めていかなければという責任感も重いわけで。観客賞をもらえて、肩の荷を下ろしています」と安堵の想いを明かした。

コンペティション上映の一般観客を対象に投票を募り、もっとも多くの支持を得た1作品を表彰する観客賞に、稲垣主演の『半世界』が輝いた。

『半世界』は、40歳目前の人生半ばを迎えた男たちの「残りの人生をどう生きるか」という葛藤と新たな希望を描く物語。阪本監督は「コンペティションに選ばれた限りは、グランプリもちらっと脳裏に浮かぶものですが」と正直に語りつつ、「これまでも国際映画祭に出品させていただいて、観客賞に憧れもすごくあった。今回は観客賞があるというのを知らなかったので、不意を打たれた」とうれしい驚きとなったという。

10月30日に行われた公式上映前の記者会見では、稲垣が「仕事の仕方も変わり、いろいろなことがあるなかで、役者としての初めてのお仕事が本作。(そういった作品で)自分でも見たことがない自分がスクリーンに現れる。こんな作品に巡り会えて、本当に幸せ」と新境地を切り開き、すばらしい再スタートとなった感慨を語っていたが、観客賞を受賞したこの日、阪本監督は安堵の表情。

「僕のほうから稲垣くんサイドに『僕でよければ(ご一緒しないか)』と言った以上、とてもいい、おもしろい作品に高めていかなければという責任感も重いわけで」とプレッシャーもあったそう。「国際映画祭に出品できると思わず撮影していたけれど、華やかな場所で上映ができて、観客賞をもらえて、肩の荷を下ろしています」と目尻を下げていた。

東京グランプリ受賞の『アマンダ(原題)』は、自由に生きる青年ダヴィッドと親を失った姪のアマンダが、突然の悲劇を共に乗り越えようとする姿を描くヒューマンドラマ。本年の審査員を務めたブリランテ・メンドーサ監督、ブライアン・バーク、タラネ・アリドゥスティ、スタンリー・クワン監督、南果歩が受賞理由を語った。

審査委員長のメンドーサ監督によると「全員一致で決まった」とのこと。南は「遺された人たちの心の傷の表し方が、とても繊細だった」とコメント。「傷を負ったとしても、日常生活は過ごさなければならない。それは誰の人生にも起こりうること。誰に心のなかにも傷が潜んでいる」と本作の持つ普遍性に触れ、「その葛藤をとても優しく繊細に描いていた。(審査員のなかでも)異論は出なかった」と明かしていた。

取材・文/成田 おり枝

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