キスマイ北山宏光「自分に娘がいたら…」“父であり猫である”難役に挑んだ胸中とは?|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
キスマイ北山宏光「自分に娘がいたら…」“父であり猫である”難役に挑んだ胸中とは?

インタビュー

キスマイ北山宏光「自分に娘がいたら…」“父であり猫である”難役に挑んだ胸中とは?

Kis-My-Ft2の北山宏光が映画初出演で初主演を飾る『トラさん~僕が猫になったワケ~』が2月15日(金)に公開となる。「あの大きなスクリーンに自分が映るということだけでもビックリです。チャンスがあれば映画に出たいとは思っていましたが、それが、こんなにたくさん挑戦できるものがあって、しかも、突飛に思えて実は感動できる、すてきな作品への主演で叶った。自分にとってワクワクできる壁になりました」と明かし、父親役でもあることから「自分に娘がいたら…」との思いも語ってくれた。

北山が演じるのは、主人公の売れない漫画家・高畑寿々男
北山が演じるのは、主人公の売れない漫画家・高畑寿々男[c]板羽皆/集英社・2019「トラさん」製作委員会

人気コミックの実写化である本作は、北山演じるギャンブルが好きな漫画家の寿々男が、妻の奈津子(多部未華子)と娘の実優(平澤宏々路)を残して事故で亡くなるも、1か月の猶予付きで猫の姿となって家族のもとへと戻り、自身と家族について見つめ直す物語。北山は、夫であり、小学生の娘のいる父であり、そして、そうした心を持ったままに、途中からは猫の“トラさん”となる役に挑戦。公開前より発表されていた“トラさん”姿のビジュアルも話題を呼んだ。

“北山、猫になる”…見た目は猫・心は寿々男を演じる難しさ

「猫になるって、どうなるんだろう?と思いましたけど、最初にトラさんが公園に座って風に吹かれているときに、毛がふわふわなびいたりしていて…『猫じゃん!』って感動しました(笑)」。当然、猫のしぐさなどの研究もしたが、難しかったのは、見た目は猫でありながらも心は寿々男という点だったという。

「トラさんが何か言うと、相手には『ニャーニャー』としか聞こえない。でもお客さんには寿々男の言葉が聞こえているわけです。たとえば要潤さんの演じている人気漫画家に対して『かっこつけてんじゃねーよ』とか言っても、相手には『ニャー』としか聞こえないので、『かわいいね~』とあしらわれてしまう。その辺のバタバタ感なんかは、与えられた設定の中でどれだけ遊べるだろうかといろいろ考えましたし、猫という枠は守りつつ、ときには人っぽさを出したりして、どこまでなら攻められるか、いいところのバランスを探りながら演じました」。

キスマイ北山が映画初出演&初主演で“猫”になる!?
キスマイ北山が映画初出演&初主演で“猫”になる!?[c]板羽皆/集英社・2019「トラさん」製作委員会

「寿々男になれたと思う瞬間があった」寿々男の魅力とは

「事故に遭う前の寿々男は、自分勝手でダメなヤツなんだけど、でもまっすぐで正直で、どこかかわいい。嘘をついてもバレちゃいますし(笑)。家族に対しても、毎日ちゃんとスキンシップを取っていた。だからこそいろいろ許せちゃうわけで。ちゃんと愛情表現をするという部分は、本当に理想の父親だと思います。ダメなヤツだけど、素直でかわいい。かつちゃんと悩んでいる。僕は寿々男のことをすべて好きになりました」と笑顔を見せると、自身が父親になったらと思いをはせた。

“あの世の関所”で下された判決により、自分勝手で愚かな人生を“猫として”見つめ直すことになった寿々男
“あの世の関所”で下された判決により、自分勝手で愚かな人生を“猫として”見つめ直すことになった寿々男[c]板羽皆/集英社・2019「トラさん」製作委員会
娘を演じた平澤は「かわいくて目が離せなかった」という北山
娘を演じた平澤は「かわいくて目が離せなかった」という北山[c]板羽皆/集英社・2019「トラさん」製作委員会

「自分に娘がいたら、心配で過保護にしちゃいそう…」

「地元に帰れば『誰々の子ども同士が同級生で、この前は運動会に行ってきた』といった話も聞きますからね。子どもがいてもおかしくないんだよなと思います。実優を演じた宏々路ちゃんのことも本当にかわいく思えて。自分に娘がいたら、心配で外とか出したくないと思っちゃうな(笑)。過保護にしちゃいそう。成長して『パパのと一緒に洗濯もの洗わないで!』とか言われたら、俺、膝から崩れちゃいますよ」と声を上げて笑った。

そして最後に、本作公開への期待を口にした。「自分の中で、挑戦できるものがすごくあった作品。これを乗り越えられたら、もっと次につながるかもしれない。お客さんがどんな風に思ってくれるか楽しみです。いい映画って、観たあとの帰りの電車の中でもまだ『良かったな』って感覚が残っている。そうした心に残る作品になってほしいなという思いを込めて演じました」。

取材・文/望月ふみ

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