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映画制作&上映禁止処分にも負けない監督の最新作とは?

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映画制作&上映禁止処分にも負けない監督の最新作とは?

表現の規制が厳しいことで知られる中国映画界。11月6日(土)より公開の『スプリング・フィーバー』は、そんな中国で映画制作・上映禁止処分を受けたロウ・イエ監督の放つ最新ラブストーリーだ。

目覚しい経済発展を遂げたとはいえ、漫画、小説、音楽にドラマと、中国にはまだまだ表現に規制のかかる芸術分野が非常に多い。そして、それらに触れてしまったために、創作活動に支障をきたしてしまったアーティストも無数にいるとのこと。ロウ・イエ監督もそのうちの1人で、彼は前作『天安門、恋人たち』(06)で、中国の歴史上、触れることはタブーとされている天安門事件を題材にしたうえ、過激な性描写も盛り込んだことが中国電影局の目に留まってしまった。しかも当局の許可が降りないうちに、カンヌ国際映画祭に出品・上映してしまったことで国を怒らせてしまい、ついには5年間の映画制作・上映禁止処分という、映画監督にとって致命的罰則を受けることになってしまったのだ。

しかしロウ・イエ監督はそんな処分に臆することなく、家庭用デジタルカメラを使用して、本作『スプリング・フィーバー』のゲリラ撮影を敢行! 自主制作に近い形をとったために検閲を受けることがなく、かえって自由な映画作りができたという。完成後、カンヌ国際映祭で上映された本作は脚本賞を受賞し、世界から賞賛されている。

撮影禁止処分を受けた時のことを思い出し、「私は、映画監督という職業は決して禁止されてはいけない職業だと思っています。どんな束縛を受けたとしても、ずっと撮り続けるべきです」という、熱い思いも語ってくれた監督。その不屈の魂がこもった本作は、中国の経済だけでなく、文化の発展をも感じさせてくれる貴重な1本に仕上がっている。【トライワークス】

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